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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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記事一覧

ヨーロッパでも燻る「インフレ」の ”種火” ー 世界は「お金」の取り合いへ

ヨーロッパでも燻る「インフレ」の ”種火” ー 世界は「お金」の取り合いへ

 (参照) やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com)

 続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」|損切丸 (note.com) を想起させる材料がまあ次から次へと出て来ること、出て来ること。次はドイツだ。予想に反して4月CPIが反転上昇 ↑

 面子に拘るECBはそれでも6月「利下げ」は止めないのだろうが、ラガルド総裁等からも言い

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続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

続・「高金利時代」再び? - もう期待できない日本の「バズーカ」

 「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート” |損切丸 (note.com) なんて書いていたら米国債が動いた。
要因は国債入札。5年債 ↑ 、2年債とも思ったより札が入らず急落(金利急上昇)の引き金となった

 ただ市場の反応を見ると2022~2023のようにファンドが嬉々として売っているのではなく、どちらかというと虚を突かれて嫌々売っている感じ。FXも同

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「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート”

「レンジ相場」で仕掛ける第2の「キャリートレード」 ”ボラティリティー・ショート”

 何だか相場が急に大人しくなってきた。ドル円に関しては「介入」警戒で上値に蓋をされている様相だが、まあおそらくユーロ円、ポンド円辺りにスイッチ(入替)しているのだろう

 「キャリートレード」というと「金利差」と考える人がほとんどだが、実は「時間」に賭ける方法もある。それがオプション(買う権利・売り権利)における ”ボラティリティー・ショート” 。簡単に言えば相場がおとなしくなって「レンジ取引」に

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さあ何を買う?「AI」ー ドルかユーロか、ナスダックか日経か、それともBTC?

さあ何を買う?「AI」ー ドルかユーロか、ナスダックか日経か、それともBTC?

 日本なら日銀短観に相当するPMI( Purchasing Managers' Index、購買担当者景気指数)の反転上昇は予想外で、これではとても年内「利下げ」を言い出せる状況になく、米国債は大きく売られた

 大統領選が近いとは言えさすがに ”バイデンフレーション” の衝撃。|損切丸 (note.com) のトラウマが消えないのか「FRBの独立性を支持する」。政治的にも株価<「インフレ」の比重

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11年振り「国債買入」オペの "札割れ" ー 銀行は何を考えているのか

11年振り「国債買入」オペの "札割れ" ー 銀行は何を考えているのか

  "札割れ" を大分久しぶりに見た。通常だと「国債買入」の "札割れ" は「銀行が国債を持っておらず市場に足りない」≓「需給」の引き締まりから「金利低下」要因となる。だが今回はどうも様子が違う

 銀行が「損」を確定させるのを嫌がったからではないか

 2年JGBは概ね@0.33~0.34%で取引されているが、この水準は2年以内に日銀が+0.5%「利上げ」することを織り込んだ水準。「そんなに利上

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「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い

「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い

 これは20年程前「損切丸」が勤め先のロンドン本社で行ったプレゼンの中の一節。当時はドル円が@80円を割れたり「円高」がまだ当り前の時代で、聞いている方は何だかキョトンとしていたが「円高」圧力で日本企業が生産拠点の海外移転を余儀なくされていた事が主題

 実際自動車なら販売先のアメリカやそれに近いメキシコ、それ以外の産品の工場は中国へと次々と移転。結果日本国内は労働力が余りデフレに突入した。幸か不

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「金利」は時に「為替」より怖ろしい

「金利」は時に「為替」より怖ろしい

 突然出てきたこのニュース。ほとんどの日本人は「?」だったかもしれない。だが筆者のように外資系、特に「金利」に関わったある者なら「やっぱりね...」が正直な感想。外債絡みの地銀の損失は報じられていたが、やっと ”本丸” が出てきた

 外債セールスの連中はこれを合い言葉にせっせと "N" 参り。どんなジャンク債でも「金利」が高ければ買ってくれる、いわば "ラストリゾート" 的外債投資家だった。構図

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まるで ”蜜に群がる蟻” ー AIは「円安」パターンを学習してしまった(?)

