世田谷の道に置いてきた
二股に分かれた道だった。敦は私が後ろから追いかけてくると思っていただろう。だけど私は、敦が進んだ左の道へは行かず、右へ行った。敦の方を見ることもなかったし、気にすることもなかった。初めて自覚的に人との縁を切った瞬間だった。
2010年春、私は大学生になった。勉強も遊びも充実させたいと思っていた自分にとって、大学はさまざまなチャンスや情報が転がっているように感じられ、胸が躍るとはこういうことなのかと思った。ただ、蓋を開けてみると、そこにはマイナスな雰囲気も一定あって、特に同級