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一句鑑賞~noteの森から~

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noteを通じて出会った句の中から、心に留まった句を鑑賞しました。(不定期投稿)
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記事一覧

共鳴*開いた口塞がらなくて鯉幟

☆選評を書いてくださいました皆様、ありがとうございました。 (岡田 耕)

岡田耕
2週間前
150

鑑賞*春日傘閉づるが如く節子逝く

岡田 風呂釜 作者は平成二十六年没。 掲句は、平成七年俳人協会全国俳句大会入賞句。 俳人野…

岡田耕
1か月前
127

鑑賞*「花ふぶき」菓銘に父の三回忌

黒川 六文子 大正七年生まれ。五百年の伝統のある菓子屋「虎屋」十六代店主黒川光朝。六文子…

岡田耕
1か月前
130

鑑賞*しばらくは人の高さを石鹸玉

隣安  2024年3月20日発行「句具ネプリVol.14春分」所収。 古代ローマの諺 homo bulla「人間…

岡田耕
2か月前
125

鑑賞*春愁の顔拭くふかふかのタオル

瀬戸優理子 さっぽろ俳句倶楽部「あわゆき通信」第5号所収。 漫画『ピーナッツ』のライナス…

岡田耕
2か月前
128

鑑賞*匂ひなき世界にひとり春の風邪

島田由加 noteより 鼻声でマスクをしている。 それだけで、私と世の中との間に隔たりがある…

岡田耕
2か月前
146

鑑賞*全員の柏手そろふ淑気かな

十猪 2024年1月1日発行「句具ネプリVol.13 新年」所収。 神社の玉串奉奠。 総拝と呼ばれる方式なら、二礼二拍手一礼などを参列者が全員で行う。 静謐で冷たい空気が張りつめた中での神事。 玉串が捧げられ、全員の拍手が拝殿に大きく響く。 新年の瑞相に満ちた空気に改まった。 (岡田 耕)

鑑賞*声ばかり大きく響き秋の暮れ

和泉名月子 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収。 子供の頃の放課後は、近所の…

岡田耕
7か月前
148

鑑賞*裏山の裏に山あり月見酒

いその松茸 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収。 暗くなる前に芒を刈って来て…

岡田耕
8か月前
135

鑑賞*秋高し子キリン首を重さうに

伊藤映雪 2023年9月23日発行「句具ネプリVol.11 秋分」所収 キリンは生まれてすぐに立ち上が…

岡田耕
8か月前
121

鑑賞*うなぎ屋のうの字だらりと灼けゐたり

釈求真 2023年6月23日発行「句具ネプリVol.10 夏至」所収 うなぎ屋の暖簾や看板の「うなぎ」…

岡田耕
10か月前
157

鑑賞*合宿の同じかをりの洗ひ髪

鈴木沙恵子 2023年6月23日発行「句具ネプリVol.10 夏至」所収 合宿の意義は、練習成果だけで…

岡田耕
10か月前
139

鑑賞*清流の音どっと来て夏の宿

チズ (noteより) 部屋の窓を開けたら、目には豊かな清流が飛び込んでくる。 と、思ってい…

岡田耕
11か月前
144

鑑賞*花のやや疲れてゐたる花御堂

あんこ/Akiko Kashiwayanagi 「炎環」「豆の木」所属。句集『揮発』『柔き棘』。 仏様のこころを持つということは、一つには生きていこうとする力、 二つ目は耐え忍ぶ力、三つ目は人のことを思いやる力、というお話を聞きました。 お釈迦様の誕生を祝う花たちも、仏様のこころを持つ生きもののよう。 (岡田 耕) 写真/岡田 耕