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「平気だから」とごまかしている気持ちはなんだろう

「平気だから」と気持ちをごまかして逃げるのではなく、
自分のなかの苦しみやつらさと徹底的に向き合うことが、
乗り越えることにつながるんじゃないでしょうか。

加藤 登紀子

PHP No.912 p.26
株式会社PHP研究所

 世間的にはゴールデンウィーク。お休みの取り方によっては10連休という方もいらっしゃるようです。
 カレンダーどおりの方も、祝日は関係なく働いている方も当然、たくさんいらっしゃるでしょう。
 『世間的に』ではなく、自分に適したバランスで仕事と休みがあるといいな、と私は常々思っていますが、みなさんはどのようなバランスが理想でしょうか。

 以前にも書きましたが、趣味でウクレレを習っています。
 前回の課題曲がとりあえず一通り終わったので、次の課題曲を先生と一緒に探しました。
 色々と考えたり聞き比べたりした結果、今回の課題曲は加藤登紀子さんの『時には昔の話を』に決まりました。
 私はジブリ映画の『紅の豚』が好きで、この曲はそのエンディングテーマとなっている曲です。

 そんな折、今月発行されたPHPの特集で加藤登紀子さんが取り上げられていました。
 冒頭の文はその特集で、加藤登紀子さんが『今まさに、大変な思いをしてる人』に向けて語ったものです。
 この部分だけ抜粋すると、少し厳しく強い言葉に感じるかもしれませんが、文章全体としてはとても温かく優しい心で語られています。
 よろしければ、ご覧になってみてください。

 この語りの文脈からは話がずれてしまうかもしれませんが、私たちは『我慢』や『忍耐』、『人前で弱みを見せない』ことを美徳とする社会に生きているように感じます。
 ときにはそのような頑張りや、踏ん張りが必要な場面もあるとは思いますが、自分が本当に苦しいときやつらいときにまで心にふたをして「平気!大丈夫!!」と強く居る必要はないと思います。
 冒頭の様に『自分のなかの苦しみやつらさと徹底的に向き合う』ことで乗り越えることができる、そうやってでしか乗り越えられないのかもしれないけれど、それを独りでやるのはなかなかしんどいものがあると思います。
 そんなときに頼れる誰かや、何かがあれば。
 自分が自分と向き合うのは、自分自身にしかできないけれど、その向き合う自分のそばにいてくれて、背中をそっと押してくれる何かがあれば、しんどくても自分自身と向き合えるのではないか。そんなことを感じました。

 ちなみに、加藤登紀子さんは文章の最後の部分で『コンサートでは、会場にいる最もつらい人が置いてけぼりにならないようにと願いながら歌っています』と語っています。


 「平気だから」とごまかしている気持ちはなんだろう
 苦しくてもつらくても平気を装って誰かに助けを求められない方。
 自分が犠牲になってまで他人の気持ちを優先してしまう方。
 そんな人に寄り添える人でありたいです。


https://youtu.be/Ny7W8D2CPEc?si=LJDecNpXB_8RYjDr


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