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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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記事一覧

FRBの「ターミナルレート」は一体何%になるのか?

FRBの「ターミナルレート」は一体何%になるのか?

 昨日(10/28)米国債で画期的な動きがあった。売り基調の中、筆者の手元記録 ↓ では2022年9月以来の2年債>5年債の「逆イールド」が解消

 その後7年債入札でしっかりとした「実需の買い」が確認され怒濤の買い戻し。2-5年は「逆イールド」に戻っている。金利水準が節目とされた10年@4.25%、30年@4.50%に達し、 "リアルマネー" の一部が買いに動いた

 一体FRBの「ターミナルレ

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日本の「分かれ道」 - 衆院選後のマーケットの反応 @28 Oct 24 

日本の「分かれ道」 - 衆院選後のマーケットの反応 @28 Oct 24 

 注目の衆議院解散選挙。面白い結果になった。絶妙なのは各党が取った議席数。与党も野党もどことどう組み合わせても容易に過半数に届かない。これまでのような強行採決は出来なくなり、国会本来の役割である「議論」を否応なく迫られる。誇張でなくこれが日本の「分かれ道」になるだろう

 選挙開けのマーケットも大変興味深い反応を示している

 1.ドル円

 最も注目されたのが「円安」の動向。「政局不安」を受けて

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2つの「異変」 - 10年米国債のタームプレミアムと「イールドスプレッド」がプラス圏へ

2つの「異変」 - 10年米国債のタームプレミアムと「イールドスプレッド」がプラス圏へ

 「金利」に関してマーケットで2つの「異変」が起きている

 1つは10年米国債のタームプレミアム(期間リスクによる上乗せ金利)。通常なら5年より10年、10年より20年と不確実姓が増すわけで、期間が長くなるほど "プレミアム" が付く。この2年間続いた「逆イールド」の方が稀であり、また「コロナ危機」後の+100兆円単位の ”超金融緩和” でマイナス圏へ "ディスカウント" されていた事の方が異常

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続・「金利」は「投資」の最大のライバル

続・「金利」は「投資」の最大のライバル

 「金利」は「投資」の最大のライバル|損切丸 からの続編

  金利相場は動き出すと速い。特に「金利上昇」相場は時に暴力的になりがち。昨年までのFRBの「利上げ」局面がまさにそうで銀行や企業が潰れたりする。昨日(10/21)のように材料がない中で売られる時は「損切り」のきっかけを掴めず傷が深くなるから要注意

 一時ターミナルレート(利下げの到達点)が@3%以下まで突っ込んでいた米国債相場は急反落

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続・「東京」は別世界? ー やって来るか「日本の時代」

続・「東京」は別世界? ー やって来るか「日本の時代」

 「東京」は別世界? ー もはや「日本」の物差しでは測れない。|損切丸 の続編

 もう何年振りだろうか。「コロナ危機」後、特に用も無いので足が遠のいていたが久しぶりに「渋谷」に出向いた。平日の昼間だというのに何だこの人出は! しかも半分以上は外国人。街中を歩けば英語のみならず、中国語(北京、広東)、マレーシア語、インド語(?種類までは判らない)で溢れている。中にはアフリカ系も混じっているようだ

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続・『地獄でなぜ悪い』 - 「減税」「給付金」は『天国』なの?

続・『地獄でなぜ悪い』 - 「減税」「給付金」は『天国』なの?

 『地獄でなぜ悪い』 - 「利食い」は「損切り」の何倍も難しい|損切丸 (note.com) の続編

 衆議院が解散されて今や選挙戦真っ盛り。各党の公約は「消費税減税(廃止)」「給付金」とバラマキのオンパレード。これ本当に『天国』なの?

 「お金」の理屈に立ち返れば、今回の争点になっている「裏金疑惑」は政治家も悪いが、そもそも ”見返り” を要求する選挙民のせいでもある。公共事業の優先的斡旋に

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「お金」が信用できない? - 鍵は ”希少価値”

「お金」が信用できない? - 鍵は ”希少価値”

 日経平均などの株式市場やWTI(NY原油先物)等のコモディティ(商品市場)が不規則な騰落を繰り返す中、ビットコイン(BTC)等の暗号資産だけ独歩高という "異形の相場" が続いている。これは何を意味するのか

 「お金」が信用できない?

