ナガスネヒコの本拠地(1)

ニギハヤヒの墳墓への目印の生駒市総合運動公園の所在地である小明町(こうみょうちょう)に「稲蔵(いなくら)神社」があります。墳墓のある丘陵の南、小明町1793です。
ここに生駒市教育委員会の案内板があります。それによると、「祭神は生魂明神(いくたまみょうじん)、大宮能御膳神(おおみやのかしわでのかみ)ほかで、稲蔵明神(いなくらみょうじん)と呼ばれる。境内裏の稲蔵の森と呼ばれる山の中にある烏帽子石(えぼしいし)は高さ約6m、周囲約12mの花崗岩の巨岩で神が宿る磐座(いわくら)とされる。江戸時代以降小明の鎮守(ちんじゅ)として信仰を集めてきた。」とあります。またこの神社の氏子で日清日露の戦争に出征した13人のうち戦死したのが1名であったところから「玉避け(たまよけ)神社」として、戦争中は特に大阪からの参詣者が多かったそうです。
この神社の創建は江時代だそうですが、磐座信仰がルーツとなっているのと、この付近はニギハヤヒやナガスネヒコの本拠地ですから、祭祀場所としての起源は古代に遡ると思われます。
境内にある烏帽子石は御神体とされ、ニギハヤヒが降臨したときに生魂神と大宮能御膳神がともにここに降臨し、この石に神霊が宿ったと言われます。この神社にはニギハヤヒは祀られていませんが、ニギハヤヒに関する資料がいろいろ掲示されているそうですから、ニギハヤヒの墳墓を訪ねられたら寄ってみてはいかがでしょうか。パワースポットだそうです。近鉄奈良線「東生駒」駅から徒歩30分。バスは白庭台行き、あすか野センター行き、ひかりが丘行きで「稲倉」下車徒歩5分。
鵄(とび)神社は奈良市二名(にみょう)6ー1492の王龍寺(おうりゅうじ)という黄檗宗の寺院の中にあります。山門をくぐると左手に「寿大明神」があり、この神社を鵄神社と書いているネットの記事がありますがそれは誤りで、鵄神社へは本堂に向かう最後の石段の右手前にある小さな石橋を渡ります。本当に小さいので気をつけないと見落としてしまうそうです。この石橋を渡り細い道を進み、途中で上り坂になりそれを上り、右に進むと鵄神社の小さい社殿があります。石橋からは20から30m。途中には磐座もあります。王龍寺の前身は聖武天皇の勅命で創建されたと伝わっています。富雄地区では、この鵄神社は「白庭皇居」と考えられているそうです。王龍寺は飛鳥カンツリー倶楽部のゴルフ場の中にあります。近鉄奈良線の「富雄」駅の北で、さらに北に行くと、けいはんな線の「白庭台」駅の方向になります。富雄駅から奈良交通バスで「杵築橋(きつきばし)」下車徒歩20分。
「神武天皇聖蹟鵄邑顕彰碑」は詳細な番地は不明ですが、奈良交通の「出垣内(でがいと)」停留所を降りてすぐの細い道に案内標識があり、そこから2から3分というから近いです。このバス停には富雄駅からバスがあります。この碑は昭和15年(1940)の紀元2600年奉祝事業として当時の文部省が建てたもので、碑文には「神武天皇戊午年十二月皇軍ヲ率ヰテ長髄彦ノ軍ヲ御討伐アラセラレタリ時二金鵄ノ瑞ヲ得サセ給ヒシニ因リ時人其ノ邑ヲ鵄邑ト称セリ聖蹟ハ此ノ地方ナルベシ」。(なお文中の称は旧字体)。とあります。


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