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No.1243 キッカイ至極?

昨日は、血圧が急上昇しました。
2年前に購入した我が家の印刷機・パトリシアが、ご機嫌斜めの2乗です。
 
たぶん、おそらく、いや、きっと私が印刷を指定した時にどこかの何かをポチっと押し間違えたのでしょう。彼女は「本当に、それでいいの?」とも「ファイナルアンサー?」とも発することなく押し黙ったままでした。ツンツンの彼女です。
 
いざ印刷を開始したら、何も印字されず、ひたすらプリント用紙が流れ出てきました。
「あ~れ~!」
この時の私は、『伊勢物語』「芥川」の段で恋する女を奪って逃走していた男が、雨と雷の中を行き暮れて、何とか粗末な蔵を見つけ、女を土蔵の奥の方に押し込めて心細く戸口で寝ずの番をしていた時、雷の音の騒ぎに紛れて、女が鬼に一口に食われてしまった時の悲鳴にも似ていただろうと思います。(一文が、ながっ!)鬼の正体は、妹を取り戻そうと追いかけてきた兄弟でありました。人の恋路を邪魔する、にっくき(?)存在です。
 
どこで、なにを、どう間違えたのでしょう?何十枚と印刷されぬままの用紙がエンドレス風にエレガントに流れ出てきます。
「これが壊れた両替機から次々と流れ出てくるお札だったらどんなにいいだろう?」
などと思っても口にしない紳士の私です。
 
即、「印刷中止」をタッチして一旦印刷を止めて電源を切ったのに、再び印刷しようとスイッチ・オンすると、私の心をもてあそぶように、又しても件の悲劇(喜劇?)が再開されるのです。「あ~ん、もーどーしよう!」と私の心の声が、東京フレンドパークの「ハイパーホッケー」のパックのように頭の中であちこちにはね返り、髪の毛は逆立ちます。
 
「そうだ!いいこと考えた!」
とパトリシアの気の済むまで印刷用紙を出させました。すると、我が意を得たかのように、彼女は153枚をひたすら送り出し続け、ようやくせいせいしたのかピタッと作業をやめました。私は、途中で「印刷中止」を押して一旦止めていたので、電源が入るとまた同じ作業を繰り返すことになったのです。機械は間違えません。私の指示が間違っていただけなのです。パトリシアったら、よっぽど吐き出したいことがあったんだね。
 
それにしても、文明の利器の恩恵を数多く受けていながら、一旦ことがあると、機械音痴では全く対処できない己の無力さを実感しました。こんな異常事態に陥った時、パソコンに話しかけて指示するだけで異常を感知し、パソコン自らが問題解決にあたり修正してくれる、そんな商品は出来ないかしらね?
 
理系ならぬ「ブンケー」の爺さんは、機械に使われながら、機械の御機嫌も取りながら、奇怪至極にも、何とか今日もブログをしのいでいるのです。


※画像は、クリエイター・山根あきら | 妄想哲学者🙄さんの、タイトル「伊勢物語 | The Tales of Ise」をかたじけなくしました。お礼申し上げます。