米国経済本当は強い?弱い?Ⅲ
米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com)
続・米国経済本当は強い?弱い?|損切丸 (note.com) の続編
昨日(5/2)東京時間早朝、意表を突いた「ドル売円買介入」で▼4円程急落した時、置いておいた買いオーダーがついて喜んだトレーダーもいただろう。その後@157円台まで戻して喜んだのも束の間、ドル円はジリジリ値を下げ翌日(5/3)には一時@153円割れ。「なぜ上がらないんだ?」やきもきしたことだろう
そういう時に限って 続・「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 株もタワマンも買いそびれ「円安」で物価は上がる一方...|損切丸 (note.com) もう何ヶ月ぶりだろう、こんな弱い雇用統計が出たりする。ISM非製造業も「価格」以外はボロボロ。まあ相場とはこんなもの
ドル円は「損切り」も巻き込んで一時@152円割れ。押し目買いを継続していた「キャリートレード」勢の怨嗟の声が聞こえてきそう。いかに5%の「金利差」があっても2日で1年分のキャリー益を上回る▼8円も落ちてはたまらない。テクニカルに@152円は強いサポートラインらしいから簡単には割らないだろうが、安易な "ナンピン買い" も躊躇われる
さて、これを諸手を上げて歓迎したのが米国債と米株式市場。FRBの年内「利下げ」については再度扉が開かれ、ターミナルレートも@4.25~4.50%まで低下。おそらくこの水準が「中立金利」≓潜在成長率(自然物価上昇率)+1.0~1.5%程度と想定されている
これでECBも6月に ”予定通り” 先行「利下げ」に動きやすくなった。BoE(英国中銀)も同様。だから「円」と違って対ユーロ、対ポンドでは極端な「ドル安」にはならないだろう
反発したNYダウ、ナスダックに連れるようにビットコインも急反発。まさに 止まらない「過剰流動性」ゲーム - バローメーターはビットコイン|損切丸 (note.com) これが再度「インフレ」の芽になる訳で、これまで同様 "イタチごっこ" が続きそうだ
FRBも「QT」(量的引締)を月▼600億ドル → ▼250億ドルと+350億ドル ≓+5兆円も緩めたし、これで「ドル高の脅威」≓「ドル建債務問題」は一安心かと思いきや、ロシアもトルコもブラジルも国債金利は高止まっており、そう簡単には解決しない。道のりは長い
そして国際的「危機管理」に移行した「円安」。こちらはFRBの「利下げ」だけでは解決しそうにない。ターミナルレートが@4.25~4.50%である以上、日銀も+1.5~2.0%程度の「利上げ」は不可避。ヒストリカルに見ても日米の金利差+2%程度は許容範囲なので「円安」を止めたければこのぐらいが最低限の ”ノルマ” 。国債金利を払いたくないとか財界や政治家から文句を言われたくないとか、そんな馬鹿げた理由で躊躇すべきではない
まずはECBと時期が同じ6/13~14の政策決定会合が注目される
とにかく「金融緩和」という文言は今後一切使うべきではない。国内向けのメッセージなのだろうが「円売り」を勢いづかせてしまう
もう+1%や+2%の「利上げ」で駄目になるような企業や「投資」は残念ながらあきらめるしかない。そうやって新陳代謝しないと生産性も国力も回復しない、即ち「お給料」が上がらない。真の意味で「テーパリング」(=医学用語で ”薬抜き” の意。転じて金融政策のQTを指す)を始める時期に来ている。その結果あちこちに痛みが出るのはやむを得ない
これで ”親会社” アメリカからの支援=「利下げ」には道筋がついた。株価=「円」を元に戻したければあとは自助努力=「利上げ」しかない。大リストラで大なたが振るわれれば "恨み節" も出るだろう。だが「現状維持」では何も好転しない。ここは我々日本人の「覚悟」も試される
外資で凄い「首切り」を何度も見てきたが "禍転じて福と成す” 。新しい仕事に就く良い機会と捉えるような発想の転換が欲しい。「利上げ」して国債が暴落しても構わない。そうやってマーケットは育つ。「預金信仰」同様 ”事なかれ主義” は "毒" 。「損切り」はもっと気楽に取り組めばいい。やってみれば意外に大した事はないものだ
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