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サセックス大学 Pre-Sessional Courseの内容と感想

はじめに

みなさん、初めまして!
私は、現在サセックス大学にて修士課程に在籍しているおくらってぃと申します。この度、自分自身のイギリスでの大学院生活の経験を共有することで、他の方のお役に立てればと思い、noteを始めてみました!
note第一弾は、サセックス大学の5 week Pre sessional courseの内容と感想について記事を書いてみようと思います。
というのも、私自身実はこのプレセッショナルコースを受講するか否かかなり迷いました。その際にネット上でたくさん調べましたが、修士課程の記事は出てくるもののプレセッショナルの具体的な内容について書かれている記事はほとんどありませんでした。今後他の方が苦労しないように、できる限りの情報をここに残しておこうと思います。拙い文章ですが、温かく見守っていただけますと幸いです。

1. プレセッショナルコースとは?

はじめに、そもそもプレセッショナルコースとはどのようなものなのかについてお話しします。
プレセッショナルコースは、いわゆる英語準備コースのようなもので、一般的には英語のスコアが入学条件に達しておらず大学からConditional Offer(条件付き合格)をもらっている学生が受ける有料講座のことです。
しかし、条件付き合格ではない学生も参加でき、英語条件は突破してはいるけど、いきなり大学院入学は不安だから参加するという学生も多くいます。(私自身もこのパターンです。)ちなみにプレセッショナルコースとは別でプレマスターという別のコースもあるため、気をつけましょう!

期間

サセックス大学のプレセッショナルコースはオンラインと対面のものがあります。対面は 28 week (1月~)、16 week (4月~)、10 week (6月~)、5 week (7月~)の4つの種類があります。
私が参加したのは5 weekのコースで、7月24日(月)から8月25日(金)の約1ヶ月のコースでした。

費用

5 weekのプレセッショナルコースの費用については、授業料が£1,910 (日本円1ポンド185円換算で35万円ほど)、またこれに寮の滞在費が£1,205 かかります(寮については後ほどご紹介します)。 このため授業料と滞在費合わせて、50万円以上かかってしまいます。一方、これが10 weekだと100万円前後かかってしまうため、5 weekでさえもカツカツな私の場合は金銭的な理由で10 weekには参加しませんでした。

参加理由

このようにとても高額な費用がかかるプレセッショナルコースにUnconditional Offerを頂いているのにも関わらず参加した私の理由は主に2つです。

1つ目は、英語での授業に慣れたかったからです。
私自身、今回が初の長期海外留学のため、海外で教育を受ける経験がこれまでなく、いきなり大学院のコースについていけるか不安を感じていました。そのため、イギリスの大学での授業の受け方やノートの取り方、アカデミックライティングについて1から学べるプレセッショナルコースに魅力を感じました。

2つ目は、現地の生活に慣れたかったからです。
自分は海外で生活をすることはもちろん、ずっと実家暮らしだったため一人暮らしも初めてだったため、生活基盤を安定化させる時間が欲しいと思いました。生活用品を買い揃えたり、バスの乗り方や行きつけのスーパーやお店を見つけたり、プレセッショナルの期間に大学院生活をスムーズに始められる準備ができるのではないかと思いました。

2. コースの入学方法と渡航までの流れ

次にコースの入学方法についてです。
私の場合は、修士課程の出願時からbeoという留学エージェントにお世話になっており、プレセッショナルコースに参加したい旨をエージェントに伝え、出願手続きを進めてもらいました。その際に必要となったのは以下の書類です。

必要書類

  • 大学所定のプレセッショナルコース用のフォーム

  • 英語のスコアのコピー

  • パスポートのコピー

  • メインコースのオファーレター

  • デポジット£250の支払い&レシート

これらの書類を完成させエージェントの担当者経由で大学に提出をしてもらいました。この手続きについては、4月中旬に行いました。
また、デポジットを支払うと次の日にはプレセッショナルコースの日程、時間割、授業料や滞在費の払い方、ビザの申請方法などが記載された書類がメールで送られてきました。授業料と滞在費は7月10日が支払い締め切りで、クレカやデビットでの支払いもしくは銀行送金で支払う形でした。
その案内が来てから1週間が経たないうちに大学からビザ申請に必要なCASの発行メールが送られてきました。これらのタイムラインを全てまとめると以下のような形になります。

