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嗚呼、勘違い、漢(字)違い?

中国語講座を見ていると、漢字は同じなのに意味が全く異なるものに気づきます。日本で使われている漢字や漢語の約30%は中国語とは違う意味で使われていると言われているそうです。その理由として、
①本来とは違う意味で伝わった
②単語の意味が変化した
③日本で新たな漢字が作られた
などがあげられるとのお説がありました。
 
例えば、
日本語   中国語
老婆    妻
勉強    強制
可憐    可哀想
手紙    トイレットペーパー
暗算    悪だくみ
算数    約束を守る
人気    人間らしさ
汽車    自動車
高校    大学
読書    勉強
放心    安心
来日    未来
新聞    ニュース
などというのを見るにつけ、知っておかなければ間違いや失敗をしでかしてしまいそうで、心なしか不安に駆られます。
 
単語だけでなく、文のレベルでも勘違いは起こります。良く知られたお話のようですが、
「中国からの訪問団が、日本の工場に見学に来ました。その時に、工場内の標語を見て非常に感心したのだそうです。
 その標語には『油断一秒、怪我一生』と書いてありました。これは、工場内の事故を防ぐための標語で、『一秒油断したら怪我をしてしまうかもしれない。ケガをしたら一生苦しむことになるかもしれないから留意しなさいよ』という注意喚起の標語です。いわば、雇い主から労働者たちへの安全対策のスローガンです。
 ところが、中国語の『怪』には『責める、とがめる』という意味があるそうです。『怪我』はまさに『私を責めなさい』ということになり、『油の補充を怠って1秒でも油が切れて工場の操業に影響したら、一生私を責めてください』という、労働者の仕事に対する決意文として読めるというのです。それで、日本の工場はなんと厳格で規律正しいのだと感心しました。」
というお話です。
 
では、日本でいう「油断一秒、怪我一生」を中国語では何と言うのだろうかと調べてみたら、
「大意招来一生大傷」
とありました。なる程、これは大変分かり易い表現で、「勉強」いや「読書」になりました。

 「奈良七重七堂伽藍八重桜」芭蕉