おかぐちや源太

優しい仲間に手を引かれnoteは4年目。不器用な中年男。言葉はできるだけ穏やかに優しく…

おかぐちや源太

優しい仲間に手を引かれnoteは4年目。不器用な中年男。言葉はできるだけ穏やかに優しくありたい。毎週土曜夜、スタエフでしゃべってます。https://stand.fm/channels/635ddc11b4418c968d4fbe42

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記事一覧

固定された記事

E1:午前5時の「お揚げさん」

(2022年4月追記:僕の「おかぐちや」は、この店の屋号から、とりました) 祖父母の家は豆腐屋だった。 2人とも彼岸に旅立ってしまったので、当然店はもうない。 豆腐屋…

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E146: いつもおんなじこと言う

「え? もう5月も終わり? この間年が明けたと思ったのに、もう5ヶ月も過ぎちゃった。早いね」 こういう感じの会話。笑 大人たちがよくこういう類の話をよくしていたけ…

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E145:切なさを感謝に変えて…

(今度何か、決定的なことがあったら、この店に通うのはやめよう) 私は密かにそう決めていた。 決めておいて、矛盾しているが、できるだけその日が来ないことを、心の中…

E144:今日も無心で卵焼き

卵焼きを作っている時、無心になれる。 たとえ途中で失敗しても、最後にそれなりの形になれば、それで成功である。 そういうところも含めて、私は卵焼きが好きだ。 甘い…

E143:駅のベンチで糸切れる…

「学校に行きたくない日があってもいいと思うよ」 私がこんなことを言うと、普段の私を知る人がとても驚いた顔をする。すごく意外なのだそうだ。 「2〜3ヶ月に1回くらい」…

E142:結局、誰が悪い?

普段とても温厚な女性の先輩が、 朝からちょっと機嫌が悪かった。 「もう、源太さん聞いてよ! 昨日は気分悪かったのよ!」 珍しいなと思った。とても穏やかな人だから。…

E141:セルフあたふた

家の近所だけの問題かもしれないが、 やたら「セルフレジ」が増えてきた気がする。 これも私の被害妄想かもしれないが 「セルフレジ」にいる補助員の店員さんて ちょっと…

E140: 減量販売って…

去年くらいから大手コンビニで「増量キャンペーン」みたいなのがあって、おにぎりやサンドイッチ、シュークリームなんかが通常より大きいサイズで売られていることがあった…

E139:チカラってどうやって抜くの?

今年はじめ、冬の雪道で派手に転んで以来 片方の腕がまっすぐ上げられなくなった。 以来、数ヶ月。かなり長引いている。 四十肩とか、五十肩とか、もはやそんな名称はどう…

E138:原曲のキー撃沈

以前はよくカラオケに行っていた。 多分このご時世の影響もあるのかもしれないけれど、ずいぶんと遠ざかっている。もうかれこれ7〜8年ほどカラオケ出かけていないと思う。…

E137: 本名と酢の物

私が残念に思っていることの1つに、 「私の本名は、結局誰がつけたかわからない」 という問題がある。 これには事情がある。 私は出生時、早産、未熟児のうえ、呼吸が弱…

E136:どうせなら笑ろうて

自分で言うのもなんだが、 僕は基本的に慎重な人間である。 それなのに… 高校1年の2学期 電車が珍しく遅延して おまけに寝不足で頭が回っていない。 そんなこんなで 授…

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E135:「コロン」に西日を当てないで

私が、まだ実家にいる頃の話。 母がスーパーに買い物に行くというので、 「じゃ、コロン買うてきてやー!」 と大きな声で頼んだ。 別の部屋にいて、なぜか、その声に反応…

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E134:なんで謝ってるの?

「あの……お客様。先ほどから、なぜそんなに謝ってらっしゃるのですか?」 その店員さんは、穏やかな笑みを浮かべながら、そうやってまっすぐ、私に聞いてきた。 「………

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E133: 良かれと思って…

私が中堅として、やっと仕事に慣れた頃、 そのチームの主任に石井(仮名)さんという女性がいた。 この石井さん ベテランですごく仕事も出来るのに 何かの発表やプレゼン…

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E132: モテ期ってなんすか?

