見出し画像

大切なのは「何に」好意的関心を寄せるかだと思う

コミュニケーションで大切なのは、
「相手に好意的関心をもって接すること」
と、わたしは考えています。

わたしが敬愛するCDAの一人、折山旭さんは次のようにおっしゃっています。

コミュニケーションをより良いものにするための秘訣があるとしたら、それは好意的な関心を持つことです。
話がおもしろくて続きが気になるときに、「それでそれで?」と促すことがあります。「それで?」という言葉は、もっと聞きたいという好意的な関心の表れです。好意的な関心を持って関わることで、相手も安心して自然と話しやすくなります。


好意的関心を持って接するとは「もっと聞きたい」という気持ちの表われ。その姿勢や行為が相手に伝わってはじめて効果が発揮されるわけですね。

このように、積極的に相手の話を聴こうとする姿勢を「アクティブリスニング(積極的傾聴)」といいます。アクティブリスニングでは、①好意的関心、②共感的理解、の2点をポイントとしています。

①好意的関心
相手の話に関心を持ち、「それから?」「それで?」「その時どう思ったの?」「何があったの?」などと、相手の話に興味関心をもって尋ねることで、話を深めていくことです。
無関心だと「へー、そうなんだ…」で会話は終わってしまいます。だから、相手が話したいであろうことに関心を持ち、「この人がいま話したいことはどんなことなんだろう」と興味を抱きながら接することが大切です。

②共感的理解
相手の話をそのまま受け入れて理解することです。「○○なんですね」「△△と感じたんですね」といった具合に、話を否定したりジャッジしたりしない聞き方です。
「でもそれって××じゃない」「それはあなたがいけないよ」など否定や評価判断が多いと、どうしても話をしにくくなります。
また、「確かにそれはAさんがいけないよね」と相手と一緒になって批判するのは共感ではなく同調・同意です。「あなたと同じようにわたしもAさんがいけないと思います」と自分の評価を含めているからです。


好意的関心や共感的理解は、はじめのうちはかなり意識をしないとできません。というのは、普段のコミュニケーションでは「自分が何を伝えたいか」に意識が向いているからです。
「何を話そう」「どうやって伝えよう」「何から言えばいいかな」と、頭をよぎりませんか? これは当たり前のコミュニケーションですし、悪いことは何一つありません。
でも好意的関心や共感的理解は、「話の主役は相手である」というコミュニケーションです。ですから、「あなたはどう思いますか?」と意識を相手に向けることを念頭に置くことが大事になります。


でも意識しすぎて、「わたしはいま好意的関心や共感的理解ができているだろうか」という自分を見つめてしまっては本末転倒です。
いま話してくれている相手が本当に伝えたいことはなんだろうと、相手の見ている景色や頭に浮かんだイメージを妄想しながら、「相手の目で見て、相手の耳で聞いて」いるかのように話を聴くことが重要です。

ということは、自分が“何に”好意的関心を寄せているかは自覚しておきたいですよね。
特に好意的関心を寄せている対象が、
・相手の気持ちや感情なのか
・話の内容や事柄なのか
・はたまた自分の態度や姿勢なのか
くらいは、話を聴いている最中であっても理解しておきたいところです。


キャリアコンサルタント養成講座に通い始めたころ、わたしが痛感したのは「話の内容や事柄ばかりに意識が向いて、解決しようと相手を説得する聞き方」になっていたことです。好意的関心どころか、「どうやったら解決してあげられるか」しか考えていなかったことを思い知りました。

資格を取得し、その後も学びを続けた結果、いまは
「この人はどんな人なのか」
「話の内容に隠れた本当に伝えたいことはなにか」
「なぜいまこのことを話そうとしているのか」
「どんな自分が揺れ動いているのか」
といったことに、好意的関心を寄せるようになりました。
話題よりも話をしてくれている相談者自身に関心を向けている感じですね。


「何に」好意的関心を向けているのか。

今回は好意的関心の対象について考えてみました。
「いまどこ向いているか」という意識だけは常に持って接したいと改めて思います。




明日も佳き日でありますように

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?