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お香・和雑貨のウェブショップ『いつき』です。 素晴らしい日本の文化の一つであるお…

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お香・和雑貨のウェブショップ『いつき』です。 素晴らしい日本の文化の一つであるお香を、皆様に知って頂けたらと思っております。 ネットショップいつき:https://www.okou-ya.com/

記事一覧

お香の始まり ~お釈迦様が好んだ香り~

お香の歴史についてです。 「日本のお香の始まり」で記述した内容よりももっと昔の話です。 文献には載っていませんが、植物の薬効や体臭など匂いを消すことを目的に植物…

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1か月前
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お香の調合 ~五大香について~

日本のお香の始まりは、インドのお釈迦様が沈香を焚かれていたことがルーツになります。 希少な沈香の香りをより引き立てるように、上質な生薬を組み合わせて調香するよう…

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2か月前

丁子とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用されれる丁子(ちょうじ)についてです。 丁子とは、インドネシアのモルッカ諸島を原産とするフトモモ科の常緑樹の蕾で、開花する間際に摘み取り、乾燥させ…

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3か月前
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安息香とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用される安息香(あんそくこう)についてです。 安息香とはエゴノキ科の樹脂で、木に傷をつけて分泌される樹液が固まったものを採取します。 英名はベンゾイ…

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4か月前
3

藿香とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用される藿香(かっこう)についてです。 藿香とは、東南アジア原産の熱帯地域で生育するシソ科の多年草です。 英名はパチョリ(英語: patchouli、学名:Pogos…

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7か月前
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聞香 ~香道の始まり~

聞香(もんこう)とは、香道で使われる言葉で香木の香りを聞くことをいいます。 香道の世界やお香を扱う業界では香りを「嗅ぐ」ではなく香りを「聞く」と言います。 日本で…

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1年前
3

練香とは ~六種の薫物~

お香の種類の中に「練香」といわれるものがあります。 練香は黒い丸薬状で、中国から伝わったお香の一種にあたります。 直接火を付けるお線香と違い、間接的に温めて香り…

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2年前
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日本の調香の始まりを推察

前回の記事にある「鑑真和上による日本の調香の始まりとは?」について、更に推察してみようと思い、いくつかの文献を読んでまとめてみました。 1.鑑真和上が日本に調香…

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2年前
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鑑真和上による日本の調香の始まりとは?~お香の歴史~

和の香りが生まれた時期、日本での調香(※1)はいつから始まったのか? それは、奈良時代に鑑真和上(がんじん わじょう)が中国より日本にやって来たことが深く関わっている…

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2年前
4

沈香とスピリチュアル

「沈香はスピリチュアルで使用されることがありますか?」と聞かれることがあり、沈香とスピリチュアルについてnoteでお話するのも良いのではと思い書くことにしました。 …

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2年前
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先月に続きネットショップでのコラムを書きました。

どの香木から始めれば良いか迷われている方へのコラムです。

香木初心者へのコラムの3部作の最後で、「香木について」「香木の焚き方」も合わせて見てもらえれば嬉しいです。

https://www.okou-ya.com/news/?id=1643705296-610256

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2年前
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久しぶりにネットショップでのコラムを書きました。

香木の焚き方についてです。

内容は香道作法とは違う香木の焚き方です。

香木そのものの香りを聞いてみたいけど、どう焚けば良いのか迷っている方のお役に立てればと思います。

https://www.okou-ya.com/sp/news/?id=1642555552-907971

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2年前
3

お香のメリット

お香には10個のメリットがあると古くから言われています。 中国北宋時代を代表する詩書家である黄 庭堅(こう ていけん)が残した詩に“香十徳”(こうのじゅっとく)というも…

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2年前
6

お香の推し活

 以前に「推し活」と言う言葉がテレビで取り上げられているのを思い出しました。  「推し活=好きなものを応援する活動」の事らしく、知人などに「自分は〇〇が好きでめ…

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2年前
2

臭いにおいが癖になる?

