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研究室再構築日記(4)2024/02/24

Preliminary research

   さて、まだ行っていない調査や実験の前に論文のイントロを書くというのは、研究をデザインするという流れで大枠をきめる作業である。これを予備調査(Preliminary research)という。自分の経験を振り返ってみると、博士論文提出試験にひととおりパスすると、指導教授が、博士論文の目次を書くという課題を出してきた。まだ調査もしていないのに、目次はかけない、と言ったら、思いつく範囲で書けばいいということでやり取りをした。要するに論文の構造を理解しないと、何も始まらないのだ。
   そして、何度か原稿をやり取りしながら、PhDとは、今までに誰もやったことがないとだめだ。それは新しい資料や研究データの発見だったり、新しい理論の構築だったりするが、一番簡単なのはだれも使ってないそこそこのデータで、誰も行ってないそこそこの理論を証明するという合わせ技だ。これができれば研究の運転免許証が発行される。それがPhDだ。くれぐれも世紀の発見や大理論を作ろうと思わないこと、というアドバイスをされた。まあまぐれで実験データを獲得できたり、突然世界をひっくり返す代理論が出るかもしれないが、それはPhDを書く目的ではない、というわけである。これは学術論文も同じである。
    つまり、研究は慎ましく始める。じゃあどのように慎ましく始めるか。それは予備調査から始める。予備調査というと軽い感じがするが、しっかりとした研究メソッドであって、Preliminary research という。学術研究における予備調査とは、研究の初期段階で行われる研究のことだが、これは次の理由で非常に重要である。

 1: 研究問題 the Research Problem の特定
   詳細な研究に入る前に、研究が対処しようとしている問題や質問を特定し、明確に定義することが重要になる。野郎とする研究の問題の範囲と性質を理解するのだ。
 
2: 文献レビュー: Literature Reviewを始める。
   これには、既存の文献(書籍、学術論文、研究論文など)を調査し、その分野で何がすでに研究され、出版されているかを理解しそれを論述の形で紹介する。研究対象の文脈を理解し、知識のギャップ、つまに何が研究されていないかを特定する。
 
3:仮説または研究質問:Hypotheses or Research Questions:
   初期の発見と既存の文献への理解に基づいて、研究者は研究が答えることを目指す仮説や具体的な研究質問を定式化する。
 
4:方法論の計画: Methodology Planning:
   予備調査は、研究方法を決定する上で重要となる。研究が質的、量的、または両方の組み合わせになるか、データ収集と分析に最も適した方法が何であるかを決定する。
 
5: 実行可能性の評価: Feasibility Assessment
   予備調査で研究の実行可能性を評価する。これには、データ、機器、資金などのリソースの利用可能性、時間の制約、倫理的考慮事項が含まれる。この作業を通して、学術コミュニティからの資金、サポート、興味を引き付けるために必要な、研究の重要性と潜在的な影響を明確にする。

   このように、予備調査は研究の基礎を築き、研究の方向性を導き、実行可能な研究を行うために必要なのだ。
 
   さて、以上を頭において予備調査を始める。ChatGPT4はbing で調査ができるので、上手に頼むと、予備調査は捗る。以下ChatGPTによる予備調査のプロセスを紹介しておこう。

奥出: Can you find related works using bing for the following research plan?
と聞いてみた。以下、翻訳で。
 
ChatGPT:
   教育技術および認知インターフェース設計の分野では、'Computer Pedagogic Framework' プロジェクトの研究に広い文脈を提供する関連作業がいくつかあります。ここでは、さまざまな研究からの要約と意義を紹介します:
 (1)ある研究では、対話型システムでのユーザー関与を高めるために、個人情報と被験者に関する具体的な詳細を取り入れる必要性が強調されました。これは、個々の認知的傾向に重点を置くプロジェクトと一致し、パーソナライズされたコンテンツが成功する教育インターフェースの鍵であることを示唆している可能性があります。
紹介されたのは、
https://www.hindawi.com/journals/ahci/
Advances in Human Computer Interaction という学会誌です。
 
(2)Pedagogical Research のジャーナルは、ブレンデッドラーニング、STEM教育、包括的教育など、幅広いトピックをカバーしています。これらの分野は、教育ツールや方法の設計と効果に関する洞察を提供する可能性があり、プロジェクトに関連するかもしれません。たとえば、数学リテラシーを高めるために授業計画に文化的アーティファクトを統合することは、AI LearnCraftに文化的対応性を取り入れる方法についてのアイデアを提供するかもしれません。
Journal of Pedagogical Research

