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【十三回】ちょっと小腹がすいたんで。

谷町六丁目/スタンド そのだ

谷町線、谷町六丁目を降りて徒歩すぐ。
そのモニュメントのような大衆食堂はある。
でかい暖簾。
カッコいいよね。

ブリキの看板もカッコいい。

ネオン・サインもイカしてる。

そんな一貫されたコンセプトの中に飛び込むというのはもはやアミューズメント・パークへ遊びに行くのと何ら変わらない。

つまりここは大人のディズニー・ランド

ここで会ったかディスティニー。
早速中へ入る。

店内はコの字のカウンターになっていて休日ともなると終日満席でいつ空くか分からない飲み屋なのに待ちが多数出るほどだ。
元々はラーメン屋さん。
そのラーメン屋さんが業態変更で大衆食堂へ乗り出したとのことだ。

あるね、中華そば。
こいつは〆の楽しみに取っておいてだね。
魁先生はもちろん━━━━

こうなりますわな。
やはり良い飲み屋の「匂い」を嗅ぎ付けると途端にコレが煽りたくなる。
悪い癖だ。

厚揚げ

この辺からスタートしようか。
特徴的なのが薬味だ。

パクチーなどが入っておりかなりオリエンタルな方向へ寄せている。
んービールと合うね。
昔ながらの白衣をきこんだ各々のスタッフさん達も動きが卒なく威勢も良くて気持ちがいい。

燻製うずら

ハードに燻製されたうずらだ。
かなりハードな燻香なので一口で何杯もイケる。

イグニッション。

さぁ、火がつくのは早かった。
周りに出てる料理、活気。
それらにアテられるとこちらの勢いも増す。
それをハイボールで追撃す。

肉豆腐

こちらの肉豆腐は変わったスタイルで煮込んだ素の豆腐に牛すじがぶちまかっている。
これが名物だ。
豆腐を崩しながら味もしっかり染みた肉と共に頂く。
美味い。

ポテトサラダ

アンチョビが乗っかった半熟味玉乗せで提供後にこちらで混ぜて作るタイプのポテトサラダだ。
コレがまた酒のアテつけに良い。

シウマイ

なんの変哲もないシウマイだ。
なんの変哲と無くていいんだよ。
酢醤油とカラシ。
そして酒で流し込めれば。
何の変哲がなくても疑う余地がない程度にクオリティが高い。
そこだよね。

ちくわポテサラ

ちくわの中にポテトサラダを詰めてそれをフライヤーで揚げる。
それだけなのに、嗚呼それだけなのにだけなのに。

ソースなんかかけて頂くとそりゃあ美味いのは何故だろう。
あっという間にハイボールも枯渇する。

うーむ、コンセプト。

雰囲気の中で悠々自適に泳ぐ魚のように動くスタッフの方々。
それに溺れるボクがいる。
いや、ここに来た大半の人が溺れた顔をしていらっしゃる。
酒場はやはり雰囲気含み。
雰囲気がないと酔う酒も回らないわけで。

バイスサワー

さぁここでもう一つの名物だ。
シャーベット状になった焼酎にバイス(梅酢)のシロップを混ぜた飲み物だ。

ほれ、あそこで回っておる。
飲み屋にシャーベット・メーカーが置いてあるのを見たのは十条以来二店舗目だ。

強いので一人三杯までと杯数がキマっている。

メンチカツ

揚げ物専用のフライヤーでカラッと揚げたメンチにオーロラ・ソースがかかっているテッパンのモノ。
メンチ定食で腹を満たすのも良いでしょうな。

肉ダネはみっしり詰まっている。

唐揚げ

さぁまだまだ行こう。
こういう時は食い損じをしちゃあならない。

かなりハード目に揚がった衣。
ガリッと、シャクっと熱々である。
お兄さん、バイスもう一杯頼む。

さて、あっという間の二杯目だ。
まだまだ、夜はこれからである。

空芯菜炒め

真ん中に設置されたタコバーナーでしっかり煽った空芯菜。
ニンニクがしっかり効いていて最高に美味い。

牛ハラミタタキ

こちらはレアな新鮮ハラミ。
ポン酢が効いてるタレでサッパリと頂く。

こ い つ を こ う で す よ

醍醐味。
ニンニクの効いた新鮮なハラミになる。
空芯菜のジャキジャキとした食感がまた良い。
箸が止まらない。

チャーシューエッグ

あるなら食うよねチャーシューエッグ。
しっかり目に焼かれたチャーシューに半熟の目玉焼き。
卵黄に絡めてチャーシューを貪れば言うことないわ。

麻婆豆腐

シビカラな麻婆豆腐ではなく、大衆的なやつ。
これが良いんだ。
シビカラは気合を入れないと歯みがき粉みたいな山椒にやられてしまう。
アテに飲むには少し疲れるからね。
こういう時は優しい麻婆が良い。

カオマンガイ

まだ行くかい?
これはそろそろ〆の様相。
ご飯物だ。
よく蒸された鶏肉とパクチー、その蒸し汁で煽られたご飯がまた良い。
余りに色んなモノがススムものだからアレもコレも頼んでしまう。
さて、三杯目を頼もう。

このグラス、懐かしいよね。
どこから見つけてくるのかレトロなグラスででてくるんだよバイスが。
これもまた、コンセプト。

生姜焼き

そうきたか。
チャーシューの生姜焼きと来やがった。
味が濃くてアテ、白米向き。
非常に良い。
さて、〆ていこう〆て。

汁なし担々麺(追い飯付)

さぁ、もとラーメン屋さんの実力は如何に。

パクチーやら肉味噌をグリンと混ぜて━━━━

このツルツルの平打ち麺好き。

胡麻味噌坦々ではなく醤油ダレ基調の坦々だ。
辛さもありすすり応えは凄くいい。
肉味噌の具合もイイね。

最後に追い飯をぶっこむともう腹が……
いや、ラストにアレを行きたい━━━━

中華そば

やはりこれでしょう。

スープは動物系と貝出汁のW。
淡めの醤油と玉ねぎ、背脂でいい感じに落とし込んでいる。
そこにツルツルの平打ち麺。

いやーこれは中華そばだけでも来たいレベル。

さすが、元業態がラーメン屋さんなだけある。
調理場にはしっかりとラーメン場が専門にあるしね。
こだわりようが違う。

じっくり火を通して歯応え残し系のチャーシュー。
脂身まで美味い。

これは。
参 っ た。

出てくる品々がこれでもかというくらいに美味い。
ススみ過ぎる。

大阪の飲み屋遊び。
何軒も廻りたいがここだけで全部が全部〆ってしまって困る。
だって━━━━

こんなのどれもこれも食べたくなるじゃないですか。

お越しの際にはお腹に余裕を持たせて、しっかりとした覚悟を持って行くべし。
どこから攻めても満足が行く程度には出来上がった店である。

営業時間

11:00~23:00

日曜営業

定休日

無休

備考

夜には行列必死。
アイドルタイム(14時〜17時くらい)でも満席の場合がある。
土日祝に行くのであれば相応の覚悟で行くと良いだろう。