少し前になりますが、海釣りに行った時に感じた事についてお話ししたいと思います。 釣った魚を持って帰るために魚を鷲掴みにして、クーラーボックスに放り込んだ時、 手が…

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2年前
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わさびの香り~日本のスパイス~

お香の原料はすべて海外で産出される動植物で、 その原料はスパイスの歴史と深く関わっています。 今回は、海外のスパイスではなく、日本のスパイスの一つである“わさび”…

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2年前
6
お香の始まり ~お釈迦様が好んだ香り~

お香の始まり ~お釈迦様が好んだ香り~

お香の歴史についてです。
「日本のお香の始まり」で記述した内容よりももっと昔の話です。

文献には載っていませんが、植物の薬効や体臭など匂いを消すことを目的に植物を体にこすりつけることから人間の香りの歴史が始まったと推測されています。
それは、動物が植物に体をこすり付ける行為と同じで本能的なことなのではと考えられます。
また、人間が火を扱えるようになってから、火を熾す際に植物を燃やす中で、木の樹脂

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お香の調合 ~五大香について~

お香の調合 ~五大香について~

日本のお香の始まりは、インドのお釈迦様が沈香を焚かれていたことがルーツになります。

希少な沈香の香りをより引き立てるように、上質な生薬を組み合わせて調香するようになり、お香の調合が始まりました。

仏教伝来と共にお香の調合技術も中国より日本に伝わり、日本独自の香りの調合へと変化していきます。

その、調合技術の考え方の中に古来より伝わる「一木五香説」というものがあります。

当時の中国では、調合

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丁子とは ーお香の原料ー

丁子とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用されれる丁子(ちょうじ)についてです。

丁子とは、インドネシアのモルッカ諸島を原産とするフトモモ科の常緑樹の蕾で、開花する間際に摘み取り、乾燥させたものです。

英名はクローブ(英語:Clove)で、丁香(ちょうこう)や百里香(ひゃくりこう)、鳥の舌に見える事から鶏舌香(けいぜつこう)と様々な呼び名が付いています。また、開花して実になったものを母丁子と呼び、実も漢方に使われます。

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安息香とは ーお香の原料ー

安息香とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用される安息香(あんそくこう)についてです。

安息香とはエゴノキ科の樹脂で、木に傷をつけて分泌される樹液が固まったものを採取します。

英名はベンゾイン(英語:benzoin)と言い、シャムベンゾインとスマトラベンゾインの2種類があり、香りも異なります。

シャムベンゾイン(英名:Styrax tonkinensis)は、生産量が少なくスマトラベンゾインと比較するとバニリン(バニラ

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藿香とは ーお香の原料ー

藿香とは ーお香の原料ー

お香の原料で使用される藿香(かっこう)についてです。

藿香とは、東南アジア原産の熱帯地域で生育するシソ科の多年草です。
英名はパチョリ(英語: patchouli、学名:Pogostemon cablin)と呼ばれ、アロマテラピーなどをされる方には、パチョリまたはパチュリと言う名前の方が聞き馴染みがあると思われます。
藿香は精油やお香、漢方など様々な用途があり、インドやインドネシア、マレーシア、

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聞香 ~香道の始まり~

聞香 ~香道の始まり~

聞香(もんこう)とは、香道で使われる言葉で香木の香りを聞くことをいいます。

香道の世界やお香を扱う業界では香りを「嗅ぐ」ではなく香りを「聞く」と言います。

日本で聞香が行なわれるようになったのは、公家社会から武家社会へと移り変わる鎌倉時代だと言われています。公家での薫物文化から一木の香りのみを深く感じ取る文化が武士たちの間で広まった事が始まりです。

武士たちは沈香を好み、海外から輸入される沈

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練香とは ~六種の薫物~

練香とは ~六種の薫物~

お香の種類の中に「練香」といわれるものがあります。
練香は黒い丸薬状で、中国から伝わったお香の一種にあたります。

直接火を付けるお線香と違い、間接的に温めて香りを広げるもので、香炉に火を熾(おこ)した炭を置き、火から少し離れたところに練香を置き温めることによって香りを広げます。または、聞香炉で銀葉の上に乗せて温めて焚く場合があります。

