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家族と精神障害16 最近一番強かった希死念慮の中で、本人が起こした行動に「すごいなぁ」と思った話

こんにちは。
私の姉は手帳上は統合失調感情障害なのですが、双極性障害とも医師から言われています。
双極性障害の人って一般の人に比べて約10倍自殺しやすいと本で読みました。
私もこのリスクだけは常に頭の片隅に置いて、対応しないとなと思っています。
姉は躁鬱の症状が強く、度々希死念慮に襲われます。
最近は「死にたい」じゃなくて、「死にたいけど死にたくない」とよく言います。
その一歩踏みとどまってる感じに姉なりの成長を感じます。
私はそのままの姉で良いんじゃないかなと感じるのですが、本人は色々な理想ややりたいことがあって、現実とのギャップに葛藤している感じがします。
そのままの自分を受け入れることも大事だけど、そういう夢や理想が本人の生きがいにもなってるのかなと思うと非常に難しいところ。

最近、我が家の家計が本当に厳しくなり、家計簿を本人に共有したところ、本人が買い物依存症の症状を無理に抑え込もうとして、大きく体調を崩しました。
家族としては、本人が何にいくら使ってるのか現状把握して欲しいという狙いがあったのですが、見事に裏目に出ました。
依存症が思ったより進行していて、本人が自分の意志でどうにかできるレベルじゃなかったんですよね。
更に、「自分ではどうにもできないことで、周りから責められている」という感覚を本人が持ってしまい、実家の家族関係は急速に悪化。
無理をしたことで一時的に減った買い物の額も、本人のストレスに比例して急増。
ここから数日後、希死念慮が止まらない一日がやってきたのです。

母が一番対応に困っているのが、この希死念慮なようです。
目の前の人に「死にたい」と言われたら、あなたならどんな言葉をかけますか。
1回目はとにかく励ますなり、話を聞くなりするでしょうか。
2回目、3回目と同じ人から度々同じことを言われたら、同じように対応できるでしょうか。大抵はそっと距離を置くのではないかと思ったり。
それだけ、そう簡単に背負えるものではないんですよね。
私も姉の口から「死にたい」という言葉が稀に出ると、いつも一度息を呑んでしまう自分がいます。
「なんて声をかけたら良いのか」がスッと出てこないんですよね。
自分の言葉に相手の命がかかっているかもしれないという計り知れないプレッシャー。
この日、父もいのちの電話をかけまくる本人に何も言葉をかけることができず、本人から責められ、「言葉が見つからなかった」と言っていてこれは本音だと思います。
この辺も家族に対する支援が大きく必要とされるところだと思います。
ゲートキーパー講座なんてのがあったりしますが、「自殺」って昔からある大きな社会問題である程度「言葉のかけ方のコツ」は決まってるものだと思います。
この辺も少しずつ調べていきたいところです。
個人的には、本人が「何でそう思うのか」にひたすら耳を傾けるのが大事だと思います。すごく難しいんですけど。
私よりも母の方が実の子の「死にたい」のダメージは甚大で、「本当に何かあったらどうしよう」と考えずにはいられず、気持ちが保たないと良く言っています。

1日のスタートは、その日の夜の母とのやり取りでした。
姉が上述したようなストレスでぱんぱんになっており、「辛い」と母にこぼしたようです。それに対して、母は「私も辛い。うちの家族はそれぞれ頑張ってるんだよ。」と返しました。この一言で、本人のスイッチが完全に入ってしまいました。
母は母で限界なところがあって、どちらかと言うと励ます意味で言ったり、自分の本音を正直に吐露してしまったんじゃないかなと思うのですが。
本人的には辛いという気持ちに寄り添って欲しくて、みんな頑張ってると言われたことで縋るところがなく、追い詰められたように感じたようです。
うーん、すれ違い。
また、母が「辛い」と言うと、姉は「私にこれ以上気を遣わせないで」となるんですよね。そしたら、母の「辛い」は誰が受け止めてくれるんでしょう。私ももちろん聞くんですが全然それでは足りないし、私も私で全面的に頼られるとしんどくなってしまいます。家族の「辛い」をもっと聞いてもらえる場が増えて欲しいなぁ。

ここで、姉は母と口をきかなくなります。
最近、母と姉の関係が良くないのですが、逆に本人が親を頼らず、自分でどうにかしようとすることが増えた気がします。

姉が取った行動①いのちの電話
希死念慮のためのサービス代表格です。チャットとかもあるようですね。
ここに電話して自分の気持ちを話して、落ち着けようという行動は十分、自分で対処していると言えるのではないでしょうか。
ただ、いのちの電話は同様のサービスが複数あるものの、どれもいつも繋がりづらいようです。本人もすごくそれがストレスのようで。
日本にはどれだけたくさんの死にたいと思っている人がいるんでしょうか。
まぁ、5分10分で終わる話じゃないでしょうしね。
聞く側の人も大半はボランティアなのではないかと思います。
でも、「死にたい」っていう人の話を聞いたり、「どうすれば良いですか」と問われることの負担は相当なものだと思います。かけてくる人はみんな追い詰められているので、逆に責められることもきっとあると思います。
人の命が救われるなら、行政がもっとお金出して人を雇っても良いんじゃないかと思うんですが。
いのちの電話はかけることもすごく勇気がいると思います。
私が本当に追い詰められて、知らない人でも良いから話を聞いて欲しいと思ってかけたいのちの電話が繋がらなかったら、その後の自分の行動が怖いです。きっと誰からも見捨てられたような気持ちになるのではないでしょうか。
また、我が家は家計が厳しくて格安SIMに変えたのに、いのちの電話によってはフリーダイヤルではないようで1−2時間かけることが月に複数回あるとスマホ代が非常に高額に。本家はフリーダイヤルですが繋がりづらく、NPOなどでやっているものにかけると通話料は有料だったりするんでしょうね。

姉が取った行動②頓服薬(ジプレキサ)の服用
姉は普段からきちんと薬を飲むことにかなり気をつけています。
特に体調が悪い日は、気づいて自分から頓服を服用できます。
これも十分、自分で対応できているなと思うところです。

姉が取った行動③受診
幸いにも次の日は県外のかかりつけ医の通院日でした。
母が付き添うことも多いようですが、この時は1人で。
体調悪いのによく1人で行って帰って来れたなと思います。
特に体調が悪くなった時は、すぐに受診するのが一番だと思います。
主治医やミーティング(買い物依存症の当事者会)で話を聞いてもらい、少し落ち着いたようでした。

姉が取った行動④カウンセリング
両親とともにカウンセリングを受けたいと言うことで、カウンセリングを自分で予約。
親との関係について相談したかったみたいですね。
怒りながら予約取ってましたが、カウンセリングを受けるのは対処としては良いんじゃないかと思いました。

この間、私の方にも何度か連絡が来ていて、数日経っても大丈夫かなと思っていました。こう言う時にちゃんと連絡が来るのは大変だけど、安心するところもあり。
その日から10日ぐらい経って、本人からLINEが。
「やっと気持ちが落ち着いて、落ち込んだ時に自分を責めるのではなく、たくさん休むようにしたい」と。
時間が少しかかっても、気持ちを切り替えて学びも得ている。
希死念慮に陥っても自分から色々行動をして乗り越えていて、本当にすごいなと思うのでした。
お金の問題さえ何とかなれば、意外と自立の日も近いのかも。。








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