私にはWebライターの才がない
Webライターになるには、という検索を何度かしたことがある。
言葉を使った仕事がしたい、言葉で生活したい、という厚かましい願望は常に心のどこかにあって、普段は自身の才能のなさに打ちひしがれたくないという恐怖と今の仕事から動くのが億劫だという惰性によって蓋をされている。
ただ、たとえば春の夜の匂いがした時、仕事の帰り道に見つけた猫がだいぶ近くを通っても逃げなかった時、初夏にその年で初の冷やし中華を食べた時、そんな時にふと、自分の願望がひょっこりと顔を出して検索窓に指を走らせ