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OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

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OKOCROSSING が運営する、香りにまつわる「わたしの物語」を編み集めるプロジェクトです。https://oko-crossing.net/okolife
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#日記

オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

オープン・フェア・スロー──お香と社会の3つの「隙間」

こんにちは、お香の交差点OKOCROSSINGを運営している麻布 香雅堂代表の山田です。

お香をはじめとする和のかおりの専門店・香雅堂を手伝い始めておよそ10年が経ちました。思うところがあって初めてこのような文章を書くに至っています。みなさまにあまり馴染みのないと思われるお香業界の今をさまざまな観点で紹介しながら、お香の未来について考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

香木・香

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OKOLIFEのサービスサファリ

OKOLIFEのサービスサファリ

はじめまして!京都の大学院でデザインリサーチを学んでいる林と申します。このたび、編集者の瀬下翔太さん経由で、広く現代のお香文化を探求するデザインリサーチのご依頼をいただきました。これから連載エッセイの形式でリサーチプロセスを発信していきます。今回はその連載第1回となります、どうぞよろしくお願いします。

お香を焚くってなんだろうはじめに簡単な予備調査として、香雅堂のスタッフのみなさんへのヒアリング

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圧力鍋とお灸

圧力鍋とお灸

「私たちの年代が怖いと思い込んでるものって、圧力鍋とお灸じゃない?」という話になった。サロンで同世代のお客様と向き合いながら、毎回たわいもない話をする。

どんな話題からその話になったのかは覚えてないけど2人で顔を見合わせて「たしかに〜!」ってなった。1970年後半生まれ。

使い古された、でも綺麗に手入れがしてある台所で祖母はいつも忙しく何かを作っていた。自分の畑で取れた作物を丁寧に下処理して一

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「梅雨明け」~ 父の残り香 ~

「梅雨明け」~ 父の残り香 ~

まもなく父の七回忌を迎える。
そのせいか、この頃ふとその人を思う時がある。

父が亡くなったことで、私はことさらに泣いた記憶がない。同じように母や妹の涙も見たことが無い。一度だけ妹が声を上げて泣いたが、それは直前の体調の変化に気付かなかったことへの”後悔”で、悲しさや寂しさの涙とは違う気がした。

いなくなった実感が乏しいからかも知れない。
「パパのことだから、その辺フラフラしてるわよ。お墓なんか

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ゆびさきとタブレットは苺の匂い、味はどこまで味なのか

ゆびさきとタブレットは苺の匂い、味はどこまで味なのか

子どもがわたしの頰に手をおくと、ふわっとただよう苺の匂い。手づかみ食べの季節は過ぎて、フォークで食べているはずなのに、しっかり香るこれはたしかに甘酸っぱい、間違えようのない苺のもの。

苺の匂いはとても強いんだなあと思って、それから、匂いからこんなにはっきり想起される苺とはつまり、この匂いなんではないか、と思った。

ためしに鼻をつまんで苺を食べてみる。甘みと酸味のあるジューシーな何かだとは感じる

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