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子どもの未来に向けて奮闘する大人の背中を押してくれる本

5年前、家族の仕事の都合で関西から山口県岩国市に引っ越してきました。
関西でキャリア教育コーディネーターとして教育現場と社会をつなぐ活動を始めてまだ1年のタイミングでした。

新しい場所でも同じような活動ができないかと模索していた時に、キャリア教育コーディネーター仲間から紹介していただいたのが、瀬戸内のハワイ・周防大島在住、キャリア教育デザイナー/株式会社ジブンノオト代表取締役の大野圭司さん。

この本の著者です。

原動力はワクワク✖️ムカムカ

ご縁をいただいて半年後ぐらいで実際に直接お目にかかれる機会をいただき、大野さんの会社の事業について、そして私自身の新しい土地でのこれからについて、お話しさせていただいたことがあります。

その際、”とても芯の通ったエネルギッシュな方”だというのが第一印象でした。
そのエネルギー(=情熱)は、ワクワク✖️ムカムカから生まれたものだったのか!そんな背景がわかる文章がこちら。

ワクワクは情熱の素です。情熱に昇華させるためには、ワクワクに「ムカムカ」という逆の感情を混ぜ合わせて化学反応を起こす必要があります。・・・「ワクワク」と「ムカムカ」が化学反応し情熱になることで、生涯に渡り枯渇しない「情熱」というエネルギーが生まれるのです。

「自分の技」で稼げる子どもの育てかた「起業育」p36より

私自身が、このnoteでも公開しているビジョンインタビューや、いろんなフリーランス・社会起業家さんの話を聞いたり本を読んだりしながらなんとなく感じていたこと。それは、”大きな情熱の根底にはそれと同じくらい大きなモヤモヤがある。”ということでした。

そのモヤモヤがなぜなのか、しっかり言語化できていなかったのですが、この本を読んでとても腑に落ちました。確かに、モヤモヤだけでは”前向きな行動”には至らない、ワクワクと共にあるからこそモヤモヤが行動の原動力になるんだと。

ライフステージに応じて都市と地方を行き来する

この本の中には、”親のあなたの「働く意識」改革”と題して、数々の統計を用いた現在の若者の職業観、そしてご自身のこれまでのキャリアが詳細に書かれています。中でも、私が印象に残り、共感した一節がこちら。

人生に目的を持ち、ライフステージに応じて、都市と地元や地方を行き来する人が、幸せになれる時代になりました。

「自分の技」で稼げる子どもの育てかた「起業育」p.113より

大野さんのフィールドがご自身がお住まいの周防大島にあるため、著書の中では、地方で働く可能性が大きくフォーカスされていますが、私自身はこの一節から、”都市と地方の両方を知る“、”両方を若い世代が選択肢として持つ”ということが一人の人としての視野を広げるために、とても重要だと感じました。

私自身、幼少期から家族を持つまで、いわゆる都会生活が多かったので、5年前からの地方での生活はとても学びの多い時間です。当たり前にあると思っていた施設やサービスがないこと、当たり前になかった自然や人の繋がりが身近にあること。

両方の違いやは多々ありますが、その違いがメリットになるのかデメリットになるのかは、ライフステージによって異なってくるのでしょう。地方で育った子にとって都会で暮らす日々はきっと生き方の幅を広げるでしょうし、都会で育った子にとって地方で暮らす日々はこれまで気が付かなかったことに気づかせてもらえる時間になるように思います。

だからこそ、ライフステージによって、何かに縛られることなく、様々な場所を行き来できるような軽やかさは、常に身につけておきたいです。

周防大島町立東和中学校の起業家教育「アントレ」

私は、この著書に事例として書かれている授業を実際に見学させていただいたことがあります。とても本格的な起業家体験でした。このような授業が受けれる子達が羨ましいくらいに。

この授業のカリキュラムの中にある、株主募集に参加させていただいた時にFacebookに投稿した感想がこちら↓

著書には、この「アントレ」事例について、学校の中で実践する際のコマ数や関係者それぞれに対するねらいなど、とても詳しく解説してあります。地域と学校が一体となった、とても素晴らしい事例だと思います。

やっぱり大切なのは大人が見せる背中

仕事と家庭を区分けするのではなく、仕事と家庭を融合することで、子供は親の仕事が身近になります。

「自分の技」で稼げる子どもの育てかた「起業育」p.118より

子どもが産まれてから10年。私自身が、常に!常に!!試行錯誤し続けている仕事と家庭。正社員で働いてみたり、パートタイムで働いみたり、フリーランスの旗を掲げてみたり、手放してみたり、それでも働くことを諦めきれなかったり。

何が正解なのか、いまだに答えは見つかりませんが、そんな風に融合したり離したり、行ったり来たり、子どものそばで試行錯誤する背中を見せるのも、また一つの起業育なのかもしれない。そう思わせてもらえる一節でした。

おまけ。やっぱり周防大島が好き!

大野さんの情熱の場となっている瀬戸内海に浮かぶ周防大島。
私はこの島が大好きです。

美味しいものと美しい景色と魅力的な人がたくさんです♡
こだわりを持った数々の起業家さんたちがUターンや移住を経て生み出す商品や体験の場に、私もこの5年間、一人で、そして、家族で何度も何度も楽しませてもらいました。

「起業育」という言葉を生み出した島は、溢れる「ワクワク」に、少子高齢化や過疎化という日本各地でも解決しきれない課題「ムカムカ」を混ぜ合わせ、情熱というエネルギーに昇華してこれからもっと魅力的な島になっていくような気がしてなりません。


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