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不確定日記(嗅ぎたくてやってる)

 マーマレードを煮た。気の長い料理は合間に他のこと、もしくは休憩ができるので気が楽だ。
 甘夏と八朔を2つずつ、皮を剥いて、果肉(今調べたら粒の部分を「砂瓤」と言うのらしい。難しい。)を房から外す。八朔は粒がしっかりしているのでぱかっと外れて気持ちいい。甘夏はみずみずしいので、またあたりが水浸しになるが、よいにおい。
 皮、果汁と果肉、それぞれ重さを計り、合計から砂糖の量を計算する。皮は刻んで何度か茹でこぼして苦味を取り、あわせて、あとは煮るだけだ。あたりの酸っぱくてさっぱりしたにおいが、使った道具を洗ったりスマホで英語を勉強したり麻雀ゲームをしていると、だんだん沸いてきた鍋からのむわっと温かく苦甘いにおいになる。柑橘類がとりわけ好きなのはこの空間を支配するほどのにおいのせいかもしれない。庭に柑橘類の木があればいいのに、と常に思っている。そもそも我が家に庭すらないが。
 何度か鍋をかき混ぜに行く。見ていると早く食べたくなり、けっこう水っぽくても冷えるととろみがつくしな、と思って一度火を止めて瓶に詰めてみたが、やはりもう一度煮詰めたくなり再度鍋に入れてしばし煮詰める。ヘラで鍋底をかきまぜて、とろみをただ見ていると次第にもったりしてくるのが面白くてじっと見てしまい、今度は少し煮詰めすぎた。味見を何度もしたせいで、夕食前には満腹だった。

そんな奇特な