作り方は、沈香や丁子、白檀、貝香などの粉末を調合し、そこに

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日本の調香の始まりを推察

日本の調香の始まりを推察

前回の記事にある「鑑真和上による日本の調香の始まりとは?」について、更に推察してみようと思い、いくつかの文献を読んでまとめてみました。

1.鑑真和上が日本に調香技術を伝えたという推察理由なる情報①
私が拝読した『唐大和上東征伝』の一文に、船に積載するものとして香に関する香原料の記述がありました。

『唐大和上東征伝』より
「麝香廿臍沉香甲香甘松香龍腦香膽唐香安息香棧香零陵香靑木香薫陸香都有六百餘

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鑑真和上による日本の調香の始まりとは?~お香の歴史~

鑑真和上による日本の調香の始まりとは?~お香の歴史~

和の香りが生まれた時期、日本での調香(※1)はいつから始まったのか?
それは、奈良時代に鑑真和上(がんじん わじょう)が中国より日本にやって来たことが深く関わっていると言われています。

鑑真和上は日本の文化に欠かせない人なので、
なぜ日本に来たのかも合わせてお話ししたいと思います。

鑑真和上が渡日する200年程前に仏教が伝来しました。
その頃の日本の仏教では、受戒せずとも「私は僧侶である」と名

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沈香とスピリチュアル

沈香とスピリチュアル

「沈香はスピリチュアルで使用されることがありますか?」と聞かれることがあり、沈香とスピリチュアルについてnoteでお話するのも良いのではと思い書くことにしました。

スピリチュアルは様々な意味を含む言葉です。

ですので、スピリチュアルの定義を「浄化、宗教や儀式、神秘的なパワー」として、お話していきます。

沈香は、総ての沈香の木にできるのではなく、数百本に一本の中で稀に木の中の樹脂成分が集まり、

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先月に続きネットショップでのコラムを書きました。

どの香木から始めれば良いか迷われている方へのコラムです。

香木初心者へのコラムの3部作の最後で、「香木について」「香木の焚き方」も合わせて見てもらえれば嬉しいです。

https://www.okou-ya.com/news/?id=1643705296-610256

久しぶりにネットショップでのコラムを書きました。

香木の焚き方についてです。

内容は香道作法とは違う香木の焚き方です。

香木そのものの香りを聞いてみたいけど、どう焚けば良いのか迷っている方のお役に立てればと思います。

https://www.okou-ya.com/sp/news/?id=1642555552-907971

お香のメリット

お香のメリット

お香には10個のメリットがあると古くから言われています。

中国北宋時代を代表する詩書家である黄 庭堅(こう ていけん)が残した詩に“香十徳”(こうのじゅっとく)というものがあります。これは、お香の良いところを10個挙げた詩になっています。
日本では“一休さん”で有名な、室町時代の僧侶である一休 宗純(いっきゅう そうじゅん)が、この香十徳を広めたようです。

一休さんがいた大徳寺は香道の志野流と

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お香の推し活

お香の推し活

 以前に「推し活」と言う言葉がテレビで取り上げられているのを思い出しました。

 「推し活=好きなものを応援する活動」の事らしく、知人などに「自分は〇〇が好きでめっちゃいいよ~!」って昔からよくある、好きなものを広めることだなと思いました。

 中には、推しメンのアイドルを多くの人に知ってもらうために、ファンが推しメンを宣伝するために自腹で応援広告のポスターや宣伝カーを走らせている人もいるらしく、

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臭いにおいが癖になる?

臭いにおいが癖になる?

少し前になりますが、海釣りに行った時に感じた事についてお話ししたいと思います。
釣った魚を持って帰るために魚を鷲掴みにして、クーラーボックスに放り込んだ時、
手が魚のヌメリでヌルヌルに・・・

ヌメリは手を洗えば取れたのですが、手のにおいを嗅いでみると
「くっさ!!!!!」
生臭いにおいが何度手を洗っても取れません・・・

なんなんや?このにおいは?と調べてみると
ヌメリは魚の体を守るためのバリア

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わさびの香り~日本のスパイス~

わさびの香り~日本のスパイス~

お香の原料はすべて海外で産出される動植物で、
その原料はスパイスの歴史と深く関わっています。
今回は、海外のスパイスではなく、日本のスパイスの一つである“わさび”の香りについて見ていきたいと思います。

わさびは古来より使われてきた、数少ない日本原産のスパイスです。
お刺身やお寿司、そばの薬味など和食に欠かせないものになっています。
わさびの歴史を遡ると、飛鳥時代の遺跡にわさびを扱っていた痕跡が見

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