(3)Generative AIは、教育の分野で重要な進歩を遂げており、革新的なソリューションを提供し、新しい課題を提示しています。教育におけるGenerative AIの潜在的な応用には、生産性の向上、教育支援、研究支援、学生の関与の増加が含まれます。たとえば、教材の作成を加速し、研究支援を提供し、パーソナライズされた学習体験を提供することができ、学生支援サービスが最も必要としている人々に焦点を当てることができます。
https://er.educause.edu/articles/sponsored/2023/9/generative-ai-in-education-past-present-and-future

(4)Generative AIシステムに関しては、トレーニングデータのソースや、システムとのやり取り中に入力されたデータの使用方法に関するプライバシー上の懸念も生じています。これらのシステムの有効性も重要な問題であり、特に教育の文脈において、真実ではないまたはバイアスのある応答を生成する可能性が特に懸念されます。
https://cdt.org/insights/generative-ai-systems-in-education-uses-and-misuses/
 
(5)懸念があるにもかかわらず、教育分野の多くの人々は、Generative AIの未来について楽観的です。これは、日常業務の効率化やより包括的な教育体験のサポートなど、日々の業務を合理化するツールとして見られています。ただし、教育者、学生、教育機関がAIの仕組み、その限界、およびAIの出力を倫理的かつ責任を持って使用することの重要性を理解することが重要です。
https://edtechmagazine.com/k12/article/2023/03/chatgptUser
 
 奥出:ありがとう。大学の数学の授業Tutor作成で、数学の行列の分野を取り上げようと思っている。 あなたが以前に書いた上記の文章を考慮して、関連する作品を見つけるのを手伝ってくれる?
 
チャットGPT
数学教育、特に大学数学の授業の文脈で行列の領域を探求するには、以下のリソースを検討することができる:
 
1:The Journal for Research in Mathematics Education(数学教育研究ジャーナル)は全米数学教師協議会の公式ジャーナルであり、数学教育における行列のトピックを扱った様々な論文を提供している。研究報告、簡単な報告、研究解説など様々なタイプの投稿があり、行列の指導に関連する指導戦略や認知的側面についての洞察を与えてくれるかもしれない。
https://pubs.nctm.org/view/journals/jrme/jrme-overview.xml
 
2:SpringerLinkのResearch in Collegiate Mathematics Educationは、大学レベルの数学に特化した論文を提供している。そこには微積分に関する研究が含まれていることが多く,行列への関心と交差する可能性がある。また,生徒が高校から大学レベルの数学にどのように移行するかについての考察も含まれている。
 
これらのリソースは,大学の数学コースにおける行列の教育と学習について,理論的な基礎と実践的な洞察を与えてくれるだろう.
 
奥出:AIや生成AIを使った大学での行列教育の分野ではどうだろうか?
チャットGPT:
3:AIやジェネレーティブAIを用いた大学レベルでの行列数学教育の分野では、AIツールを活用して教育体験を向上させることへの関心が高まっている。例えば、学生はAIツールが言語習得に有益であることに気づいており、文法やアイデアの創出を支援している。これは、数学のような科目にも同様の応用が可能であることを示している。
https://educationaltechnologyjournal.springeropen.com/articles/10.1186/s41239-023-00411-8
 
4:AIを教育戦略に取り入れることで、例えば、生成的AIを使用して学習体験を個人の認知的傾向に合わせることで、教育への取り組みを大幅に強化することができる。チャットボットやAIチューターのような生成的AIツールは、パーソナライズされたガイダンスを促進し、言語学習シナリオにおけるのと同様に、学習者の個々のニーズや好みに適応することができる。
https://educationaltechnologyjournal.springeropen.com/articles/10.1186/s41239-023-00411-8
 
5: しかし、高等教育におけるジェネレーティブAIの活用に課題がないわけではない。アカデミック・インテグリティに関する懸念、倫理的な使用、人的交流の減少の可能性など、すべて対処すべき検討事項である。そのため、ジェネレーティブAIの利用が効果的かつ倫理的に健全であることを保証するためのガイドラインが教育機関によって策定されている。これらのガイドラインでは、学問的誠実さを維持し、AIツールの使用を認め、学生の作品の独創性と信憑性を確保することの重要性が強調されることが多い。
https://ctl.hsu.edu.hk/generative-ai-in-teaching-and-learning