今日で47日目ということは、あと19日ということなんですけど、ありがたいことにまだネタ切れ症状は起こしておりません。 ただ、毎日毎日noteのことを考えています。 今日…

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固定された記事

E1:午前5時の「お揚げさん」

(2022年4月追記:僕の「おかぐちや」は、この店の屋号から、とりました) 祖父母の家は豆腐屋だった。 2人とも彼岸に旅立ってしまったので、当然店はもうない。 豆腐屋の朝はとても早い。 近くにあった「国鉄」の踏切でさえ、まだ眠っている、 そんな時刻に祖父母はお店を開けた。 小学生の頃、泊まりに行くと、僕は決まって5時ごろ目を覚ました。 普段はそんなに早起きではないのに、 祖父母の家に行くと自然と目が覚めてしまう。 朝5時……僕にとってはとんでもなく早起きだが、 祖父母

E146: いつもおんなじこと言う

「え? もう5月も終わり? この間年が明けたと思ったのに、もう5ヶ月も過ぎちゃった。早いね」 こういう感じの会話。笑 大人たちがよくこういう類の話をよくしていたけれど、 小さい頃や、若い頃は、 (そんなにあっという間に過ぎるわけねーだろ!) (この人たち、また同じような話してるよ…) (何回同じ会話すれば気が済むんだろう?) あの頃は、少し冷ややかに 呆れるような、不思議な思いで聞いていた。 さて、そんな私が 大人になり、おじさんになり… あんなに冷ややかに、不

E145:切なさを感謝に変えて…

(今度何か、決定的なことがあったら、この店に通うのはやめよう) 私は密かにそう決めていた。 決めておいて、矛盾しているが、できるだけその日が来ないことを、心の中で祈った。 近所のお店。 おばちゃんが1人店番している。 そのお店に、私は約20年通い続けた。 おばちゃんと他愛もない話をするのが好きだった。 天気のこと。 体の調子のこと。 晩御飯のおかずのこと。 あれ?昨日おばちゃんと何話したっけ? 次の日にはさっぱり覚えていない。 そのぐらい、どうってことない話題で、

E144:今日も無心で卵焼き

卵焼きを作っている時、無心になれる。 たとえ途中で失敗しても、最後にそれなりの形になれば、それで成功である。 そういうところも含めて、私は卵焼きが好きだ。 甘い卵焼き、塩味の卵焼き、出汁の効いた卵焼き… 各家庭に、それぞれの卵焼きの味があって、 みんな好みがバラバラなのが、またいい。 いろんな人の作った卵焼きを食べたけれど、 やっぱり、結局、母が作ってくれた卵焼きに戻ってくるのかもしれない。 自分が作る卵焼きは、やっぱり母や祖母の作る卵焼きにどこか似てくる。全然勝てな

E143:駅のベンチで糸切れる…

「学校に行きたくない日があってもいいと思うよ」 私がこんなことを言うと、普段の私を知る人がとても驚いた顔をする。すごく意外なのだそうだ。 「2〜3ヶ月に1回くらい」なら、そんな目くじらを立てなくてもいい、と私は思っている。 私だって高2以降、駅のベンチで3ヶ月に1回くらい 「整っていた」のだから。 サウナで最高に気持ちいい状態になることを「ととのう」と言うそうだ。あの日、駅のベンチでまさにそんな顔をしていたような気がする。 ………………………… 今思い返しても、明確

E142:結局、誰が悪い?

普段とても温厚な女性の先輩が、 朝からちょっと機嫌が悪かった。 「もう、源太さん聞いてよ! 昨日は気分悪かったのよ!」 珍しいなと思った。とても穏やかな人だから。 「源太さん、例えば電車の中で小さい子と目があったらどうする?」 (あ、なるほど! なんとなく先が読めた…) と思ったが、あえて何も言わなかった。 「うーん。どうしますかね? 先輩はどうされたんですか?」 はっきりと質問には答えずに、その先を聞いた。 「私ね、小さい子と目が合ったから、ニコッと笑ったんよ。

E141:セルフあたふた

家の近所だけの問題かもしれないが、 やたら「セルフレジ」が増えてきた気がする。 これも私の被害妄想かもしれないが 「セルフレジ」にいる補助員の店員さんて ちょっと冷たい感じの人が多い気がするのだ。 (何このおっさん、セルフレジも触れないのか)  なんて、一言も言ってないのに、そう言われているような気がするのである。 今までは店員さんがやってくれたレジ処理を、突然「ほら、今日からあんた1人でやりなよ!」と放り出された気分なのである。 落ち着いてやれば簡単なのかもしれない

E140: 減量販売って…

去年くらいから大手コンビニで「増量キャンペーン」みたいなのがあって、おにぎりやサンドイッチ、シュークリームなんかが通常より大きいサイズで売られていることがあった。 卵サンドなんか「食べきれるかい?」とおじさんは心配になるくらいの分量で、それでもこの増量キャンペーンはおおむね成功だったようだ。 お店側は大々的に宣伝するだろうし、お客さんもそれなりに話題にできるし、食べたら幸せになれるだろうし…。 増量はいいのだ、みんなが幸せだから…。 でも、逆の場合はどうなんだろう…。

E139:チカラってどうやって抜くの?

