もう一つ「涙の中の百閒さん」
『装画を描くコンペティションvol.22』に応募した4点のうちの1つ、『ノラや』(内田百閒)の装画は、↓こういうイラストレーションでした。
ラフは、↓こんな感じで。
一番最初に思いついた姿は一番上のモノ。
もうちょっとちゃんと描いた方がいいかな?と思い右下のようにも描きましたが、滑稽さが無くなるように感じたので、一番上のモノを若干肉付けしたくらいのモノで描くことに。
初めから「涙の中」にいる百閒さんを思いついたのだけど、本当にこれでいいのか他に構図は無いのかなあと思い、襖を描いてみて部屋の中で、あるいは縁側でとかも、想像してみました。
一部ガラス戸という事にして、夜の庭に「猫影」があったらどうだろう?とも考え、ちょっとこの青色が気に入ったというのもあり粘ってみたけれど、やっぱり「居眠りしてる人」になってしまい・・・。
↓これが最終ラフ。
シンプルイズベスト(な場合もあるかもしれない)。
これを描いていたころは「色収差」(波長のズレ)で生まれる、「画面の光」を表したイラストレーションに興味が沸々としていて。
アニメのイラストレーションでこういう効果を上手く使っているカッコイイ作品をよく見かけるので、今をトキメクアニメーターさんの作品もたくさん見て(到底真似できるレベルでは無いんですけど…泣)、どうするとそうなるのかテストしてから本描きを始めました。
大きくないイラストレーションなので、よく見ないと分からないかもしれない事なんですけど、私としては、やってみたかった事ができたイラストレーションなので、気に入っております~。
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