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【インドネシア】この街の道路には人がいる

ごそごそと何かを探し始めるドライバーさん。幾らかの小銭を手に取り、運転席の窓を開けて、道路にいる人に手渡す。きっと、チップのようなものだ。どれくらいの金額渡しているのかは、わからない。

車とバイクが道路に溢れるインドネシア。信号のない道路の交差点は、交通整理をするおじさんたちのおかげで成り立っていると言っても過言ではない。
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2023年春、家族でインドネシアに赴任しました。期間限定の海外生活で感じた事。気づいたことの記録。

道路に人がいる街

この街の道路には色んな人がいる。

颯爽と交通整理をしているおじさま。傍には今にも壊れそうな自転車を置いて。
中央分離帯の樹木の下でお昼寝しているおじさま。街路樹掃除の休憩中かしら。
新聞やティッシュを首から下げて売り歩いているおじさま。モップを持って信号待ちの車の窓を拭いてくれる人も。
時には、スピーカーを首から下げてマイクを持っているおばさままで。歌を歌ってくれるの、かしら?

インドネシアの道路はなんだか賑やかだ。

とある日、ドライバーさんが信号待ちの時に何かを買った。
おぉ、何か買っているところ初めての見た!と思ったので、何を買ったのか、いくらなのか聞いてみた。

買ったものは新聞。一部5,000ルピア(約50円)らしかった。もう少し話を聞くと、販売者に1,000ルピアの利益がいくと言っていたので、手渡したのは6,000ルピアか。

日本でいう、路上生活者がビッグイシューを売って利益を収入にしているあのシステムかな?そんな風に思った。

街の発展と共に人は建物の中に入るのか?

日本やシンガポールの道は綺麗だ。
ゴミも落ちていなくて、歩道も整備されている。最近では、自転車専用通路まで別枠で整備されているところも増えて来た印象がある。

道路の両側には建物が立ち並び、商売もその建物の中で行われている。それに伴って、人もまた建物に入っていく。道端に出ている人が少ない。

なんか、上手く表現出来なくてもどかしいのだけど、社会の発展と共に、人々の生活が空の下から建物の中に入っていく印象が私にはある。それは、農業のような第一次産業が、社会の発展と共に工業化され、第三次産業に移行して来た流れと連動しているような気がする。

道路に人がいるインドネシアの社会は、いまどこの段階なのか。信号や道を整備することで、おじさんの交通整理が必要なくなり、道路で手売りしている人が道路の両端に商店を構える日が来るのかな。

その時、この街の道路の混沌とした賑やかさは静けさと綺麗さに変わるのだろうか?

そんな未来を想像しながら、正直どちらが良いのかわからないなぁと思った。
なぜなら、道路に人がいる街、私は結構好きだから。

2024年3月。さとゆみゼミ4期の仲間と共に始めた#note1000日チャレンジ
23投稿目。今日も最後まで読んでくださってありがとうございました!