仁の音

大分在住の、人生の秋を迎えた翁です。今は、非常勤講師として中学生・高校生から刺激と活力…

仁の音

大分在住の、人生の秋を迎えた翁です。今は、非常勤講師として中学生・高校生から刺激と活力をもらっています。種々の雑感と、たまに古典のコラムです。さて、どんな音を奏でることが出来るか?

記事一覧

固定された記事

六十路の手習い

人生の秋の今頃になって、ささやかなブログを開設。 すべて息子の手引きによるもので、感謝一入です。 終活には少し早いので、せめて脳活・脳シャンのつもり。 「仁の音…

仁の音
3年前
1,429

No.1240 「ニャー」

心の潤う詩を教えて頂いたのは、1年前のことです。 去年の5月8日、愛犬・チョコが病没しました。翌日、note「仁の音」に、 「877 我が家のチョコを悼む」 の拙…

仁の音
21時間前
115

No.1239 さもしい心

マブダチのチョコの1周忌の5月8日の夜、その日2回目の散歩に出ました。 幹線道路沿いの角っこにスナックがあり、毎夜7時から営業しています。店のオーナーの女性は60歳…

仁の音
1日前
121

No.1238 「阿」の字に思う

5月12日は、兄嫁の3回忌、そして父の50回忌の法要が菩提寺で営まれ、カミさんと一緒に出席しました。 和尚さんが、読経する中で「アエン五十回忌」の言葉を2回述べました…

仁の音
2日前
127

No.1237 トホホのホ

昨日、ひょんなことから「骨(コツ)上げ」の話になりました。 火葬された人の遺骨を「葬儀師」の導きに従って、喪主から始めて、遺族、親族の順に壺に納めていきます。 …

仁の音
3日前
126

No.1236 心のひだ

♪ル~ル~、ルルル~ ルルルル、ルルル~ ルルルルルル~ ルルル~ル、ルルル~ このところ、散歩していると頭の中にBGMのように流れてくる曲があります。韓国の歌…

仁の音
4日前
117

No.1235 傷だらけの青春

「母の日」のお祝いを申し上げます。 「母の日」といえば、必ず思い出す子供の頃のお話があります。 私が生まれた速見郡山香町は、2005年(平成17年)10月に杵築市に合併…

仁の音
5日前
134

No.1234 忘れるべからず

「続気楽な散歩。(散歩と呼んで下さい)」さんのブログ(2024年5月6日)のタイトルは、「貧乏草に小金虫」でした。 私は、自他共に認める「貧乏人」のくせに「貧乏草」…

仁の音
6日前
143

No.1233 大人と子供の十七音

大分県には、全国の大人や子どもの心の風景を望める五七五の大会があります。 父親が宇佐市出身というゆかりの作家・横光利一(1898年~1947年)の生誕100年を記念して、…

仁の音
7日前
133

No.1232 どんな筋だか?

私の記憶が確か(?)なら、今年99歳を迎えられるのではないでしょうか。 一昨日、こんなお手紙とお品が届きました。 「大変ご無沙汰致しました  今年も蕗の季節が訪れ…

仁の音
8日前
151

No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

「マブダチ」なんて70歳を過ぎた爺さんのお里が知れそうな言葉遣いです。 「まぶ」とは「本当・真実」の意味、「だち」は「ともだち」の略称のことで、テキ屋(香具師)…

仁の音
9日前
140

No.1230 心誘いの…

5月に入り、ようやく重い腰を上げたようです。 久しぶりにDコースを散歩すると、20年近く廃墟同然となっている団地に取り壊されそうな防護ネットがかけられています。ト…

仁の音
10日前
137

No.1229 四昔の男

みなさん、人の夢をご覧になることはありますか? 「我妹子(わぎもこ)に 恋ひてすべなみ 白袴(しろたへ)の 袖返ししは 夢(いめ)に見えきや」  (あなたが恋しくてどうに…

仁の音
11日前
142

No.1228 たとえばの君

♪ たとえば君がいるだけで  心が強くなれるから  何よりも大切なことを  気づかせてくれたね~ ご存知、米米CLUBの名曲「君がいるだけで」(1992年)の歌詞です。 …

仁の音
12日前
133

No.1227 はじける心

大分県玖珠町で毎年5月5日に開催される「日本童話祭」の一環として「全国児童生徒俳句大会」の表彰も行われています。 私が在職中、5年間生徒作品を応募しました。その「…

仁の音
13日前
131

No.1226 短くも濃く生きる

携帯電話が鳴りました。 固定電話の調子が悪く、団地内の連絡網用に携帯電話の番号を登録しているからです。 「あら、Оさん、どうされました?」 「訃報です。〇〇さんが…

