どうしていつも私は、と思ってしまう時は
もう5年以上前のこと。
「優しさってなんだろうね」と
久々に会った沖縄の友人にボソッと言ったら、
「それを考えてる時点でお前は優しいやつだよ。少なくとも、優しくありたいと思ってる。それで十分だろ」と返されました。
本人は何気無く返してくれた言葉のようでしたが、個人的にはすごく刺さる言葉でした。
たしかに、優しくありたいと思ってもいない人が自分が優しいだろうかと悩むはずがありません。
彼の言葉にハッとさせられました。
僕に必要なのは、自分の優しさが足りないと嘆くことではなく、まず優しくありたいと願っていることを思い出すことでした。
<何を大事にしているかを問う>
悩みや憤り、ムカつく、イラつくといった感情や自分を責めるような考えはあなたが大切にしている価値について教えてくれます。
ネガティブな感情ですから、不快感を覚えることはたしかです。
しかし、重要なことを教えてくれているのだと思って眺めてみてください。
価値とは、大事にしている考えのことです。
優しくなりたいと思っていない人は、優しさについて悩みません。優しさなんてのはあまり意識に上らない単語になるでしょう。
自分のいい加減さがつらいなら、自分や他人に誠実でありたい人なんだと思います。
この調子で、ネガティブな感情が湧いてきたタイミングで「自分が何を大事にしているからこう思うんだろう?」と問いかけてみてください。
自分にとっての価値が見えたら、まずは素直に認め、感覚をしっかり味わってみてください。
<価値に沿った行動をする>
自分にとっての価値が見えたら、それに沿った行動がどんなものか考えてみましょう。たくさんあるはずです。
僕自身の経験から、一例を挙げます。
数年前まで「どうして自分はこんなに頼りないんだ」と悩んでいました。苦しくて寝られない日もあったくらいです。
何を大事にしているからそう考えたのか?
それだけ強く誰かの力になりたいと願っていたからでしょう。貢献することを大事にしていたのです。
内省した結果、自分と接する人たちが自分の可能性を低く見積もることなく、希望を抱いて生き生きしていてほしい、と考えているのがわかりました。
では、その価値に沿った行動にはどんなものがあるか?
些細なものから挙げていけば無数にあります。
明るく挨拶する
挑戦を応援する
相手の刺激になりそうな人をつなげる
相手の刺激になりそうな本を紹介する
健康に気を遣う(まずは自分が生き生きする)
こういった価値に沿った行動を人生をかけて少しずつでも増やしていけばいい、と考えられるようになりました(悩む代わりにそう思えた途端、一気に価値に沿った生き方に近づけた)。
<価値に沿った行動は誰でも、どんなときでもできる>
価値は、何かを手に入れることとは違います。
1億円稼ぐとか、最高の異性と結婚するとか、〇〇に選ばれるとか、そういうのとは違います。
価値は行動指針であり、たとえどこにいても(遊園地にいても、職場にいても、刑務所にいても)、どんな状況でも(無一文でも、最悪な状況にいても)それに沿った行動を取れます。
つまり、今この瞬間にも価値に沿った行動は選べるわけです。
おまけに、自分が大事にしている考えに沿って行動できるのは心から気持ちのいいことです。真に自分らしい行動です。
だから、価値に沿わない行動をしちゃったなと思ったら、自分らしくなかったなと思えばいい。
そして、次の瞬間にはそれに沿った行動を選ぶ。
これだけでいいのです。
<まとめ>
最後に、手順をおさらいしましょう。
①ネガティブな感情、嫌な思考が湧いてきたら、それに気づく。ここからすべては始まります。
②嫌な思考・感情に気づいたら、孫にひさびさに会うおじいさんのように「よしよし、よく来たね」と座るスペースを与え、好奇心をもって向き合ってみてください。
③「何を大事にしているからこう感じる/考えるんだろう?」と問いかけ、価値に気づいてください。
④価値に沿った行動としてどんなことができるか考えてみてください。
⑤気づいたタイミングで、いつでも価値に沿った行動を選んでみてください。
⑥できなかったら、自分らしくなかったと考えて、次の瞬間には価値に沿った行動を選んでください。
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