おこのみやき

大学生/書きたいときに書きたいものをちまちま書きます

おこのみやき

大学生/書きたいときに書きたいものをちまちま書きます

最近の記事

  • 固定された記事

私の好きな宝塚歌劇と、その「宝塚」が持つ構造の気持ち悪さについて

※正直、最初の章は読み飛ばしてもらって構わないので、後半を読んでほしいのです。 私の好きな宝塚歌劇  宝塚歌劇を初めて観たのは2017年のことだったと思う。幼少期に宝塚OGが運営するスクールでバレエを習っていたり、母が兵庫出身であったことから宝塚という存在を認識してはいたが、そこまで思い入れのあるものではなかった。ただ、従姉妹の友人にジェンヌがいたことで、観劇の機会を得たのである。  とは言っても、自分の意思でチケットを取り、観劇するようになったのは最近のことだ。その中

    • 舞台上の見えない何か 星組「VIOLETOPIA」

       4月初旬、星組公演「RRR/VIOLETOPIA」を観劇した。ショー「VIOLETOPIA」は演出家指田珠子の大劇場デビュー作である。彼女は、これまでに「龍の宮物語」(星組)、「冬霞の巴里」(花組)、「海辺のストルーエンセ」(雪組)を手がけており、私はどれも映像で拝見した。 指田珠子の作家性  彼女の作・演出作品を初めて見た時に受け取った印象は、既存の「宝塚らしさ」から少しずつはみ出していこうとする姿勢だ。特に「冬霞の巴里」でのおどろおどろしく大胆なメイクには驚かされた。

      • 一ト言も云ってくれない 小津安二郎「非常線の女」

         無声映画の何たるかを、私はこれまで深く考えてみたことがなかった。映画はよく観る方だが、「声が無い」映画など私にとっては一大事である。無声映画を観ると、あまりにも静かで、たとえホラーでなくとも後ろから見つめられているような変な寒気がする(ような気がしていた)。だから、長編の無声映画を最後まで観た試しがない。それでも今日、小津安二郎の無声映画「非常線の女」を映画館で観た。 果たして、そこに声は無かった。  掛け時計の音も、ダンスホールの楽隊の音楽も、私と同い年くらいの頃の田

        • 舞台はいかに柔らかくなり得るか 東京都現代美術館「柔らかな舞台」

           常日頃から長いカタカナの名前は覚えづらく感じているが、ウェンデリン・ファン・オルデンボルフは幾度耳にしてもなかなか記憶に残らない名前であった。そのような私が彼女の名前をしっかりと記憶に刻んだのは、彼女の講演会に「参加」したことがきっかけである。東京都現代美術館で開催中(2022年11月12日-2023年2月19日)の「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」はオランダを代表する現代アーティストの一人である彼女を紹介する日本で初めての展覧会だ。オルデンボルフは過去

        • 固定された記事

        私の好きな宝塚歌劇と、その「宝塚」が持つ構造の気持ち悪さについて