仁の音
2週間前
142
六十路の手習い

六十路の手習い

人生の秋の今頃になって、ささやかなブログを開設。

すべて息子の手引きによるもので、感謝一入です。

終活には少し早いので、せめて脳活・脳シャンのつもり。

「仁の音」とは「仁note」のダジャレです。スミマセン。

どんな人生の音を紡いで行けるか、私にとっても未知数。

お暇な時に、覗いていただける部屋にしたいと思います。

【翁のプロフィール】

1953年(昭和28年)大分県杵築市山香町の生

もっとみる
No.1240 「ニャー」

No.1240 「ニャー」

心の潤う詩を教えて頂いたのは、1年前のことです。

去年の5月8日、愛犬・チョコが病没しました。翌日、note「仁の音」に、
「877 我が家のチョコを悼む」
の拙文を載せました。すると、多くの方々から心ある哀悼のコメントを頂戴し、反響の大きさに深く感謝しました。「有り難い」ことの意味を改めて実感しました。

その中に、クリエイター・春~と共にさんから
「『虹の橋』という詩をご存知

もっとみる
No.1239 さもしい心

No.1239 さもしい心

マブダチのチョコの1周忌の5月8日の夜、その日2回目の散歩に出ました。

幹線道路沿いの角っこにスナックがあり、毎夜7時から営業しています。店のオーナーの女性は60歳前後のようです。犬好きなようで、午後6時半頃にチョコと散歩に向かうと出くわすことがあり、チョコに話しかけては体をさすったり頭をなでたりして目を細くし、実の御主人以上にスキンシップを図ってくれる有り難い存在でした。

その5月8日の

もっとみる
No.1238 「阿」の字に思う

No.1238 「阿」の字に思う

5月12日は、兄嫁の3回忌、そして父の50回忌の法要が菩提寺で営まれ、カミさんと一緒に出席しました。

和尚さんが、読経する中で「アエン五十回忌」の言葉を2回述べました。初めて聴いた言葉だったので「??」と思い、調べてみたら「阿円五十回忌」のことでした。

「阿円忌とは、50年経って一つの円(真なる仏の世界)のなかに故人が入られたという意味で、円が完成し、仏さまからご先祖さまへなられたのだとい

もっとみる
No.1237 トホホのホ

No.1237 トホホのホ

昨日、ひょんなことから「骨(コツ)上げ」の話になりました。

火葬された人の遺骨を「葬儀師」の導きに従って、喪主から始めて、遺族、親族の順に壺に納めていきます。

この時に箸を使うのは、故人を「この世からあの世に橋渡しする」という意味が込められているのだそうですが、とにかく、足から腕・腰・背骨・肋骨・頭蓋骨と下から上へと順番に拾い上げ、最後に喪主が喉仏を骨壺に収めます。喉仏は、その名の通り仏様

もっとみる
No.1236 心のひだ

No.1236 心のひだ

♪ル~ル~、ルルル~
ルルルル、ルルル~
ルルルルルル~
ルルル~ル、ルルル~
このところ、散歩していると頭の中にBGMのように流れてくる曲があります。韓国の歌手チャン・ユンジョンさんの「約束」です。

今年4月から再放送されている韓国時代劇「イ・サン」(全77話、2007年)をBS日テレで初回から見続けています。
「朝鮮王朝史上、最も波乱万丈の生涯をおくったイ・サン、第22代王・正祖

もっとみる
No.1235 傷だらけの青春

No.1235 傷だらけの青春

「母の日」のお祝いを申し上げます。
「母の日」といえば、必ず思い出す子供の頃のお話があります。

私が生まれた速見郡山香町は、2005年(平成17年)10月に杵築市に合併されました。その杵築市の水道事業「経営戦略」(令和5年3月発表)の冊子によれば、
「昭和39年8月に山香町水道事業が創設され、その後も順次簡易水道事業の創設によって給水区域 が拡張されてきました。」
と出てきます。私の住んでいた東

もっとみる
No.1234 忘れるべからず

No.1234 忘れるべからず

「続気楽な散歩。(散歩と呼んで下さい)」さんのブログ(2024年5月6日)のタイトルは、「貧乏草に小金虫」でした。

私は、自他共に認める「貧乏人」のくせに「貧乏草」の名を知りませんでした。悔しかったので調べてみました。どうも、ヒメジョオンやハルジオンの蔑称のようです。

生命力が強く、どんな環境でも繁殖するヒメジョオン(ハルジオン)だそうですが、庭の手入れにお金をかける家には生えず、手入れが行

もっとみる
No.1233 大人と子供の十七音

No.1233 大人と子供の十七音

大分県には、全国の大人や子どもの心の風景を望める五七五の大会があります。

父親が宇佐市出身というゆかりの作家・横光利一(1898年~1947年)の生誕100年を記念して、1999年(平成11)年から開催している「横光利一俳句大会」は、今年で第26回目を迎えます。

横光利一は、1898年(明治31年)3月17日に、父・梅次郎(大分県宇佐市出身)と母・こぎく(三重県伊賀市出身)の長男として福島

もっとみる
No.1232 どんな筋だか?

