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桜散る散る賢明に

瞳に焼きついた桜の光景だった
視界に広がる淡い桃色
歓声にわくクラスメイトたち
私はひとり光景に魅入られた
桜は散り去るときも美しかった
私もこうありたいのだ
しがらみなく
世界に心など残さず
ただ賢明に
生を終えたい
ひとり
こう思った
ねがいはまだ思い遂げぬまま
少しずつ
少女にはなかった
しがらみが増えていく
生きることに執着していく
病に侵された身体
日々薬を煽ってまで
生きることに価値はあるのか
生存にしがみつく姿はなんて愚かだ
二項対立のまま
ただ生きることに閉ざされるばかりだ

#作詩