高山かきもち、いま、むかし。
見てください、この、素朴な形状のかきもちを。
奈良県生駒市高山町というところで作られています。高山かきもちと言いまして、これは最も有名な、ころもちという種類のものです。派手さはないものの、もらったら嬉しいお持たせです。小分けの袋もありますが、アルミの化粧缶に850g、これがいいのです。わっさーと入ったころもちを大人食い。家族数人で食べ始めるとすぐに底が見えてきてしまうほどあとを引くおいしさ。
製造している高山製菓さんは、昔々、と言ってもほんの20年前くらいまでは、売り物にならないかきもちを工場のおもてに置いていたそうなのですね。誰でも、それを勝手に食べてよかった。私の知り合いはその山でよく子ども時代に虫捕りしてたそうなんですが、お腹が空いたら高山かきもちを食べて、また遊んだそうなのですね。
今だと、コンプライアンス上そこにお菓子を置いとくことも許されなければ、外に放置してあるお菓子を食べることを許す親もいないのでしょう。
確かに、外に置いておいたお菓子なんて、できあがりは問題なくても子どもの口に入るころにはどうなっているかわからないわけです。そういう意味では子どもの健康を守っているとも言えるけど、その代わりになんだか心温まる、信頼感があってこそのこのような風習が廃れていくのも、寂しい思いがするのでした。
さて、それはともかく、ちゃんと売り物の美味しいかきもち、是非お求めください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?