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Teachme Bizを使ってパスワード管理ツールを社内浸透させてる話(手順公開あり)

はじめに

本記事で紹介するトレーニングで用いた手順は記事の最後で公開しています。

パスワード管理ツールの浸透に悩む日々

パスワード管理ツール、便利ですね。スタディストでは1Passwordをビジネスプランで使っているのですが、私自身はスタディストに入る前から1Passwordを有料で利用しており、あらゆるサービスでランダムパスワードを設定しているので最早無くてはならないツールです。

ただ、パスワード管理ツールはプライベートでも使っている人間にとっては呼吸をするくらい当たり前なツールなのですが、せっかく高いお金を払って導入してもなかなか社内で浸透してくれません。

結局ほとんどのパスワードを「いつものパスワード」に設定していて自動入力用途でしか使っていなかったり、社内の人に共有アカウントのパスワードを教えるときに結局ダイレクトメッセージで送っていたり、そもそも脆弱なパスワードであったり。

私もそんな社内の状況に悩みを抱える管理者の一人でした。そして私はある日考えました。

「既存社員は諦めよう。まずは新入社員にはマストで1Passwordを使ってもらってランダムパスワードを強制することで1Passwordが無いと生きられない体にしてやろう。そしたらいつか既存社員が『え?1Password使ってないんですか?』と煽られる日が来るだろう」と

それ以来入社日に3時間くらいかけて1Passwordを手とり足取り教えることで、上記の目標は一定程度達成されました。

しかし、「1Passwordネイティブ勢」が増える速度は入社人数に依存します。1Passwordネイティブ勢が半数以上を占めるようになるには二年くらいかかってしまいそうです。

1Passwordの使い方を解説する手順はいくつか作っていましたが、「これ見て使ってね」というだけではなかなか浸透しません。

・ランダムパスワード
・自動入力
・パスワード共有
・etc
パスワード管理ツールにはこういった色んな要素があるので、それを一つの手順で表現するのも難しく、いくつかの手順に分かれているとそれはそれで展開しにくい。

社内浸透させたいけど悩める日々が続いていました。

Teachme Biz トレーニング機能β版リリース

そんなある日弊社サービスTeachme Bizの新機能「トレーニング機能」のβ版がリリースされたのです。

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これはTeachme Biz上の複数のSOP(手順書)を集めてトレーニングのコースを作成・配信し受講状況などを追えるというものでした。

いくつもの要素を習得する必要がある1Passwordの浸透にはもってこいじゃないか?と私は考えました。そして当然社の新プロダクトなのでドッグフーディングとして皆使ってみようという熱があるはず。

早速、1Passwordの各機能の要素ごとに分解した複数のSOPの作成に着手しました。それまでは基本的な使い方を網羅した一本のSOPに集約されていたのですが、分解したり新規作成したものも合わせるとその数13本のSOPが仕上がりました

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これをトレーニング機能に載せ、社内の希望者に配信しました

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社内でまだ1Passwordを利用開始出来ていなかった人や、アカウントは持ってるけど使えてなかったという人が、日々受講を開始してくれてます。

トレーニング機能の良いところ

やはりなんといっても受講状況を追えるところです。

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従業員が何個目までクリアしているのかも細かく把握することが出来るので、トレーニングを行う側としては単に手順をSlackなどでアナウンスするのとは比較にならないくらいフォローアップなどが楽です。

またトレーニング機能を使おうと思うと「SOP(Standard Operation Procedure)」の作り方が変わってきます。

良いSOPは一つのSOPとして長くなりすぎないことが大事だと思ってるのですが、トレーニング機能に載せることを前提にSOPを作ると、自然とマイクロなSOPを作るようになります。

この機能がリリースされるまでは、1Passwordの手順も2つくらいにまとまってしまっていたのですが、「トレーニング機能だったら後からひとまとめに出来るから、極力マイクロなSOPにしよう」と改修意欲がわきました。

マイクロなSOPにするというのは要するに「モジュール化」なわけですが、モジュール化しておくことで問い合わせ対応などでピンポイントで必要な手順だけを共有することが出来たり、他の手順やトレーニングを作る際の工数も下げることができ、それぞれのSOPの改修も容易です。(開発でいうところのマイクロサービスと似てますね)

また、受講者目線ではゲーミフィケーション的な要素があるのが良いです

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複数のSOPを組み合わせてコースが成り立っているのですが、一つ一つのSOPをこなすごとにゲームをクリアしたような感覚が味わえます。

受講した人の感想

受講した方からは以下のような感想をもらってます

・気にはなってたんだけど難しくて使えてなかった。このトレーニングでやっと使いこなせるようになりました
・パスワードを全部ランダムにするとか不安だったけど、最近ではほぼ「いつものパスワード」はなくなりました。プライベートでも使ってみたい。

代表の鈴木からも「めちゃいい」というコメントを頂きました。(アイコンがアウ○レイジ感あるのは気にしないでください)

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私の過去の経験ではこういった便利ツールって、部門長や役員など忙しい人に浸透させるのは非常に難しくて、例えばチームのタスク管理ツールなんかもなかなか部長だけ使ってくれなかったりとかしませんか?(スタディストはツール好きな人が多いのでそんなことはほとんど無いのですが)

マイクロにSOPを作って習得出来るスキルを明確化してあげることで、忙しい人でも受講のモチベーションも高くなるんじゃないかなーと勝手に思ってます。

手順公開(Open SOP)

さて、お待ちかねですが私が作った1PasswordのSOPを全て社外向けに公開することにしました。

以下のURLで公開していますので、1Passwordの社内浸透に悩んでおられたら是非ご活用ください。

Open SOP - 1Password

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Open SOP というのは最近社内で新たに発足した有志によるプロジェクトで、Teachme Bizの外部公開機能を使って、色んな手順を公開していくプロジェクトです。

例えば世の中にはGmailを使っている会社がたくさんあって、メールのフィルタ一つ取っても同じような手順をきっと色んな会社の総務や情シスの人が作ってます。

日本はただでさえ労働人口が少ないのに、日本中で同じようなことしてる人が何人もいるって大きな損失じゃないですか?

そういった無駄な工数を手順化によって削減して、日本中の人がもっとクリエイティブなことに時間を使えると良いなと思ってこういった活動をしています。

これはスタディストのVision「知る、考える、作り出す喜びにあふれた知的活力みなぎる社会をつくる」や私自身がスタディストに入社した理由にも繋がる考え方です(その話は長くなるのでまた別のnoteで)

「SOP界のGithubになれたらいいなー」なんて勝手に妄想しながらやっております。

Open SOPに興味がある方へ

実はこの活動、社外の方にも協力していただいてたりします。

まだ実験的な取り組みなので、「誰でもウェルカム」というわけにも行かないのですが、もし「私も作ってみたい」という方がいましたらSlackとOpen SOPの環境に招待しますので私までDMいただければと思います

さいごに

Teachme Bizをもっともっと良くしてくださるエンジニアを募集中です!

こちらも私までDMなどいただければと思います!宜しくお願い致します!


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