今年はじめ、冬の雪道で派手に転んで以来 片方の腕がまっすぐ上げられなくなった。 以来、数ヶ月。かなり長引いている。 四十肩とか、五十肩とか、もはやそんな名称はどうだっていいけど、とにかく痛い。 で、さらにリハビリがツラい。 こいつはわざと俺にグリグリやってるのではないか? そんな錯覚を起こして、やんのかステップを踏みたくなるほど、ツラいのである。猫じゃあるまいし…。 自分じゃわからないけど、きっとリハビリ台の上でヒーヒーのたうち回っている私って、世界一カッコ悪いのだろう

E138:原曲のキー撃沈

以前はよくカラオケに行っていた。 多分このご時世の影響もあるのかもしれないけれど、ずいぶんと遠ざかっている。もうかれこれ7〜8年ほどカラオケ出かけていないと思う。昔ほど歌も歌っていない。 よく最近のテレビ番組で、往年の歌手が原曲のキーから、かなり下げて歌っているのが話題になる。それを意識しているのかはわからないが、ある歌手なんかは、あえて当時よりもキーを上げて歌っていたりする。チャレンジャーである。 私のような素人でも、なんとなくキーが上がったとか、下がったとか、そうい

E137: 本名と酢の物

私が残念に思っていることの1つに、 「私の本名は、結局誰がつけたかわからない」 という問題がある。 これには事情がある。 私は出生時、早産、未熟児のうえ、呼吸が弱くなったり荒くなったりして、生まれたというのに、予断を許さない状況にあった。こういう不安定な状況を心配した周りの人たちが、 「名前に関しては、ちゃんと姓名判断ができる人に委ねてはどうか?」と言い出した。 母の叔母が、「近所に、名付け親名人がいる!」と言うので、大叔母、祖母が揃って、そこに頼み込んで、いくつか

E136:どうせなら笑ろうて

自分で言うのもなんだが、 僕は基本的に慎重な人間である。 それなのに… 高校1年の2学期 電車が珍しく遅延して おまけに寝不足で頭が回っていない。 そんなこんなで 授業開始20分遅れて学校に着いた。 あたふたと 教室のドアを開けた。 ドアを開けて、目立たぬように、下を向いて 自分の席に向かう。なんとなく感じる違和感。 突然、教師から声が飛んできた。 「君は一体誰ですかぁ?」 僕の知らない先生が怪訝な顔をしている。 その声をきっかけに、クラスは大爆笑。 僕は、フリー

E135:「コロン」に西日を当てないで

私が、まだ実家にいる頃の話。 母がスーパーに買い物に行くというので、 「じゃ、コロン買うてきてやー!」 と大きな声で頼んだ。 別の部屋にいて、なぜか、その声に反応した父。 母が出て行ってから、数分後 父が、そっと私のところにやってきた。 「源太、お前……気になる子、いるんか?」 私は一瞬、何のことかわからず、あっけに取られた。 「…へ? なんで?」 「いや。急にどんなコロンつけるんかいな、と思って…」 「ああ、ごめん。それコロン違いや。グリコのコロンやで」 「…

E134:なんで謝ってるの?

「あの……お客様。先ほどから、なぜそんなに謝ってらっしゃるのですか?」 その店員さんは、穏やかな笑みを浮かべながら、そうやってまっすぐ、私に聞いてきた。 「…………。」 改めて聞かれると、こちらも(なんでだろう?)と考え込んでしまった。そして、ハッとした。 近所のUNIQLO。 試着室で、チノパンの裾上げをしてもらうため マチ針を打ってもらっていた。 私は超絶足が短い。祖父からの隔世遺伝ってやつか? つくづく要らぬものを受け継いでしまったものだと思う。 若いころ

E133: 良かれと思って…

私が中堅として、やっと仕事に慣れた頃、 そのチームの主任に石井(仮名)さんという女性がいた。 この石井さん ベテランですごく仕事も出来るのに 何かの発表やプレゼン前は、自信なさげに 「どうしよう、どうしよう」 「うまく出来るかしら私」 と、いつもあたふたしているような人だった。 いつものことなので、みんなニコニコしながら 聞き流している。 ところが、その中に1人だけ それを真に受けた人がいた。 その年の4月、院の修士課程を修め、 自信満々に(=私にはそのように見えた)

E132: モテ期ってなんすか?

今日で47日目ということは、あと19日ということなんですけど、ありがたいことにまだネタ切れ症状は起こしておりません。 ただ、毎日毎日noteのことを考えています。 今日ソレ書こうかな? 明日コレ書こうかな?  明後日アレ書こうかな? 今日もある病院で、そんなことばかり考えていました。 そうすると、別の病院から電話がかかってきました。 後でかけ直すと 「源太さん、今日ウチの診察予約ですが、どうかされましたか?」 ぎゃああー!すみません! 完全に日程間違えてました…。