231

ファラオの密室を読んだ。2023年のこのミステリーがすごい大賞受賞作。
時は古代エジプト。ミイラとして蘇ったセティが自身の死と王の遺体消失の真相を追う!どっちかというとエジプト的世界観が現実となったファンタジーミステリーの趣。終盤は世界がダンジョン飯の最後のほうみたいになるし……。
前半は手続きが多くてドラマの乏しさを感じたけど、中盤のさんざんじらしてじらしてその真相かい!ってポイントが微笑ましかったのと(愛すべきB級さ)、終盤の盛りあがりがよかった。トリックとエジプト要素の絡め方も満足のいくものだったと思う。

トリックは脱力形と、まじかよみたいなやつがあるんだけど、堂々と真顔でかましてくるので島田荘司の幼体みたいな雰囲気がある。死んでるのに踊り続けたバレリーナの謎(ローズマリーの甘き香り)、魅力的だったよなあ。
今後も楽しみかもしれないし、そうでもないかもしれない。



以下ネタバレ



■各謎について
・少女の石運び組グループが毎回遅かったのはなぜか。その方法は?
……他の可能性をよく潰しててよかったと思う。うける。

・王の死体はどうやって消えたのか
……メイントリック。よかった。とんでもねえことしてるけど、いろいろな要素がつながるので快感度高い。王はどういう状態だったのか、からHOWへ。エジプトアイテム、空のキラリ、ピラミッドの斜面。エジプト要素の使い方と、エジプト要素に隠された伏線が光る。

・その犯人は?
……そこまで重要ではないよね。

・セティはなぜ殺されたのか
……よかった。このへんは王の話とひとつづきで、物語ぜんたいと絡めて納得いくいいたたみかけだったと思う

・セティを殺したのは誰か
……まあまあ大事な謎だけど、出てくる容疑者がふたりしかいないし、そいつらが違うっぽくなったらまっさきに浮かぶ可能性だと思う。作者もあまりwhoをする気はなさそう。みんな誰が犯人かなんて考えないしね

・セティは何者だったのか
これは完全に表紙がやらかしていると思う。表紙、女性にしか見えないもん。あと最後の講評にあった「ミイラ男」って記述も、ちょっとアレがアレなのでやめてほしいと思う。。。

そんな感じで

少女の話もよかったよね。パパママの見つけ方に笑いました。総合して最後の盛りあがりがよかったのでよかったなあと思いました。よかったよかった。

グッドボタン!(チャンネル登録もよろしくね)