まるで ”蜜に群がる蟻” ー AIは「円安」パターンを学習してしまった(?)

 前稿.遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)|損切丸 (note.com) を書いてドル円の動きを注視していたが、いやもう「円売り」が湧いてくるわ湧いてくるわ。 またもや 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) を思い知らされた

 これは最近の相場全般に言える事だが、特に「HFT」(高頻度取引)が席巻する株

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遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

遂に「ドル売り」転換? ー 怖いのは日銀の "心変わり" (再び)

 注目の4月米CPI。指標発表前に既にユーロドルを中心に「ドル売り」に転じていたが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースで前月比の伸びが6カ月ぶりに鈍化。NY FED指数も悪化し恰好の材料となった

 これで米国債は短期ゾーンを中心に急伸(金利は低下)。「利下げ」開始時期は9月、ターミナルレート(政策金利の到達点)は@4%まで低下した。 金利の ”着地点” と「中立金利」|損切丸 (not

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金利の ”着地点” と「中立金利」

金利の ”着地点” と「中立金利」

 こうして時系列で「イールドカーブ」を追っていると、世界の国債金利、特に長期金利は随分収斂しつつある( ↑ 標題グラフ)。特に「円安」に見舞われているJGB(日本国債)の猛追は顕著で、30年JGBは遂に@2%を超えた。政策金利の「利上げ」も視野に入りつつある

 筆者は「中立金利」について「コロナ前」=「ディスインフレ時代」と「コロナ後」=「インフレ時代」に分けて金利の ”着地点” を想定 ↓

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「ドル高」の死角 ー 「国」から「個人」の時代へ

「ドル高」の死角 ー 「国」から「個人」の時代へ

 日本の財政も大概だがアメリカも凄い事になっている。米政府の年間利払い額が▼1兆ドルを突破し1分間に換算すると約▼2百万ドル≓▼3.1億円

 これは「ディスインフレ」時代に低金利で財政のたがが外れた事に起因するが、「ゼロ金利」から一気に@5%台に「利上げ」した事によって問題が噴出している。単純に言えばこれが 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) であり、一般庶民がこの

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(それでも)まだもの凄い「金融緩和」- やっと日銀が "動いた" 。大事なのは「数値」「データ」

(それでも)まだもの凄い「金融緩和」- やっと日銀が "動いた" 。大事なのは「数値」「データ」

 まだまだもの凄い「金融緩和」-まるで昭和の ”牛歩戦術” 的「利上げ」|損切丸 (note.com) の続編

 追い詰められてやっと日銀が "動いた" 。「5年超10年以下」の「国債買取」を4,750億円から4,250億円に▼500億円減額。これを受けて5~10年を中心にJGBが売られた(金利は上昇)

 たった▼500億円と侮ることなかれ。「量」の側面からは月4回 × ▼500億円=▼2,0

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続・もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安・株安・債券安」の最悪の展開も

続・もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安・株安・債券安」の最悪の展開も

 もう「円安」だけで「日経平均」は買えない - 「円安」を止める "鍵" |損切丸 (note.com) の続編

 どうもマーケットの流れが変わってきた

 せっかくFRBの「利下げ」期待再燃で155円台前半まで戻したドル円も、東京時間に 思ったより分厚い「円売り」 ー 「介入」と「外為特会」と「米国債」 |損切丸 (note.com) 気が付けばもう@156円寸前。湧き出てくる「円売り」はまる

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先に手を出せ! ー 最後は「科学」と「合理性」

先に手を出せ! ー 最後は「科学」と「合理性」

 東京ドームにおけるボクシング興行はあのマイクタイソン戦以来実に34年振りという。それもこれも井上選手というスターが出てきたからで、日本ボクシング界も随分苦労してきた。久々に生中継を見たが良い試合だった

 派手な逆転KOシーンに目が行きがちだが、筆者が最も感銘を受けたのが1回に逆にダウンを取られたシーン。試合後井上選手が:

 今まで一度もダウンを喫した事がなかったのにカウント8まで片膝をついて

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