さて、本格的な文献探索は実際の研究が本格化してからになるが、学術論文には論文評価が付けられている。実際に研究をするときには新規性が勝負なのであまり関係がないが、学者の業績評価のKPIとして使われることが多いので、雇用とか昇進に関係するので、割と気にする研究者もいる。
ちょうどいい機会なので論文評価の基準の話をしておこう。例によってChatGPTに聞いてみた。どこでも入手出来る情報なので、英語は載せないで翻訳だけにする。

The impact factor


ChatGPT
   
ジャーナルのインパクトファクターは、そのジャーナルに掲載された最近の記事への引用回数の年間平均を反映する指標です。これは、ジャーナルのその分野内での相対的な重要性の代理指標としてよく使われ、インパクトファクターが高いジャーナルは低いものよりも重要であると見なされます。以下がその仕組みです:

  1. 計算方法:インパクトファクターは、現在の年におけるジャーナルに掲載された過去2年間の記事への引用回数を、同じ2年間にジャーナルに掲載された総記事数で割って計算されます。例えば、2020年と2021年に掲載されたジャーナルの記事が2022年に100回引用され、ジャーナルが2020年と2021年に合計50記事を掲載していた場合、2022年のインパクトファクターは100/50 = 2になります。

  2. 使用方法:インパクトファクターは多くの人によって、ジャーナルの重要性を評価するために使用されます。インパクトファクターが高いと、そのジャーナルはより名誉があると見なされます。

  3. 批判:インパクトファクターは批判の対象となっています。これは、ジャーナルの質とは無関係ないくつかの要因、例えば研究分野(一部の分野は自然に引用率が高い)やジャーナルの方針(出版頻度や掲載される記事のタイプなど)によって影響を受けることがあります。

  4. 代替指標:学術雑誌の価値や影響を評価するための代替指標として、h-index、Eigenfactor、SCImago Journal Rank(SJR)などがあります。

  5. 出版決定:研究者の中には、投稿先を選ぶ際にインパクトファクターを考慮する人もいますが、これは考慮すべき多くの要因の中の一つに過ぎず、必ずしも個々の記事の質を反映しているわけではありません。

H-index(ハーシュ指数)
   H-index(ハーシュ指数)は、ある研究者の学術的影響力と生産性を評価するための指標です。この指数は、研究者が発表した論文の数とそれらの論文が受けた引用回数を基に計算されます。H-indexの計算方法とその特徴は以下の通りです:

  1. 計算方法:ある研究者のH-indexは、その研究者の論文の中で、少なくともH回引用された論文がH本存在するとき、その研究者のH-indexはHとなります。例えば、ある研究者が10本の論文を発表し、そのうち10本全てが少なくとも10回引用されていれば、その研究者のH-indexは10です。

  2. 意義:H-indexは、単に多くの論文を発表するだけでなく、それらの論文が広く読まれ、引用されていることを示すため、研究者の影響力と生産性の両方を反映する指標とされています。

  3. 利点:H-indexは、単に論文数や引用数だけではなく、その両方のバランスを取ることで、研究者の継続的な影響力をより公正に評価できるとされています。

  4. 限界:H-indexにはいくつかの限界があります。たとえば、研究分野によって引用の慣習が異なるため、分野間での比較が困難です。また、キャリアの長さによっても影響されやすいため、若手研究者と経験豊富な研究者を直接比較することは難しいです。

H-indexは、学術界における研究者の評価に広く用いられる一つの方法であり、その他の指標と併用することで、研究者の業績をより総合的に評価することができます。

Eigenfactor

Eigenfactorは、学術雑誌の影響力を測定するための指標の一つです。これはジャーナルが受ける引用の重要性に基づいて計算され、特にジャーナルが学術界全体に与える影響を反映します。Eigenfactorの特徴と計算方法は以下の通りです:

  1. 計算方法:Eigenfactorスコアは、ジャーナルが受ける引用数に基づいて計算されますが、すべての引用が同じように扱われるわけではありません。この指標は、引用された記事が掲載されているジャーナルの影響力に基づいて、各引用に重みを付けます。つまり、より影響力のあるジャーナルからの引用は、影響力の低いジャーナルからの引用よりも高く評価されます。

  2. 引用ネットワークの分析:Eigenfactorは、ジャーナル間の引用パターンを分析するためにネットワーク分析の手法を使用します。これは、学術出版物の相互関係とその学術コミュニティ内での位置を理解するための重要な手段です。