手続きタイムライン

4月12日 デポジット支払い
4月13日 プレセッショナル書類をエージェントに提出
     大学から今後の手続き案内が届く
4月19日 大学からCAS発行メールが届く
…               ビザ申請
7月3日   授業料を全額支払う
7月12日 プレセッショナル用のハンドブックがメールで届く
7月18日 初日の集合場所がメールで知らされる
7月22日 渡英
7月24日 プレセッショナル開始

このように直前になるまで大学側からコースの内容に関する情報提供はありませんでした。また、ポンドがかなり上昇していた時期ということもあり、ギリギリまで授業料支払いのタイミングを見計らっていました。この点について不安になり大学に問い合わせたところ、デポジットを払ってさえいれば支払い期限ギリギリでも席がなくなる等はないと仰っていました。

ちなみに事前にメールで送付されたハンドブックは30ページほどあり、その中にはもしもプレセッショナルコースを合格できなかった場合の対応についても事細かに記載されてました。先述した通り、プレセッショナルコースは本来は英語の基準が満たない学生が参加するコースのため、合格・不合格があります。たとえUnconditional Offerであっても、英語の要件に達していないと判断された場合は、大学院行かずに日本に帰国しなきゃいけないと思い知り、かなりビクビクした思い出があります笑

3. コースの内容

このようにビクビクした思いで渡英し、プレセッショナルコースが始まりました。
初日はArts Aという大きなレクチャーシアターに5 week のプレセッショナルコース参加者全員が集められ、オリエンテーションとその後7つのクラスのそれぞれの担任が発表され、その後はクラスごとにキャンパスツアー、通常授業の教室に移動して今後の流れについての説明等が行われました。

クラス

クラスはGroup1からGroup7まで7クラスあり、1クラスあたり15名前後、全体で100人くらいの生徒が参加していました。
全体としては東アジアの方が多く、私のクラスは日本6人、中国4人、台湾1人、韓国1人、シリア1人、スーダン1人、ブラジル1人という内訳でした。なぜか私たちのクラスは日本人が1番多く集められていましたが、他のクラスには1クラスにつき1~2名しか日本人はいませんでした。
学生と社会人の比率としては、圧倒的に社会人が多く、学部卒でそのまま参加している子は15人中日本人4人と中国人1人の5人のみでした。年齢も20代後半から30代前半の方が多い印象でした。
このように国や年齢の多様性はもちろん、英語条件を達しているか否かも人によって異なりますが、ある程度専攻が似た学生が集まっていたような気がします。(開発学系、教育系、法律系がメインでした。)

教師

担当の教師は各クラスに2人おり、担任がTutor1としてReadingとWritingを教え、他のクラスの担任がTutor 2としてListeningとSpeakingを教えます。
ここで指導を行う教師はサセックス大学のLanguage Departmentの英語の先生であり、大学の教授ではありません。
今回担当していただいた先生は長い指導経験のある女性の先生で、話す英語はとてもわかりやすく、フレンドリーでした。

時間割

時間割は上記のような形でした。月曜から金曜毎日朝9:00から授業があり、水曜と金曜は午前中で授業が終わり、その後はフリータイムという感じです。
しかし実際このスケジュールで毎週ずっと授業するのではなく、2週目などは授業はせず、エッセイ執筆の時間となり図書館や自室でエッセイに取り組む時間が随所に設けられていて、意外と余裕がありました。
また、最後のWeek5はリーディングやリスニングのテスト、スピーキングの発表などが水曜日まで行われ、木曜・金曜は最終オリエンテーションのような形でほぼ授業は行われませんでした。

授業の内容
授業の内容は、Reading Listening Writing Speaking 4つを学ぶという形で、Reading・Writingを学ぶTutor1、Listening・Speakingを学ぶTutor2の授業に分かれています。
Tutor 1では、Readingについては短めの論文や記事を読みながらReadingの読み方や理解の仕方を学び、Writingについてはエッセイの書き方やイギリスの社会学系コースでよく使われるHarvardスタイルの引用の仕方を学ぶ形でした。最終的に、Readingのテストと1500 wordsのエッセイを課題として提出します。

Tutor 2では、実際の講義の映像や実際にPhdの学生を招いたレクチャーに参加し、ノートを取り、その後ディスカッションをするような形でした。記号などを使った効果的なノートテイキングの仕方などを学ぶことができます。最終的に、ListeningのテストとTutor1で書いたエッセイの内容をプレゼンテーションし、成績の評価がされます。

