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デザインを知らない素人が、デザイナーになって、早々にやめるまでの話③

前回。1冊のフリーペーパーがきっかけでデザインの道を志した私。
まずは業界に飛び込んでみようと、アルバイトを始めることに。


アルバイトからインターンへ

アルバイトを始めて数ヶ月。
夢だったデザインの世界で働いているという充実感はあったものの、デザインの内容は自分のやりたいと言えるものではなく、より理想のデザインを追求していきます。
まずは、自分の大学からグラフィックデザイナーになった人はいるのか。「○○大学 デザイナー」と検索をかけました。画像検索の結果をスクロールしていると、お!素敵なロゴとサイト。そして、プロフィール欄には私の通っている大学名が!!
理想のデザイン×同じ大学の卒業生、この巡り合わせ、チャンスにするしかない。調子に乗りまくっている私に怖いものはありません。プロフィール欄に載っている名前をFacebookで検索し、長々と大変熱のこもったDMを送りました 送りつけました(今思うと恐怖でしかない)。

するとなんと、ご丁寧な返信が送られてきたのです。
ご自身も美大や芸大ではない大学出身のデザイナーとして苦労する部分も多く、私の思いに共感していただいたようで、「ぜひ話を聞いてみたい」と歩み寄っていただけました。
そして、私はそのデザイナーさん(以下、師匠)に会いに行きました。

師匠は主に舞台に関わる仕事をされていて、実際の制作物を見た私は自分の理想とするデザインに心の中で「ウォぉぉ」と雄叫びを上げていました。
師匠のデザイナーとしての活動や、デザイナーを仕事とするまでのいきさつや苦労した話などを沢山聞かせていただきました。
すると、「インターンシップってどうかな」と思わぬ提案が。私はもちろん二つ返事で「はい」とお願いしました。
師匠はフリーランスのデザイナーであり、とあるコアーキングスペースで店主をしながら(オーナーではない)お仕事をされていたのですが、またここに集う人々がとても愉快なのです。笑

ものすごく忙しそうだけど何で生計を立てているのか全く分からないキャリアウーマン、私に鯖寿司を無理やり食わせようとするオネエ、某・ノ○フィクションに取り上げられた人…

私が今まで生きてきた中で交わるこのない人々とこれから濃密な時間を過ごすこととなります。

全てが新鮮

私は、毎週月曜日に約1時間半かけてインターンへ向かいます。朝10時にとあるコアーキングスペースは開店するので、9時45分頃に店前で師匠を待ちます。師匠は自宅から自転車で出勤。師匠が鍵を開け、まずは開店の準備を二人でします。私の担当は、店内の床と玄関の掃除。師匠はトイレ掃除担当。
開店準備が整ったら、コアーキングスペースの一部を借りて作業に入ります。※師匠の計らいで、交通費と昼食付き(師匠は料理が大得意で、とても優しい方)。
ちなみにこのコアーキングスペースは師匠の他にもう一人店主がいて、その方は布ナプキン作家の女性でした(ツッコミどころ満載)。

デザイン仕事は色々なことを経験させていただきました。舞台やイベントのリーフレットに使う素材の準備や、修正、レイアウト変更などなど。時には、打ち合わせに同行したり、舞台俳優さんの撮影を見学しに行ったりと、とても新鮮で刺激的な日々でした。
そして、とにかく師匠の作るものが私の理想としているデザインばかりで、それに携われていることが何より嬉しかったのです。
アルバイトを始めた段階で、将来はデザインを仕事にしたいなとふわふわした気持ちが、明確な目標へと変わっていきます。

グラフィックデザイナーになるぞ。

待ち受ける就活の壁

デザイナーになると心に決めた私。
さてここから、非美大・非芸大の就活地獄が待ち受けます。
周りの皆んなが合説(合同説明会)に行っている中、私はポートフォリオをせっせと作り始めるのでした。

④に続く。

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