 筆者は決してBTC信者ではない。あんなものが1枚@1,000万円もすることが未だに理解できないが、ある調査では世代が若くなるほど暗号資産に対してポジティブだ

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『地獄でなぜ悪い』 - 「利食い」は「損切り」の何倍も難しい

『地獄でなぜ悪い』 - 「利食い」は「損切り」の何倍も難しい

 人間とは本来勝手な生き物で自分の都合さえ良ければそれで構わない。「インフレ」「円安」で生活が苦しい人がいようが株や不動産等の「投資」で儲かっていれば問題なし。まさに『地獄でなぜ悪い Why don't you play in hell? 』(主演:星野源、二階堂ふみ、ぶっ飛んでる映画で結構好き)

 ドル円が@150円に再接近し日経平均が@40,000円を超えると「N銀暴落」「I破ショック」など

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まだまだ燻る「インフレ」の ”種火”

まだまだ燻る「インフレ」の ”種火”

 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) のシリーズ
 (参照) やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com)
 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。|損切丸 (note.com)

 これも ”流れ” なのだろう。米国債が売り基調の中、注目の9月米CPIは総合指数は年率で小幅低下(+2.4%)したものの食品・エネルギーを

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「金利」は「投資」の最大のライバル

「金利」は「投資」の最大のライバル

 これは「損切丸」で何度か用いてきた「投資」の考え方の1つ。10億円なんて持ったこともない「お金」を想像するのは難しいかもしれないが、「リスク」や「相場」を考えるには1つ有効な方法ではある。何しろマーケットを動かしているのは「お金持ち」。アラブの石油王や日本ならGPIF(年金投資機構)、生損保などがこれにあたるが「金利」は最大のライバルだ

 「金利が死んだ」マーケットでは株や不動産に「投資」せざ

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続・米国経済本当に弱い? ー 毎月恒例 "雇用統計祭り" (苦笑)

続・米国経済本当に弱い? ー 毎月恒例 "雇用統計祭り" (苦笑)

 米国経済本当に弱い?|損切丸 (note.com) の続編

 最早毎月恒例のイベントと化した「米雇用統計」。まあそれにしても動くこと、動くこと(苦笑)。 "Ms. Watanabe" を含むデイトレーダーは意気込んで臨んでいるのだろうが「ゼロサムゲーム」よろしく「大儲け組」と「大やられ組」に分れそう。

 ISM指数といいアメリカの「需要」の強さを感じさせる。一番足りないのが「人」。根っこでは

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やっぱり「インフレ税」しかない ー 「時間的余裕がある」日銀と「利下げ」に走るFRB

やっぱり「インフレ税」しかない ー 「時間的余裕がある」日銀と「利下げ」に走るFRB

 「個人的には」とわざわざ冒頭に付けた所に ”本音” も感じるが、日銀総裁との会談後流れたこの発言をきっかけに「円安」が驀進。ドル円は@147円台、日経平均も再度@39,000円に接近した。首相なのだから「個人的」も何も無いと思うが、「早期解散」を宣言してしまっただけに「株安」はまずいのだろう。筆頭野党のトップに就いた元・首相と国会論戦をして下手に議論が噛み合ってしまえば選挙に不利、という計算も働

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やっと始まる日銀の「QT」(量的引締)

やっと始まる日銀の「QT」(量的引締)

 10/1から日本は2024年度下半期入り。住宅ローンの変動金利が上がったり油が値上げされたり「お金」周りは色々変わるが、円金利市場でも大きな "変化" が起きる。先の決定会合で予告された通り日銀の「国債買入オペ」が月額▼4,000億円減額される( ↑ 標題添付)

 年計算の買入額は60兆円を割り込み(58.9兆円)、保有国債の年間償還額を下回る。これでやっと日銀による「QT」(量的引締、Qua

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「ヘッジファンド」とは一体何者なのか

「ヘッジファンド」とは一体何者なのか

 「損切丸」の元同僚も何人か「ヘッジファンド」(Hedge Fund、以後HF)に移籍したり、中には数年後銀行に戻って来た者もいた。動機のほとんどは「お金」。「お給料」が高い分収益に対する要求は高い。銀行のように「預金」「貸出」等のリソースが無く資金調達力も無いため、まさに裸一貫「リスク」を取って勝負することになる

 ネット上ではHFのことを「機関」などと呼んでいかにも好き勝手しているように書く

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