4. 最終成績と合否結果

皆さんが1番気になるであろう最終成績と合否についてですが、見事基準の成績をとり、合格することができました。というのも、全員が合格できるようなサポート体制が整っており、提出物の未提出や授業に全く参加しない等がない限りは基本合格していたように思います。例えば、リーディングとリスニングの模擬試験を事前に受けるため、体調不良で最終試験に出られなかった時や最終試験の結果があまりにも悪かった時に模擬試験の点数が成績に反映されます。また、ライティングの課題であるエッセイは担当教員との面談で何度も添削してもらえます。このため、私のクラスメイトで落ちてしまった子はいませんでした。

最終成績と合否の発表は、コースが終わってから1週間後になりようやくメールで発表されたため、コースが終わってもあまり安心はできずソワソワしていた思い出があります。笑

コースの感想と評価

コース全体を通して率直な感想について、良かった点と悪かった点の両側面を書いてみようと思います。

良かった点:

まず、大学の施設やサービスに慣れながら、大学院で使える英語スキルを学べる点です。プレセッショナルコースでは、キャンパスツアーでそれぞれの建物を知るところから始まり、大学のサイトの使い方、論文の探し方、論文の引用の仕方、課題の提出の仕方まで教わることができます。実際大学院の授業が始まってからこれらのことを学ぶ機会はなく、それぞれ個人が自力で情報を集めることが求められます。そのため、大学に関する全てのことを網羅的に学べるこのコースは大学院をスタートするにあたって良い準備運動ができたと思います。

次に、高い志を持ち、悩みを打ち明けられる仲間と出会えるという点です。
このコースでは、同じ時期にそれぞれの国から渡英し、同じくらいの英語レベルの学生が少人数のクラスで毎日勉強します。英語や大学院への授業への不安を抱いている中で共に時間を過ごすことで、自然と仲を深めることができ、大学院の授業が始まる前にセーフティネットを作ることができました。実際、大学院が始まると流暢な英語を話す学生が多く、自分の英語力に絶望することもありましたが、プレセッショナルで出会った友人と定期的に会い、彼らと悩みを打ち明け合い、お互いモチベーションを高め合っていました。この関係を構築できたことがこのプレセッショナルコースを受けて良かったと思える最大の要因だと思います。

悪かった点:

一方で、このコースは誰にでも絶対来るべき!と勧めることは個人的にできないなと感じました。その理由は、値段の高さと大学院の授業とのレベルの違いです。
このコースは授業料と滞在費を合わせると50万円ほどかかるコースですが、コストと内容があまり見合っていないように感じました。というのも、これまで私は学部時代の英語の授業で論文の書き方や論文の引用の仕方(APA)を習っていたため、重複することが多く感じました。また、第3週くらいからは授業時間を個々のエッセイ作成の作業時間として当てられることも多く、授業数が少なくなってしまったのも残念な点でした。
さらに、実際の大学院の授業が始まってみて、プレセッショナルの内容はあまり大学院に活かせているような気がしませんでした。大学院では、毎日のように数十ページにわたる専門的な論文を読み、それらを元に授業が進められディスカッションや発表を行います。プレセッショナルコースでは異なる専門の学生が集まっていたこともあり、授業で扱う論文や記事は日常的な簡単なものが多く、これらの学びだけでは大学院レベルとは言えないと思いました。

その他

このようにこのプレセッショナルコースは一長一短ですが、学業以外では大学周辺の環境に慣れることができる、1番天気がいい時期であることはおすすめできるポイントかもしれません。プレセッショナル中はかなり時間の余裕があるため、ブライトンの街を友人と探検したり、安いスーパーを探したり、携帯や銀行の開設を行ったりしました。大学院が始まった時に、もうすでにブライトンに2ヶ月住んでいる先人として他のコースメイトに頼りにされ、仲良くなるきっかけになりました。
また、なんといっても7月・8月のブライトンは最高!日も長く、雨の日も少なく、温かく、留学を始める季節としてはベストだと思います。

おわりに

このように、今回はサセックス大学のプレセッショナルコースの概要と感想をまとめてみました。現在プレセッショナルコースを検討している方に少しでも検討材料になりましたら、嬉しいです。
また、プレセッショナルコースに関してご質問等がありましたら、Xアカウント(@okratea_study)までご遠慮なくお声かけください。

それでは、素敵なイギリスライフを!おくらってぃでした!!

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