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個人的に好きなBrahms交響曲第4番のディスク

突然ですが、ブラームスの交響曲第4番が好きです。
老いを前に、完全な人生の冬の前に、「これから」と、「これまで」を振り返り、年を取ることへの葛藤やあきらめ、ほのかに垣間見える希望などが随所から聞こえてきます。
特に第2楽章は万感溢れる思いに、ぐっとくるものがあります。
Brahmsの冬の旅と呼びたいような、大好きな曲です。

①個人的な好み第1位 K・ザンデルリング/ベルリンDSO
1回目のSKDとの録音も素晴らしいけれど、より個人の好みに近いのが手兵BSOとの2回目の録音です。

古色蒼然とした、分厚い弦楽の響き、少し暗めのパレットで描かれた深々とした響きに、初めて聞いた時には、心底その音色に驚き、胸を打たれました。
悠然たる響きにあらゆる人の感情が塗りこめられたような、一部のすきもない、表現力の深さ。。。全員で一つの音楽を作り上げようとする意志が極めて強い演奏といえるのではないでしょうか。
特に第2楽章は最も情のこもった演奏で、ドイツの伝統の力を見せつけられるような気がします。
この演奏は。。。マエストーソ。。。

②個人的な好み第2位 ケルテス/ウィーンPO
何といっても、ウィーンPOが素晴らしいです。こんなにホルンが咆哮して、うるさくならずに、音楽的なアクセントとして曲の全体を彩るなんてウィーンPOしかできないような気がします。ドヴォルザークの新世界といい、ウィーンPOと相性の良い指揮者だったと思います。
この演奏は。。。コン・アニマ。。。今は失われてしまったウィーンの音色と彼の魂。。。

③シューリヒト/バイエルンRSO
男らしい、爽やかなアポロ芸術と思います。
些事に拘泥せず、速めのテンポの中で木管を明滅させ、音楽の停滞を救っています。しかもそうなりながら、音楽の味わいが微塵たりとも枯れることがない。至芸だと思います。
この演奏は。。。コン・ブリオ。。。

https://youtu.be/L2bZ-ITFgbI?si=8VMhxjwcL8CWeZ2m

今日はBrahmsの交響曲第4番でした。
織田信長の時代なら人生50年と言われる年に近づき、最近はとみに老いと死について考える時間が増えました。
あと30年生きられたら、その時はどんな気持ちでこの曲を聴くのか。
心の上ではせめて後悔なく生きれたといえるように、生きていきたいと思います。

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