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第4回名古屋城木造天守基礎構造検討調整会議 議事メモ内容非公開

23/1/10に開催された、名古屋城木造天守基礎構造検討に係る調整会議(第4回)の議事録等を名古屋市民オンブズマンが情報公開請求したところ、議事メモの中身は全て非公開でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230327.pdf

石垣と木造天守をつなぐ「基礎構造」を検討する調整会議は、天守閣部会と石垣部会から選抜された構成員が合同で行っていますが、21/12/25に第3回が開かれて以降まったく不明でした。
名古屋市民オンブズマンは、定期的に調整会議の議事録等を情報公開請求していたところ、23/2/9に請求した際、「23/3/26まで延長」となりました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230222.pdf

23/3/22に開催された名古屋城天守閣部会で、三浦正幸・広島大学名誉教授は「23/1/10に開催した『調整会議』では以前竹中工務店が提案した『はね出し架構』が掲載されていた」と述べましたが、特に議論の内容については述べませんでした。

今年度のすべての部会・全体整備検討会議が終了した23/3/24づけで決定が出ましたが、「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」があるとして、議論の中身ならびに発言者氏名は全て非公開となりました。

一方、配付資料はほとんど公開されました。三浦名誉教授が述べた『はね出し架構』も掲載されていました。
しかしながら、他の例A,例B,例Cについての「近世遺構レベルと基礎構造の関係イメージ」は非公開となりました。


23/8/22市長定例記者会見で、松雄副市長は、文化庁との協議を2023年3月末までに絶対にまとめ上げると宣言しています。
・令和4年8月22日 市長定例記者会見
 名古屋城天守閣の木造復元について
 (記者)ありがとうございます。今のところ、文化庁との協議というのは順調に進んでるという理解でよろしいんでしょうかね。ちょっと長引いてますけど。
 (市長)
はい。僕はいろいろ、ちょこちょこ聞きますんで、専門委員の方にも。順調に進んでおるというふうな認識で。ええだろ、これ。ええ。この人が言ってはいけませんけど。副市長。
 (松雄副市長)今年度中に絶対にまとめ上げますから。それは文化庁もよく分かってますので。そういうことです。
 (市長)今年度だな。
 (松雄副市長)今年度。
 (市長) 3月までと。
 (松雄副市長)はい。
https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000155676.html
名古屋商工会議所の山本会頭は、22/8/18に名古屋城の天守閣の木造復元について、文化庁との協議の現状とか、改めてきちんと説明することが必要だと求めました。

残念ながら、松雄副市長が宣言した2023年3月末までに文化庁に提出するためにまとめるとした、木造天守基本整備計画(案)はまとまりませんでした。
「3大課題」である、①『石垣保存方針』、②『バリアフリーの方針』③『基礎構造の方針』がまとまらなかったためです。

①『石垣保存方針』は、23/3/17石垣部会終了時間直前に議案を提出し、議論の時間が取れませんでした。中身も問題があると石垣部会委員は述べました。

②『バリアフリーの方針』は、あらためて市民の意見を聴くとのこと。当初は大天守内部の昇降技術の件だけでしたが、23/3/22天守閣部会に、地上-小天守-橋台-大天守地階を結ぶ「鉄骨スロープ」案が示され、天守閣部会委員は「景観上はりっぱとは言えない」と述べています。
河村たかし市長は、23/3/22以前に市当局から説明を受け了承するも、天守閣部会後のマスコミの取材に対し、「初めて聞いた。全然聞いてないけど。鉄骨で作るのはいかん。鉄骨は根本的にいかん」と述べました。

③『基礎構造の方針』は、23/3/22天守閣部会では「示した3例はあくまでも例」と述べるのみ。
「現天守解体後、調査をしてあらためて基礎構造を検討したい」というのが名古屋市の方針です。
しかしながら、調整会議の議論は市民に全く公開されていません。

その他、耐震性、耐火性、二方向避難の問題、さらには天守閣部会委員から指摘された最上階への入場制限の検討、また収支計画も見直すことになります。

名古屋市は、23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で、「木造復元は順調にいって2032年度」と初言及しました。
しかしながら、河村市長は23/3/20定例記者会見で「わしも副市長も知らなかった」とし、さらに早期の木造復元を目指すとしています。
https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000162185.html

しかしながら、木造天守基本整備計画(案)が2023年3月末にまとまらなかったため、想定より遅れることは確実です。
各種法令を守り、安全対策をすれば、「江戸時代そのものの木造復元」は不可能です。
「ハイブリッド型木造復元」で一体誰が得をするのか。全ての名古屋市民は、名古屋城木造復元事業の現状を知る必要があります。
それにはまず、基礎構造検討調整会議の全議事録を公開すべきです。


・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm

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