  3. 長期間のデータ:Eigenfactorの計算には、5年間の引用データが使用されることが一般的です。これにより、ジャーナルの長期的な影響力がより正確に反映されます。

  4. 無料アクセスジャーナルの考慮:Eigenfactorは、無料でアクセスできるジャーナルの記事が引用された場合には、追加の重みを付けることで、オープンアクセスジャーナルの影響を考慮しています。

Eigenfactorは、ジャーナルが学術コミュニティに与える相対的な影響力を理解するための有用なツールです。しかし、これもまた、他の指標と同様に、その使用には注意が必要です。特に、異なる学術分野間でジャーナルを比較する際には、その分野特有の引用習慣を考慮する必要があります。

SCImago Journal Rank(SJR)

   SCImago Journal Rank(SJR)は、学術雑誌の影響力や名声を測定するための指標です。この指標は、雑誌に掲載された論文が受けた引用の質と量に基づいて計算され、特に引用の重要性に重点を置いています。SJRの特徴と計算方法は以下の通りです:

  1. 計算方法:SJRは、引用の質に重点を置き、引用された雑誌の影響力に基づいて引用ごとに重み付けを行います。つまり、より影響力のある雑誌からの引用が多い場合、その雑誌のSJRは高くなります。

  2. 引用ネットワークの分析:SJRは引用ネットワークを分析し、雑誌間の相互関係を考慮します。このアプローチにより、雑誌が学術コミュニティ内でどのような位置を占めているかを把握することができます。

  3. 科学分野の考慮:SJRは、さまざまな学術分野の引用習慣の違いを考慮しています。これにより、異なる分野の雑誌をより公正に比較することが可能になります。

  4. Scopusデータベース:SJRの計算には、Scopusデータベース内の広範な引用データが使用されます。Scopusは、科学的な記事の大規模なデータベースであり、多くの学術雑誌が含まれています。

  5. 無料アクセスと有料アクセスの区別なし:SJRは、無料でアクセスできるオープンアクセス雑誌と有料アクセス雑誌の間で区別を設けずに計算されます。

SJRは、特に学術分野や地域による引用の違いを考慮することで、雑誌の影響力をより正確に評価することを目指しています。しかし、他のいかなる指標と同様に、SJRもまた一つの側面を示すものであり、雑誌の質を総合的に評価する際には、他の指標や要素と併せて考慮する必要があります。

とある。一つ一つの論文の評価に一喜一憂する必要はない。ある程度の期間続けるとなんとなく方向性は見える。自分の位置つけも分かる。KMDの時はシンガポール国立大学と共同の研究所を作ったので、KMDのランキングが上がり、アジア地区でビジネススクールの部門(?)でトップテンに入ったこともある。

学術論文は発表されるとこうして評価されていく、というのが面白いところだ。整理のためのデータベースに始まり、それが大きくなり、ネットワーク化されて出版の方法も変わり、個別の論文の評価の方法も変わっているのだ。

さて、ざっくりと狙っている領域での研究の予備調査を済ませた後、論文で利用する方法論ヴィゴツキーの理論、特に近接領域発達に関する予備調査も行った。

6:Zone of Proximal Development(ZPD)

ヴィゴツキーのZone of Proximal Development(ZPD)は、教育環境における認知発達を理解する上で基礎となる概念である。この理論は、学習者が「より知識のある他者」(MKO)の指導によって自分の能力を超えたタスクを実行できるような社会的状況において、学習が最も効果的に行われることを示唆している。このMKOは、教師であったり、仲間であったり、あるいは学習を促進するためにデザインされたツールであったりする。
https://www.researchgate.net/publication/318780971_The_「より知識のある他者」_最適発達領域における必要性
 
7: 足場理論
ZPDに関する研究では、しばしば足場の重要性が強調される。足場とは、教育者が生徒に構造化されたサポートを提供することで、生徒が単独では達成できなかった課題を達成できるようにすることである。生徒が進歩するにつれて、足場は徐々に取り除かれ、生徒の自立を促し、新しい知識や技能を内面化できるようにする。従って、評価のやり方は、生徒のZPD内の様々な能力に対応できるように、柔軟で適応的である必要がある。
https://educationaltechnology.net/vygotskys-zone-of-proximal-development-and-scaffolding/
 
