E128: 濁ったりんご汁が飲みたい
小さい頃、熱を出したりすると、よく母にリクエストしたのが、「りんごをすりおろしたジュース」
りんごをおろし金ですりおろしてもらい、それを搾ってジュースにしてもらう。
それだけのシンプルなもの。
今は、ネットがあるから、いくらでも変色しない方法はわかる。でもいいんだ。
昭和のあの頃、たとえ変色したってよかった。
熱が出て、フラフラになっている幼き身体には
たとえ茶色になったって、魔法のようなパワーがあったのだ。
母お手製の、すりおろしりんごジュース。
あの頃、ポリフェノールとか
知らなかった。
そんな言葉はあったのかもしれないけど、
わが街には届いていなかった…。
そんなことより、
あの頃のリンゴジュースが
とても美味かった…
色が茶色く変わろうとも
なんだか守られている安心感があった。
「そんなのコンビニで買ってくればいいじゃん」
若い人は簡単にそう言うかもしれないけれど、
家のおろし金でするから幸せなのだ。
手で搾るから幸せなのだ。
ああ、なぜだろう?
この話を、なぜ昨日思い出さなかったんだ!
なぜよりによって、
【母の日】に
嫌いなえんどう豆の話なんか書いたんだろう。
この、りんごジュースの話こそ、
昨日書けばよかった。
今朝になって、頭の中に急にりんごジュースが浮かんできたのである。
今、本当に思う。
あーあ、この話、昨日書きたかったなぁ…。
【66日ライラン 43日目】
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