私は何者か、396
週末の家。
ハム以外は自家素材のポテトサラダ。モロきゅう、トマトのマリネ、茄子の揚げ浸し。これらも畑から。
初めから最後まで愚痴であったとしても、大した問題はない。何故なら、食べ物が、従順なものだからである。
ストレスとは、いまや、便利グッズの様相でもある。しかしながら、この厄介なものは、少なからず、私をも蝕み、その、私の静脈、背筋、踵や足裏、おまけに手のひらまでも無菌性のナニカに襲われているのである。
その病んだ掌を手に取り、包み込んでくれる優しきドクターに会えて、我寛解の淵に辿り着く。
その人は、寝ないよと、確かに言ったが、寝ている。
許す、許さないとかでなく、ひととはそのようなもの。こころしなやかに、こっそり、小窓から、見よう。もう、辺りさえ見回すことなく、するりとその井戸へと潜る篁さま。そして、待つのは閻魔様。か。
明けるまえの冷えた空に星が一層美しい。肉眼でもよく見える輝き。この、瞬間に出会える奇跡。キラキラと瞬く。あっ。すーい、と、星が流れた。
汗なのか、涙なのか、涎なのか、とにかくめちゃくちゃの腕のなかの熱帯。
互いに兵隊蟻に運ばれながら、その地中のひんやりとした様を想像しながら、また、眠りに落ちる。
その先の焔に揺らぐものは何か。
ひとりでゆくと言ったのに。
わたしは何者か。
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