8: 社会プロセスとしての学習

ヴィゴツキーは、認知発達における社会的相互作用の役割を強調し、学習は基本的に社会的プロセスであると主張した。この視点は、教育技術の導入を検討する際に極めて重要である。AIを利用した教育ソフトウェアの中には、生徒のZPDを評価し対応する可能性を示したものもあるが、プログラムの質の幅が広く、MKOが提供する微妙なサポートを正確にシミュレートすることが複雑であるため、結果はまちまちである。
https://educationaltechnology.net/vygotskys-zone-of-proximal-development-and-scaffolding/
 
9:生徒のニーズに合わせたアプローチ
実際には、ZPDの概念を利用する教師は、生徒の現在の能力に合わせて課題の難易度を特定し、目標を設定することが奨励される。このように生徒のニーズに合わせたアプローチをとることで、生徒の潜在的な認知能力のスイートスポットを狙い、生徒の興味と関心を維持することができる。
https://educationaltechnology.net/vygotskys-zone-of-proximal-development-and-scaffolding/
 
要約すると、ヴィゴツキーのZPD理論は、教育者が生徒の個々の学習軌道を認識し、それに対応する必要性を強調している。教育がますますテクノロジーと融合していく中で、これらのツールをどのようにデザインし、活用すれば、ヴィゴツキーの原則に沿い、学習のダイナミックで社会的な性質をサポートできるかを探求し続けることが不可欠である。
 
次に研究のアイデアの予備調査をしてみた。

ChatGPTのような技術を含むAIの教育現場、特に大学レベルの数学のような教科教育への応用に関する研究は、関心が高まっていることを示している。シリアスRPGやChatGPTを大学レベルの行列代数教育のチューターとして使用することに直接関連する研究は見つからなかったが、教育におけるAIの統合は重要な議論と調査テーマとなっている。
 
10:教育や学習に生成AIを使う
   教育や学習にAIを利用するというコンセプトは支持を集めており、教育者はよりインタラクティブでパーソナライズされた学習体験を生み出すためにAIの利用を模索している。例えば、ChatGPTは大学でのライティングや教育における可能性が評価されており、課題や生徒の参加に新たな機会を提供する可能性がある。さらに、自習を可能にし、課題やコンピュータなどのリソースを提供し、電子メールやチャットセッションを通じて講師と学生のライブコミュニケーションを促進するAIの役割も認識されている。
https://www.researchgate.net/publication/368916563_ChatGPT_for_Teaching_Learning_and_Research_Prospects_and_Challenges
 
これらの調査結果は、RPGを通じた行列代数の教育におけるAIの直接的な応用は広く文書化されていないかもしれないが、教育におけるAIと対話型技術の広範な利用は確立されていることを示唆している。シリアスRPG形式を使用することを含む、個々の生徒のニーズに応じて学習経験をカスタマイズする可能性は、現在の実践の論理的な拡張であり、AI技術によってサポートされる個別化教育の原則と一致する。
 
ChatGPTを使ってシリアスRPGを設計し、大学生に行列代数を教えるためのチューターとして機能させるという革新的なアイデアを考慮すると、多様な学習スタイルと認知能力をサポートするためにAIを統合することが、実行可能なアプローチとして見なされるようになってきていることが示唆される。さらに、AIの適応能力により、このようなシステムは、個々の学生が好むユニークな学習経路を特定し、それに対応できる可能性がある。そのため、学習者が手助けなしでできることと、指導や励ましによって達成できることのギャップを埋める手助けをするオーダーメイドのガイダンスを提供することで、ヴィゴツキーの近位発達領域理論と一致する。
 
   しかし、文献で強調されているように、このようなテクノロジーを教育現場に効果的に取り入れる際の課題や障壁を念頭に置くことが不可欠であろう。これには、生徒が高い学業水準を達成できるよう支援するために、教師が新しいデジタルツールやリソースを使用するための最新の知識や技能を持つ必要があることも含まれる。プロジェクトを開発する際、これらの側面を考慮することは、行列代数を学ぶ大学生にとって、より効果的で魅力的な学習ツールを作成する上で役立つだろう。

以上がChatGPTをパートナーとして行った予備調査によって集めた論文である。これらに目を通して研究領域の状況を調べる。本格的な文献調査はまだ行わない。研究の概要を理解するための基本文献の読み込みのための文献リストを作るのである。

次の予備調査の段階で方法論についての調査も行う必要がある。

方法論: Methodology:
 
15年くらい前から登場した方法論の本では、量的調査、質的調査、その二つをあわせた混合的手法がまとめられて、方法論をコノカテゴリーのどれかから選べばよい、という流れが加速したが、それほど問題は簡単ではない。まずは次のことを考える。
研究計画および実験方法
データおよび使用したツールに関する詳細
研究手順および方法の説明
Design of the research and experimental methods
Details about the data and tools used
Explanation of the research procedures and methods

