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No.1193 書の舞い

昨日、畏友とともに第7回「驥の書展」(於、大分県立美術館OPAM 3月26日~3月31日)を訪れ、自由闊達な老練の筆さばきに、大いに刺激を与えていただきました。

パンフレットの牧泰濤会長のごあいさつ文に、次のようにありました。
「『驥』は老いても千里を走る名馬のことです。会員は75歳から98歳までという老熟の身ですが、気力・体力を充実させながら、パワーあふれる作品づくりに挑戦してまいりました。会発足の目的を大切にし、日々書芸術の奥深さを追求したいと心がけております。」

その言葉のとおり、17人の書家のみなさんの個性あふれる52作品が、実に豊かな表情で観客を迎えてくれました。人生の風雪に耐え、哀歓を共にし、切磋琢磨しあった朋友(盟友?)でしょう。書には無縁の人生を送ってきた私のような者にも、作家の魂というかエネルギーが伝わってきます。生き方が、人となりが、書への思いが、筆と墨に託され、紙の上で大胆にして繊細な舞を披露しているように見えました。

「老驥櫪に伏すとも千里の志」とか言います。
「年老いた駿馬は、厩舎につながれていてもなお千里を走る志を捨てず、英雄は年老いても、なお志を高くもって覇気を失わない」
ことにたとえられるようですが、「老いてなお盛ん(咲かん?)」な意気を感じます。どの作品からも「寄ってけよ!」と親しく声をかけられ、1時間、ゆっくりと拝見しました。

「驥」には「驥(こいねが)う」の意味もありますから、
「どうか、おいでください!」
という会長や会員の皆さんからのお誘いの意味も掛けておられるのかなと想像しました。

「蒼蠅」のような私ですが、多くの作者から「お前もがんばれ!」と背中を叩いていただいたように感じとても元気が出ました。有り難い書展でした。
 
大分県立芸術会館2階のcafé Charité(カフェ シャリテ)でお仲間「ひきつりひっぱり」(縁ある繋がり)5人衆でお昼をいただきました。久住高原サラダに度肝を抜かれ、料理にも大満足しました。普段、出不精の私にデブ症がついてくる、楽しい時間、美味しいランチでした。目にも舌にも心にも沁みた一日でした。ごちそうさま!
 

※画像は、戸口勝山先生の書「黄山谷詩」だそうです。会場で、親しくお話を伺う機会を与えて頂き感激しました。お礼申し上げます。また、作品につき懇切丁寧な説明をしてくださった加藤真知子先生にもお礼申し上げます。思いやりのいみじくて…。