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【第十四回】ちょっと小腹がすいたんで。

浅草/餃子の王さま

東京浅草。
スカイツリーも出来てからもう6〜7年経とうとしているが下町浅草は相変わらずなもんで。
増えたのは外国人観光客さんたちとリキシャーマン達の勧誘だ。

その一角に王さまがいる。

餃子の王さま

王将ではない。
王さま。

悪ふざけではなく半世紀以上下町に愛されてきた餃子がここにある。

そんな老舗なのに常に待ちが出るほどの人気っぷりだ。

カウンターに通されると大将が中心となり調理場を躍起に回している。
ホール係のお姉さんたちもチャキチャキしていて良いんですなぁこれが。
しかしこのメニュー表も達筆で良い。
全部食いたくなる。

とりあえずコイツを開けて謁見を暫し待つわけですよね。

こういう街中華には瓶でしょう。
薄口のグラスにトクトクと泡が溢れないように注いで━━━━
風情なく生ビールばっかり頼んでた若かりし自分を小突いてやりたい。

自家製のラー油だ。

味のある琺瑯の容器に入れられていてこれだけでアテになる、とか卑しいこと言ってみたり。
そんなことを考える間もなく謁見の時間だ。

王さま餃子

みてくれよこの焼き目。

表面がカリカリっと仕上がっている野菜だけの餃子だ。
謁見が叶ったぞ。
頂きます。

酢と胡椒だけで食べるのが流行ったりしてるみたいだけどやはり自的には酢醤油にラー油が欠かせない。
下品と言われようがこうですよ。
高級鮨じゃああるまい。

ガリッっと熱々。

野菜だけの甘みを内包した餃子の美味さよ。
軽いのでガツガツと進んでしまうから肉も頼んでおく。

肉餃子

ニーズには応えてくれるね。
ちゃんと肉餃子もあるのだ。
こっちはニンニクも効き食いごたえがより重い。
そして、やはり美味い。

チャーハン

まぁこういう街中華では必ず頼んでしまうのがコレだよな。
パラパラでしっかり美味い。

ちゃんとスープ付きなのがニクくてね。

さぁ点火してきたきた。
レモンサワーで礼賛(らいさん)しよう。

やきそば(太麺)

この炒め具合が堪らねえの。
塩焼きそばなんだけどこういうのが食いたいんだよね。
肉ともやしだけなんだけど味がカツっと乗っててね。
海老とか豪華な食材要らないの。
これで良いの。
ちょいとラー油なんか垂らして頂いたらもう最高だ。

ねぎ味噌

ここで頼んどくと良いのがねぎ味噌。
餃子を包んで━━━━

こうですよね。
わかりますよね。

味に変化がかかるしそのままでも味噌が美味い。
そしてこの後役に立つのでこれはオススメ。

レバニラ炒め

もうこのビジュアルはズルい。
カリッと火が入れられたレバーの風味は分かるだろうか?
分かるよね。
それと甘めのニラ野菜。
これがアテに最高なんだ。
って誰でも知ってるんだよねコレ。
気の利いた街中華で瓶ビール開けてレバニラ。
美味いんだよコレだけで。

たんめん(太麺)

きくらげや野菜がでっぷりと乗ったタンメンね。
ちゃんと挽肉で炒められててこれがまた。

なんかキメ台詞でも吐きたくなるような美味さなんだよ。
すすり応えは抜群だしエン味とかも本当にバチッとキマってる「食いたいソレ」

たんめんには胡椒でしょう。
ラーメンには余りに振らないタイプの人間だけれどもたんめんは別。
卓上白胡椒ありきのモノ。
スープの表情もガラリと変わる。

そしてさっきのねぎ味噌の味噌を少しずつ溶いて食う。
どんどん味噌風味に変わって美味い。

ねぎとラー油もどっさりと行ってもう手は止まらず。

こうですよね。
こういう昼飯いいですよね。

友人同士でヤルのもいい。
カウンターで美味え美味え言って食ってたら大将が「そんなに美味え美味え言われたんじゃ職人冥利に尽きるね」なんて小粋なことを言ってくれたりする。
そういう下町、まだ身近に残ってますか?
ありますよ、浅草に。
スカイツリーの袂に謁見しに行ってはどうだろうか。

営業時間

11:15~14:45(L.O.14:00)

16:00~20:45(L.O.20:00)

定休日

火曜

座席

31席(2階テーブル席あり)

備考

結構な頻度で並んでいる。
ゆっくり腰を据えて待つとしよう。