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受験生に謎解きは向かないを読んだ。ピップシリーズ4作目にして1作目の前日譚。ピップシリーズはだいたいなんでも知ってるかしこいティーエイジャーピップが行方不明事件とかを捜査するたのしいシリーズ。3作目であんなことになったのも記憶に新しい……。
前日譚はイツメン六人でマダミスをやろうぜって話。一日一回しか船が来ない孤島でパパの死体が発見される…という趣向。作者のマダミスの理解度が高く、ノリノリでロールプレイするやつや、ロールプレイを無視して茶化すやつなどが描かれる。マダミスを複数回プレイした経験があると、「ああ……w」みたいになること請け合い。わたしはなりました。

ピップ視点で適宜ハンドアウトが追加され、どう推理してどう立ち回るかというのが描かれるので、一緒に思考できたし、ほんとにマダミスをプレイしているみたいでよかった。

シリーズ未読者は「受験生」から読むと、知らんやつが知らんやつを演じる暗号学園マダミス編みたいに置いてけぼりになる恐れにあるので、おそらく一巻(自由研究)→受験生で読むのが最適と思われる。




以下(受験生だけの)ネタバレ












オチに笑った。「この推理のほうがいいだろ!」「でも公式の推理はこうだし……」「うるせえ!じゃあこの描写の説明がつかないだろ!」みたいな会話、何度したことか。いろんなマダミスにキレた記憶が走馬灯のように蘇った。キレてるピップをみんながまあまあまあと収めようとするあの感じ、そしてまじアントお前なアント、まさにマダミスだ……。
手がかり提示の仕方もおもしろい。
この行動を取れ!って指示や、ハンドアウトの「特定の言葉に反応する」って指示は国内マダミスでもうまいこと応用して実装できそうだよなあと思った。マダミスをやっていると、手がかりを抱えたまま結局明かさずに終わるプレイヤーや、犯人役をしているときにシステムメッセージからの露骨な手がかり提示に理不尽さを感じることがある。だから手がかりの出し方もゲームにしてしまう。なるほどなあ。

こういうのでもなんかできそう。
どうするのかはわかんないけど……。
主体的に動いてクリアできる目標を設定することでゲーム体験の満足度をあげられそう。推理に直結することでもそうでないことでもいいけど、バカらしい動きや謎の言葉を達成した数をポイント制にすれば楽しそうよね。指摘されたらポイントはゼロになるみたいにジレンマも作って。


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