【原点小説】『点と線、それは絆』
人と人の間には目には見えない不思議な魔法があるんだよ
わたしは原子
わたしの信じ合えるあなたは分子
人のこころのなかには愛する誰かが存在するすみかがあるんだ
嘘まぎれもなく人は一人じゃないんだよ
すれ違う人でもそう
街中の人でもそう
もちろん愛し合った人でも
つまり誰かの中に愛し合ったあなたの分子がいられる居場所があるんだ
あなたを知ることはあなたの分身ともいえる分子と共にいることだよ
あなたを知るだけでもそうなんだ
人のこころの中にあなたの存在がきっとある
あなたの中の孤独は世界をまだ知らないからだよ
だけどそれも必要なことなんだ
人を求めるためにはね
あなたを愛しているから
あなたの分子と共にある
原子と原子が繋がり合うこと
人と分子が繋がり合うことを
人々は絆と呼ぶのさ
だから寂しがらないでね