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3月期本決算

 ゴールデンウイークの途中ですが四半期決算の発表が続いています。

 今のところ、数か月前の筆者の懸念ほどには日本企業の新年度予想にコンサバな雰囲気は感じられません。減益予想でも増配とするなど、最低限の株主還元でお茶を濁す「横並び意識」とばかり言えない企業が増えてきています。

 とは言え、保守的な予想を出す企業も見受けられます。特に前期に想定以上の業績となった企業で中堅レベルの時価総額企業に多く見られます。

 加えて、昨年から業績が急改善した飲食や小売りについては注意しています。

 コロナ自粛の解除や値上げの浸透により業績が急回復し2~3倍の増益となった企業もありますが、小売りの中には販売単価引き下げの動きも出てきています。

 もう一つ。気になるところと言えば住宅販売です。
 不動産の折り込みチラシを時々チェックしていますが、一昨年から昨年にかけては驚くような高価格で値付けされた戸建てやマンションが多いと感じましたが、数か月前からは値下げした物件情報が徐々に増えてきました。
 都心5区にはまだ見当たりませんが、都下や周辺地域の物件を良く見ると値下がりしているものが散見されます。
 富裕層を除いて購買力は伸びていないはずですから、そろそろ価格は天井圏に来ているのかも知れません。


 株主還元については、今まで音沙汰がなかったのに、この時期急に自社株買いなどを発表する企業には注意したいところです。5月は株主還元策の表明が増えます。総会を控えた役員が保身のためという雰囲気も感じます。選任されればホッとして、また元通りの後ろ向きIRに戻ることも十分あり得ます。

 昨年後半からはTOBやMBOなどの事例も増えていますし、アクティビストからの要求も増えていますから、経営陣の守り方にも変化が出てきているのでしょう。以前のように殻に籠ったままとはいかなくなってきたために幾らかでも株主還元のポーズをとる企業も増えているはずです。


 日銀がETF買い入れ停止を発表してから、近頃は何となく振れ幅が大きくなっているようにも感じます。大きく動くときは日経平均の値幅の半分以上が寄与度上位5~10銘柄で説明がつく日が目立ちます。
 海外の投機資金は相場を大きく変動させることで利益を積み上げるプログラムを動かしています。日々の大袈裟な変動や短期的な値動きを気にすることなく、地道に自身のポートフォリオを管理したいところです。

 依然として外資による個別株への空売りも目立ちます。
 想定外に長く低迷する中小型銘柄は必ずと言っていいほど株価が上がった(信用残が増えた)タイミングで空売り残が増えています。これらにも注意したいところです。

 少なくとも昨年春頃から継続的に前向きなIRを続けるとともに、一時的な自社株買いだけでは無い株主還元策を打ち出している企業を探してください。


 社外取締役を「お仲間」で固めて形だけ整えた経営陣や、小出しの株主還元で「やっているフリ」をする銘柄に注意しつつ将来の成長株を探し出して頂ければと思います。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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