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カリートの道  ブライアン・デ・パルマ

1993年公開のアメリカ映画。元麻薬王で名を馳せたカリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は親友である弁護士のデイヴ・クラインフェルド(ショーン・ペン)の協力によって、わずか5年で刑務所から出所する。5年ぶりに彼が見たものは、仁義も失なわれ金のために仲間を裏切る人々、かつての光景とは様変わりしたものでした。出所した彼は犯罪に手を染めず、バハマでレンタカー屋を営むという夢を持っていた。その為に金を着々と集め、以前の恋人であるゲイルもよりを戻し明るい未来を思い描きながら生活をしていた。そんなある日、親友のクラインフェルドがマフィアのボス脱獄を手助けしてもらいたいという頼みごとをして来た。カリートは気乗りしなかったが自分が裁判で出所する為に弁護士として刑を軽くしてくれたクラインフェルドに恩義がある為断ることができず了解する。しかしその時のクラインフェルドはコカイン漬けであり支離滅裂の行動をしていた。その勢いのまま暴走しボスとボスの息子を殺してしまう。カリートはその事件に巻き込まれる形となってしまった。最終的にクラインフェルドはマフィアからボスを殺した報復として暗殺され、カリートもチンピラのベニーに殺される。以上が概要で下記が私の感想です。

シーンとしてはカリートが最後に撃たれて運ばれる所から始まる。出所後堅気の道を歩く決意をしたカリートだったが、周りの連中がそうはさせてくれなかった。そんなカリートは犯罪は起こしたくは無いが昔の恩を忘れることが出来ず、最終的に犯罪の手助けをしてしまう。私が思った事は人間の判断基準の難しさだった。自分の希望と仲間との絆と法律が同じ俎上に上がった場合どれを選択するのか。やはり犯罪組織を経験すると中々その場所から逃れる事が出来ない。その中でカリートの思いがさまざまに交錯する様子が描かれていた。ちなみこの頃のショーン・ペンが私は一番好きです。コカイン漬けでクレイジーな行動もありましたが彼の演技に惹かれました。20年程前にもこの映画を観た時も同様のことを感じました。私が一番好きなシーンは最後南国で恋人のゲイルが踊りエンドロールが流れる場面でした。登場人物が殆ど殺されるなかで、カリートの子供を妊娠した彼女がその後も力強く生きている様子が描かれ、観ていて心が救われました。

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