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おこめちっくタイランド①~

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エッセイ4コマ。過去作品も読みやすいようにまとめてみました。とりあえず更新したら追加していきます。いっぱいになったらまたマガジン作るかもです。
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2018年7月の記事一覧

おこめちっくタイランド⑧

コンビニ、スーパーや露店の店員さん。レストランの従業員。試食の売り子さんやエステかなんかのアンケートとってる人。陸運局のカウンター。もちろん一般企業でも。 いわゆる一般の、普通の仕事に就いている。彼らのそのままの姿で。 化粧も髪型もバッチリな人、お化粧だけしてる人、何もしてない人。 みんな色々人それぞれ、テンプレートなんてない。 タイに来て驚いた日常の風景。驚いたのがなんだか哀しいなと思うほど、羨ましいなと思った。私の生まれた国もこうだったらいいのに。 東京で一生懸命

おこめちっくタイランド⑦

そうか。これもマイペンライなのか。 まぁ死ぬ訳じゃないしね。うん。 というか大概のことはマイペンライなんだなきっとこの人たちは。と感心もしたし、笑わせてもらった。なんて和むんでしょう。 彼らは共に50歳を少し過ぎたくらいで、私の両親よりはずっと若いけれど私自身から見れば一廻以上歳の離れた人生の先輩。 そんなふたりが織りなすやり取りがずいぶんと新鮮だったのを思い出す。 私多分蟻入りのコーヒーをさらっと誰かに出せないし、反対に受け取ってもこんな風に飲めないから。笑 それをこ

おこめちっくタイランド⑥

のどか、という言葉がこれほど似合う場所を私は知らなかった。 生まれ育った北国の町もなかなかの田舎だったけれど、こんなにも時間がゆったりと流れてはいなかったと思う。 朝は鶏のけたたましい鳴き声。空き地では水牛が草をはみ、散歩をすれば牛に道をふさがれる。 濃い緑、鮮やかな南国の花。ドアのない公衆電話、舗装されていない道、大人用の自転車を立ち漕ぎする少年。 適当な量のガソリンが適当なお酒の空き瓶に入って並ぶ小さな商店。そんなお店の前でおばちゃんが気だるそうに座っている。 ど

おこめちっくタイランド⑤

ホームステイ先のママはとてもホスピタリティあふれる人で、私たちをあちこちに連れて行ってくれたり、美味しい料理を作ってくれたり、そしてよくビールを買ってくれた。 ビールは苦手だと言うとSPY(すごく甘いワインみたいなお酒)を買ってくれて、飲んだ翌日はママ昨夜はありがとうなんて言ってビール好きの日本人ママさんもお礼にビールを買ってきたりして、飲めないくせに飲む日が続き、はて私は何をしにタイに来たのだろうと思いながらもまぁいっかマイペンライマイペンライという空気に流されていた。