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カップ麺の作り方で、PMスキルが分かるらしい


こんなあなたは、そのまま読んでほしい

  • ジュニアPM(project manager)

  • タスクの洗い出し、優先順位付けに苦戦中の方

  • とにかくカップラーメンを美味しく作りたい方

本noteは、Sun* Advent Calendar 2023の8日目の記事となります。


自己紹介

ラーメン大好き、数えたら今年141杯食べちゃってる、Sun* PM職の浦野凌一と申します。
Sun*には、23年度新卒として入社しました。
なので、まだ社会人1年目!日々学びです!

どんな仕事?

入社して研修後、アプリ開発のプロジェクトに半年ほど入っています。
シニアPMと共に活動し、最近、追加開発〜リリースまでのマネジメントを担当することになり、精進中です。

なぜにカップ麺か

さて、この記事を書くきっかけは、遡ること半年ほど前。PMとしてのキャリアをスタートした直後です。
それは、同じプロジェクトのシニアPMから聞いた、この言葉。

カップ麺の作り方を説明してもらうと、その人のPMスキルが分かりますよ

はへ〜〜確かに段取りの良さとか測れるのかな〜と思いながら、どういう意味なのかは聞かずに、スルーしてしまいました。

現在、スケジュールで苦戦

時は流れ、現在。
リリースに向けて、必要なタスクの洗い出し・順序決めなどをする中で、「あ、先にこれやんなきゃだった。これも考えとかなきゃだった。」など日々痛感しています。

そこで、カップ麺作りにチャレンジしてみることで、自身に足りないPMスキルを見つけられるのでは?と思い、この記事を書いてみます。
(ラーメンが食べたいだけじゃないですよ!!!)

実践編 Part.1

戦いの日は、12/1。昼下がりの、Sun*大手町オフィスです。
午前のmtgを終え、コンビニへ出向き、どうせならと食べたことないカップ麺を買ってきて、準備万端です。

バーカウンターのあるオフィス、良きです。

事前に考えた、僕なりのカップ麺の作り方はこう。

①お湯を沸かす。
②蓋をあけて、かやくを取り出す。
③かやくをいれる。
④お湯を入れて、3分まつ。

どうでしょう!このシンプルだが漏れのない構成(のはず)。
お湯を沸かすという、一番時間のかかる作業を最初にするのが、ポイントです。

計画どおりに作ろう

では、作業計画に従って、いざ実践です。
まず、①お湯を沸かす。をします。
適当にポットに水を入れて、スイッチをON。

次に、②蓋をあけて、かやくを取り出す。です。
が、ここで想定外の事態。中に入ってるのは、かやくだけじゃない。

最近のカップ麺の進化ほんとすごい…!

スープ1種類+かやく3種類でした。
少し焦りつつも、かやくを1つだけ入れて、お湯が沸くまで、一旦待機。

暇なので、そういや、部屋の暖房切ったっけ、、?などと想いを馳せていたら、ようやくお湯が沸きました。

ここまでで、5分30秒です。
お湯を入れて、また待ち時間なので、年末年始は何しようかなあとか考えます。

そして、3分後、ようやく残作業に取り組めます。
スープと残りのかやくを入れるため、蓋を完全にめくると、、、
なんと、またもや想定外。

【八王子ラーメンの通な食べ方】なる情報が書いてあり、お酢を加えてアレンジするのが地元流とのこと。

いや、、、聞いてないよ!!!!!!!!

今からお酢を用意しようとしたら、麺が伸びてしまう、、泣く泣く諦める。
仕方ない、もう急いで完成させようとすると、

あ、箸がない。。

オフィスの箸を借りて、スープとかやくを入れて、なんとか完成。。。









と思ったけど、そういえば、お茶も欲しい!!
なんで、前もって準備しとかなかったんだ。。

などとバタバタし、結局、食べるまでにかかった時間は、12分でした。

ああ、僕は段取り悪いPMかもしれない。。
とちょっと落ち込みながら、カップ麺を食べてこの日の戦いは終了。
(カップ麺自体は、非常においしかったのでOKです)

シニアPMに相談

このまま、ぜんぜんダメでしたでは終われない。
日を改めて、カップ麺の話をしてくれたシニアPMに、足りてない点を相談してみました。
すると、いただいた言葉がこちら。

優秀なPMは、カップ麺の調理方法をいきなり考えるのでなく、前提を確認してから進めますよ。

なるほど、”前提” が重要とのこと。
確かに自分は、何も考えず、作り始めてしまっていました。。
では、それを踏まえて、どう改善できたのかを考えてみます。

得た学び

前提①:目的はなにか

考えてみれば、先日作成した際には、目的が存在しませんでした。

・忙しいランチタイムの時間内に完食できるように、スピード優先で提供する
・ラーメンの美味しさを分かってもらえるよう、味にこだわってつくる
・誰も怪我しないように、安全第一で調理・提供する

