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藿香とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用される藿香(かっこう)についてです。

藿香とは、東南アジア原産の熱帯地域で生育するシソ科の多年草です。
英名はパチョリ(英語: patchouli、学名:Pogostemon cablin)と呼ばれ、アロマテラピーなどをされる方には、パチョリまたはパチュリと言う名前の方が聞き馴染みがあると思われます。
藿香は精油やお香、漢方など様々な用途があり、インドやインドネシア、マレーシア、中国などの様々な国のプランテーションで生産されています。
葉が大きく、青みを帯びたものが良質なものとして扱われています。

お香では葉や茎を乾燥させて粉末や刻みにして使用します。
精油にする場合は、葉のみを水蒸気蒸留したものが一般的ですが、
茎も一緒に蒸留したり全草で作ったり、生のまま蒸留したり、乾燥させたものや熟成させたものを使う場合と色々あり製造する香料メーカーによって異なります。

中国では、インドより華僑が広州の海南島で藿香を栽培し始めたことから広州の藿香という意味で広藿香と呼ばれています。
また、藿香と呼ばれる漢薬がもう一点、四川省で産出されるシソ科の多年草で、土藿香や川藿香と呼ばれるカワミドリというものがあります。
カワミドリは中国だけでなく朝鮮半島やシベリア半島、日本でも産出されるもので、日本では排草香と呼ばれており、お香の原料として根の部分を乾燥させて使用します。
パチョリとカワミドリは同じシソ科で似ているところも多いですが、お香としては分けて使われています。
排草香については、別の機会にもう少し詳しく話をしたいと思います。

漢方薬としては、芳香性健胃薬や発汗剤として食欲不振や寒熱頭痛などに使用されています。
藿香の精油は皮膚癬菌に対して抗菌作用があるとされ、アロマテラピーなどではスキンケアとしても使用されています。

お香では藿香の香りは爽やかな甘味がある香りと言われていますが、アロマテラピーなどでは、湿った土の香りなどと言われており、お香とアロマでの香りの捉え方や表現の違いを感じます。

また、お香の原料の中で藿香は五大香と言われる5種類の重要な香原料の一つとされ、他の多くの香原料とも相性がよいです。

藿香はお香だけでなく、アロマテラピーや香水、漢方薬など様々な用途で使用される原料です。
実際の香りを聞いて見たい方は、粉末や精油を手に入れて聞いて見てはいかがでしょうか。

※藿香の粉末はネットショップにて購入が可能です。


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