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地方文芸賞をつくる

 これは、みそのの詩歌賞という地方文芸賞をつくるに至った思いと流れを書いた約1700文字の記事です。


みそののお花見

 2023年春に美薗中央公園(静岡県浜松市旧浜北区西美薗)の花見広場において、旧浜北区の建築事務所E4さんと建材会社主催で「みそののお花見」というイベントが開催された。そのイベントへ私は「短歌□つくる」という企画で参加した。「短歌か俳句で何かやれないか」とイベント前月に主催から誘われてはじめた企画だったため、結果として準備不足は否めなかった。だから、2024年の「みそののお花見」は、主催に言われる前に企画を提案しようと考えていた。


地方文芸賞をやりたい

 ところで、私は地方文芸賞が好きだ。地方文芸賞にはいくつか応募しているし、数は少ないが受賞もしている。そして、地方文芸賞はもっと地方文芸活性化のために活用できるはずだ、と考えその可能性に注目している。

でも現状の地方文芸賞にはいくつか不満も抱いており、そのうえで

  • 審査員と応募者の交流をもっと図った方がよい。

  • 審査員は壇上や受賞者の対面に座って話すのではなくみんなで車座になった方がよい。

  • 受賞者を招いてその地方のイベントなどで活動してもらうなど地方文芸賞と地方文芸イベントをリンクした方がよい。

という不満解消のための提案を持っていた。それらの提案が発酵しかけたとき、ふと、私自身で地方文芸賞の可能性を活かした地方文芸賞を開催できないか、と考えついた。

関わりを持ちたい

 遠州における詩の祭典「ポエデイ」を2月24日(土)に新浜松駅高架下のはままちプラスで開催する。そのポエデイ準備過程で浜松市在住歌人の白川ユウコさんがポエデイと「関わりを持ちたい」と接触を図ってきた。まだ開催していない文芸イベントへの思いとして、ありがたい。ただ、白川ユウコさんとアクトプラザラウンジで会談してみると白川さんはポエデイ当日は京都へ行くので多くは関われないという。でも、白川さんを手ぶらで帰すわけにはいかない。なので私がその場で、「みそののお花見」で短歌を募集する企画をやったら審査員をしてくれるか? と訊ねるとこれを快諾してくれた。すぐに、「みそののお花見」の主催へ企画を提案した。白川さんの「関わりを持ちたい」という気持ちから、みそのの詩歌賞は生まれたのである。

みそのの詩歌賞

 みそのの詩歌賞の募集はすでに始まっている。締め切りは3月8日(金)だ。短歌だけではなく俳句・自由詩・mp3の4部門を設け審査員を迎えた。公式ホームページはhtmlとcssを手打ちして手づくりのあたたかさを演出した。

美薗

 みそのの詩歌賞の名前はその母体となるイベント「みそののお花見」に由来しているけれど、同時に美薗中央公園の名前にも由来している。この美薗中央公園の美薗という名前、じつは平安時代の遠江国にあった蒲御厨などの伊勢神宮の御厨(荘園)群のひとつ、美薗御厨に遡るという。みそのの詩歌賞はそのような歴史的な地名を冠している。

mp3部門

 みそのの詩歌賞ではちょっと変わり種部門としてmp3部門を設け、審査員はにゃんしーさんを迎えた。なぜmp3かというと、pngよりgifが好きなように、私がwavよりmp3が好きだからだ。
 このmp3部門は、スマートフォンなどで「花・桜」をテーマにした自作詩歌の朗読を録音した音声ファイルを想定しているけれど、実際にどんな作品がアップロードされるのかは蓋を開けてみないとわからない。ただし時間は5分以内、ファイルサイズは10MBまでという制限がある。どんな作品が提出されるか、にゃんしーさんがどう審査するか楽しみだ。

場と思いと人

 「みそののお花見」という場と地方文芸賞をつくりたいという私の思いと「関わりを持ちたい」という人、この3要素がうまく組み合わさって、みそのの詩歌賞は生まれた。場と思いと人、この3つがあれば企画はできる。お金はなくてもなんとかなる。

 浜松市や遠州で文芸イベントをやりたい、みそのの詩歌賞でこんな部門をやったらおもしろい、など提案のある人は、ポエデイ会場(2024年2月24日)やみそのの詩歌賞公開選考会(2024年3月31日)で会いましょう。話しましょう。そして、新しい文芸イベントをつくっていきましょう。

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