何を重要視するかによって、タスクの内容は変化するはずです。
例えば、味にこだわるならトッピングを考えると良いでしょう。
安全第一ならば、お湯の温度を下げてもいいかもしれません。

また、先日の作業計画では、お湯を入れて完成としていました。
ですが、カップ麺を作る目的を考えると、作ることがゴールでなく、食べるまで(場合によっては片付けまで)がゴールとなるでしょう。
そのゴールから逆算すれば、箸、お茶の準備を忘れることもなかったはずです。

目的が1つに定められないケースでは、トレードオフスライダーを活用して、優先度づけをするのもいいかもしれないです。

Sun*の新人研修でPMの基礎として、プロジェクトを成功させるのにはQCDSをコントロールすることが重要として、こちらを知りました。
まだ使いこなせているレベルではないですが、こういったものを頭に浮かべると、優先づけの助けになると思います。

実際、Sun*ではキックオフの際に、クライアントチーム、プロダクト開発チームで話し合い、上記の5つの項目の優先順位を決めるという流れがあります。

前提②:誰がするのか?

他にも、そのタスクを誰がするかという担当者は重要だと気づきました。
先日は無意識に、自分が調理するつもりで、手順を作成していました。

ですが、カップ麺も、作る人が、毎週よく食べる大学生と、初めて食べる小学生では、どこまで詳細に伝えるべきかが、変わるはずです。

前提③:ツッコみどころを探す

その他、様々な前提条件を、可能な限り漏れなく確認しておくべきです。
どこかツッコみどころはないかを、探していきます。
カップ麺なら、例えば以下の通り。

・何個つくる必要があるのか?
・ポットの動作確認は済んでいるのか?
・一度リハーサルはできないのか?

手順に抜け漏れがないかというのは、経験値による部分も大きく、確かにPMスキルが測れる観点だと思います。
ジュニアPMの場合は、同様の過去事例を探す、リハーサルしてみる、フローチャートなどに図解して整理する、PJ内外のメンバーに見てもらう、、
など出来ることは全て使って、カバーするしかないです。

人はついつい甘えてしまうものなので、
今日は疑問点を5個出す。明日も5個だす。
などと、数を決めてしまうのも、効果的なテクニックに思えます。

実践編 Part.2

では、これらの学びを踏まえ、更新した作業計画がこちらです。

  • 目的

    • 忙しいランチタイムの時間内に完食できるようにする
      →スピード優先で10分以内に完成させる

  • 担当者

    • カップ麺を食べるのは年に1回で、作り方は少し曖昧

    • 調理する人と、食べる人は、同じ人

  • 前提条件

    • 調理場所は、オフィスのバーカウンター

    • ポットは動作確認済み

    • カップ麺、箸、飲み物は、予備を含め用意されている

    • 作る個数は、1個

  • 手順(分)

    • パッケージを見て、お湯の量を確認する(0.5)

    • 必要な量の水をポットに入れる(0.5)

    • ポットのスイッチをONにして、お湯を90℃まで沸かす(4)
      →半分だけ蓋をあけて、かやく・スープを取り出す
      →かやくをいれる

    • 沸いたお湯を内側の線まで注ぎ、蓋を閉めて3分まつ(3)
      →その間に、箸・飲み物を準備する
      →時間が足りない場合、2分半でも良い

    • 残りのかやく・スープを入れて、混ぜれば完成(1)

1回目と比べて、どうでしょうか!
スピード優先で作業を洗い出すことで、新たに以下も有効だと気づきました。
・お湯を必要量だけ沸かす
・お湯を入れてからの待ち時間を、3分→2分半に短縮

トレードオフスライダーを頭に浮かべたら、食べること、つまりデリバリー(D)に重きをおいて、多少の味すなわちクオリティ(Q)は落としても良いと思い、待ち時間は2分半でも可としました。

おわりに

意外と、やってみないと分からないことがありました。カップ麺、奥が深いです。
今回はカップ麺でしたが、 こういった手順やプロセス管理をカレーライスに例えて考えるのは有名と教えてもらいました。

また、ステークホルダーが複数いる場合は、スイムレーンと呼ばれるタスクの流れをまとめた図解を作成するのも、有効とのことです。

参照:https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20080619/308731/

先人たちの知恵を活用して、より良いプロセス管理を目指していきたいです。
ここまで読んでいただいた若手PMの方、共に頑張りましょう!!

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