この調査を終えて、次のようなメソドロジーセクションの下書きを書いた。
 
In this study, we will combine hermeneutic ethnographic methods with Vygotsky's educational model to develop, implement, and evaluate AI LearnCraft.  We will employ hermeneutic ethnographic methods to explore the cultural background and dynamics of the learning community. This will allow us to consider the actual needs and cultural elements of learners in the design and implementation of AI LearnCraft.  At the same time, we will utilize Vygotsky's educational model to consider the proximity of the learners' zone of proximal development and the importance of collaborative learning with more experienced others. (ここは仮置き 足場理論を使う)This is expected to ensure that AI LearnCraft's Tutor appropriately responds to the developmental level and learning process of learners.
 

Details about the Data and Tools Used:
 
For data collection, we will use interviews and observations based on hermeneutic ethnography, as well as analyze learners' motivations and behaviors from the perspective of Vygotsky's educational model.
For implementation, we will use the Python programming language to develop learning support functions based on Vygotsky's educational model. Additionally, based on hermeneutic ethnographic methods, we will design user frameworks and customize content.
 
Explanation of Research Procedures and Methods:
 
Based on hermeneutic ethnography, we will immerse ourselves in the learners' community before the start of the research to conduct surveys to understand their needs and expectations.
Following Vygotsky's educational model, we will ensure an appropriate proximity between learners and the Tutor, providing opportunities for cooperative learning and peer support.
Through these methods, by utilizing hermeneutic ethnography and Vygotsky's educational model, we will develop and evaluate AI LearnCraft and provide personalized learning support that considers the cultural background and developmental stages of learners.
 
以上のようなドラフト原稿を書いた。翻訳しておく。
 
研究デザインと実験方法
使用したデータとツールの詳細
研究の手順と方法の説明
 
本研究では、AI LearnCraftを開発、実装、評価するために、解釈学的エスノグラフィーの手法とヴィゴツキーの教育モデルを組み合わせる。  我々は解釈学的エスノグラフィーの手法を用い、学習コミュニティの文化的背景とダイナミクスを探る。これにより、AIAI LearnCraftの設計と実施において、学習者の実際のニーズと文化的要素を考慮することができる。  同時に、ヴィゴツキーの教育モデルを活用し、学習者の近接発達領域と、より経験豊富な他者との共同学習の重要性を検討する。(ここは仮置き足場理論を使う)これにより、AIAI LearnCraftのチューターが学習者の発達レベルや学習過程に適切に対応することが期待される。
 
使用するデータとツールの詳細
 
データ収集には、解釈学的エスノグラフィーに基づくインタビューと観察を用い、ヴィゴツキーの教育モデルの観点から学習者の動機や行動を分析する。
実施にあたっては、プログラミング言語Pythonを用いて、ヴィゴツキーの教育モデルに基づいた学習支援機能を開発する。また、解釈学的エスノグラフィーの手法に基づき、AIAI LearnCraftフレームワークの設計やコンテンツのカスタマイズを行う。
 
研究の手順と方法の説明:
 
解釈学的エスノグラフィーの手法に基づき、研究開始前に学習者のコミュニティに入り込み、ニーズや期待を把握するための調査を行う。
ヴィゴツキーの教育モデルに従い、学習者とチューターの適切な距離感を確保し、協同学習やピアサポートの機会を提供する。
これらの方法を通して、解釈学的エスノグラフィとヴィゴツキーの教育モデルを活用し、AI LearnCraftを開発・評価し、学習者の文化的背景や発達段階を考慮した個別学習支援を提供する。
 
 
Explanation of Research Procedures and Methods:
During the development phase, user requirements were collected, and the design and implementation of an interactive learning environment were carried out. This included the development of features that used
During the experimental phase, AI LearnCraft was integrated into actual learning scenarios to evaluate learners' participation and the effectiveness of learning. This included quantitative data collection and gathering user feedback.
Through these methods, the development, implementation, and evaluation of AI LearnCraft were conducted, and its effective educational support features and contribution to enhancing educational participation were verified.
 
以上が予備調査で行うことである。この段階で、予算獲得のプロポーザルを書くことになる。これが終わると、実際に調査を行い、データをあつめて論文の執筆に入る。では実際に次回は予備調査に向かうことにする。
 

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