No.1232 どんな筋だか?

私の記憶が確か(?)なら、今年99歳を迎えられるのではないでしょうか。

一昨日、こんなお手紙とお品が届きました。
「大変ご無沙汰致しました
 今年も蕗の季節が訪れました 佃煮作りに挑戦したいと頑張ってみました
 出来栄えが如何か自信はありませんが 私の挑戦も今年限りかと思いお送りします
 召し上がって下さい
 これからの季節の変化には 充分 お気をつけ下さい
 乱筆お許しください」

乱筆ど

もっとみる
No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

No.1231 あっぱれなマブダチの1周忌

「マブダチ」なんて70歳を過ぎた爺さんのお里が知れそうな言葉遣いです。

「まぶ」とは「本当・真実」の意味、「だち」は「ともだち」の略称のことで、テキ屋(香具師)の隠語を不良少年が使って知られるようになったとありました。一般的には、1970年代(昭和50年代)後半に若者の間でツッパリブームの流行があり、特別仲が良い友達を意味する言葉として普及した言葉だそうです。ハイ。私は、不良爺さんです。

もっとみる
No.1230 心誘いの…

No.1230 心誘いの…

5月に入り、ようやく重い腰を上げたようです。

久しぶりにDコースを散歩すると、20年近く廃墟同然となっている団地に取り壊されそうな防護ネットがかけられています。トップは、主の居なくなって永い団地の1葉です。

東西約90m×南北約105mの広い土地に、40戸5階建てのアパートが3棟並んでいます。因みに、佐藤孔亮著『歌舞伎にみる日本史』(小学館、1999年、P106)に拠ると、江戸は本所松坂町

もっとみる
No.1229 四昔の男

No.1229 四昔の男

みなさん、人の夢をご覧になることはありますか?

「我妹子(わぎもこ)に 恋ひてすべなみ 白袴(しろたへ)の 袖返ししは 夢(いめ)に見えきや」 
(あなたが恋しくてどうにもならず白袴の袖を折り返して寝ましたが、こんなに恋焦がれている私の姿を、あなたは夢に見たでしょうか?)
『万葉集』巻11・2812番・作者未詳の歌ですが、こちらが恋い慕っているから相手の夢に現れるのだ、(あるいは、相手が強く思

もっとみる
No.1228 たとえばの君

No.1228 たとえばの君

♪ たとえば君がいるだけで
 心が強くなれるから
 何よりも大切なことを
 気づかせてくれたね~
ご存知、米米CLUBの名曲「君がいるだけで」(1992年)の歌詞です。

大学時代に、親しい友人が出来ました。北海道出身のN君、新潟出身のAさん、東京出身のSさん、埼玉出身のM君、神奈川出身のK君、名古屋出身のY君、静岡出身のF君、そして、大分の私です。

大学1年の時の同じクラスだったり、途中

もっとみる
No.1227 はじける心

No.1227 はじける心

大分県玖珠町で毎年5月5日に開催される「日本童話祭」の一環として「全国児童生徒俳句大会」の表彰も行われています。

私が在職中、5年間生徒作品を応募しました。その「入賞・入選句集」5冊は今も保管してあります。今日は、5年間の久留島賞、文部科学大臣賞、朗人賞(選者:有馬朗人)、紘文賞(選者:倉田紘文)をそれぞれご紹介しましょう。素直な歌いぶりに、口角を上げ、目尻を下げて頂けたら幸いです。

20

もっとみる
No.1226 短くも濃く生きる

No.1226 短くも濃く生きる

携帯電話が鳴りました。
固定電話の調子が悪く、団地内の連絡網用に携帯電話の番号を登録しているからです。

「あら、Оさん、どうされました?」
「訃報です。〇〇さんが亡くなりました。連絡網で回してください。」
電話は、私の誕生日の昼過ぎのことでした。Оさんは、お通夜の日時、葬儀の日時、そして斎場の名前と場所を淡々と述べて電話を切りました。

どうしたんだろう?私よりずいぶん若いご主人の筈だが…。

もっとみる