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致命的な思いあがり

PICSYの仕組みとか、分人民主主義デモクラシーの仕組みっていうのがその
政治とか経済みたいな、社会制度のカテゴリー化も、前提としてるじゃないですか…だけど多分この本の中で書かれている通り、政治とか経済みたいな形で物事が分かれたり一方にその資本みたいなものがあって他方になんかと投票力とか権力みたいなのがあるみたいなこの構造化って、その歴史的な偶然とかたまたまそういうものが立ち上がった時期に人間が持っていたコミュニケーションの仕組みとか、情報をどれくらい管理できるかみたいな仕組みとかに依存して偶然こうなってるっていう部分も結構あると思うんですよ...で、貨幣みたいなものと投票みたいなものと評判みたいなものをどうその情報として融合するかみたいな問題設定が、この頃なされたじゃないですか...だからその融合されたものを想像するところから出発してしまうっていう思考の仕方もあるのかなと思ったんですよね...つまりその通貨の仕組みとか投票の仕組みをどう変えるかっていう形で考えるよりも、むしろその2つみたいなものが融合された市場と選挙みたいなものが一体になった仕組みってのが、一体何なのか?っていうのを想像するところから現在の社会に接続するっていう方向もあり得るかなと思います...

同上(動画の35分頃)/成田悠輔

究極的に言うとコントローラビリティみたいな、その制御可能性みたいなものが多分あって要は簡単に言うと複雑系の考え方だと、小自由度が大自由度を制御するって、まあ金子邦彦さんとかが言っていたのにまあ近いんだけど、世界は大自由度なんだけどもその複雑なんだけどもその中に1個のパラメーターの1個の自由度をコントロールすることによって、全体を制御できるようなそういう仕組みっていうのがまあ生まれてくるよね、みたいなのがあって...その中にまあ貨幣とか権力みたいなものも、そのある種のそういう小自由度性の、こう生まれたものの一時的に生まれてきたものの形でしかないっていうのがまあ多分、見立てで...だから同じようなそのいわゆる小自由度性が大自由度を制御するような仕掛けみたいなものって、べつに貨幣じゃなくて権力じゃなくても他のものといくらでもまあ宗教的権威かもしれないしいくらでもあるわけですよね...で、その可能性って実は無限大で、人間がこうこの数千年数年の歴史の中で認識したものを超えて、そういうものはいくらでも多分生まれてくる可能性があって、その1個をまあ例えば経済学みたいな感じで切り取ってやっているみたいな多分そういうことなんじゃないかな...

同上(動画の37分頃)/鈴木健

その、核心的な小自由度の問題っていうのをもう意図的に考えなくなってるっていう問題は致命的ですよね…経済学ももはやその貨幣とか資本みたいなものそのものを考えることはやめてしまっているんですよね。いわゆる経済学研究みたいなことで通貨とかっていうのも潤滑油的な機能として何かの機能を持つものとしてなんかモデルの中に入っていたりとか、経済統計を計測するための指標として存在してるって側面はあります。ですが、そのもっと広い意味での通貨の機能みたいなものでも、ほとんど無視しちゃうってのが普通だと思うんですよ…で、政治学とか見たって大体、権力の問題、パワーの問題みたいなものっていうのを、正面からあつかうみたいなことっていうのは昔に比べたらすごい少なくなってると思うんですよね…だからそこら辺の問題を取り組むような言語っていうのをなんかここまで作られてきた色々な考え方とか分析のためのツールとか技術みたいのを使いながらもどう取り組み直し使っていう問題があるのかなと思ってて。分析のための技術は20世紀、21世紀の蓄積をちゃんと使いながら19世紀ぐらいの忘れられた問題意識をどう取り戻すかっていうのが、僕個人としては結構興味がある問題ですね…

同上(動画の39分頃)/成田悠輔

この動画でもっとも興味を惹いた部分を抜粋した。

成田さんいわく、現在の学問では「通貨」や「権力」といったものは、究極的には自明のものとして、あるいは、語りえぬものとして取り扱われすぎている。そのため社会を構成しているこれら各要素の統一的な概念を得ることはかなわず、研究をすすめるうえで、問題を引き起こしていると。

以下は、去年書いた私見を繰り返すが。

経済は「制度」と「取引」によって構成されている。例えばSNSも一種のエコノミーだが、そこでは制度の役割が大きく、取引=マネタイズに成功している人はほとんどいない。

ネット会社は私たちのコンテンツを利用しているが、その設計には各社の理念が反映されており、結果として混乱が生じることがある。しかし、この制度というものは人類史的に古く、その起源は解明されていない。ただ、人々が自分のアカウントを資産と考えているため、諍いが起こりやすいのは事実である。もしフェアな配分が定義され、明確な共通基準としての制度が設けられ、厳格なルールが明示のうえで運用されている場合、争いは減るだろう。

現代社会のダイナミズムを理解するうえで、今後、どのような概念を見出し、あるいは、「発明」しなければならないのか?

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