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Pmconf 2019 11/13 まとめ

以下、敬称略
ただのメモ

変化の激しいプロジェクトを成功に導くには -会議ドリブンなプロジェクトマネジメントメソッド. 定金 基

1. 無駄な会議が多いのはなぜか?
* プロジェクトベースで流動的に働くことが増えた
* トライアンドエラーのアジャイル型が増えた

どのような会議が必要となるのか
* 大きな変化があることを前提にし、リノベーションの場にする。残すものは残し、変えるものは変えるものに変える
* 変化を捉えやすく、参加もしやすくなる定例会議を開催し、環境や情勢の定点観測の機会ととらえる
* タスクの結果から導かれた課題・アジェンダを議論する
どのように会議を運用すべきなのか
* メンバー全員でアジェンダづくりに取り組み、課題を抽出して可視化する
タスク->アクション->課題の抽出->アジェンダ
* 持ち帰って検討しますは厳禁。会議でタスク化する

2.Project Sprint の考え方

Project Sprintの理論
定例会議を起点として
* 前回の会議からの活動報告
* プロジェクト全体の方向性調整
* 次回の会議までの活動予定
を議論しアクションを必ず決定する

3.Project Sprintにおける会議運用

具体的な進め方
マイルストーンはプロジェクトの設計になっているもの
プロジェクトがどういう状態になりたいのかをマイルストーンマップを元に常に意識しながら議論する

マイルストーンマップ
進捗を見ながらどんどん調整していく
* チームメンバーが常に意識する
* 最新情報に常に更新する
ことを会議でどんどんやる
プロジェクトのマイルストーンマップの引き方
* 現状とあるべき姿を設定
* だいたいのマイルストーンを引く
* 具体的なマイルストーンの期間・ゴールを設定する
* 6週間あればmtgも6回など、mtgの内容を想像しながら設計する。(インセプションデッキの考え方と同じ)

会議の環境整理
スプリントマスター: 全体の違和感を把握する
モニターが2台あると会議がとてもスムーズに進む
プロジェクトマネジメントに必要な心構え
合意や説得はあまり役に立たない。
反対だけどコミットする、という考え方。わかんないからやってみよう、という状態を作る。

会議を活用することでプロジェクトを推進できる!

太平洋をまたいで手を繋ごう: 日本におけるグローバルプロダクト開発. Brad Ellis

1. You are not the user
2. Diverse teams are powerful
3. Learning from Japan

1.You are not the user
海外のニュアンスはもちろんある。
現地で生まれているとしても、日本にいるとわからないので、ちょくちょく現地に向かう。
現地でのユーザーインタビューを繰り替えす。
違う視点を尊重しながら開発する。

2.Diverse teams are powerful
様々な文化背景のメンバーをお互いが補完し合い、主張できる文化を作る。
多様性を大切にする。

海のむこうのチームと働く場合のTips and tricks
1. 議事録をシェアする
粒度の小さなことも、決まったことは議事録にまとめて共有してもらう
2. 期待を明確にする
日本のコンテキストを知らない人に対し、何を期待しているのかを明確にする
3. よい意味の「根回し」->Internal PR
今自分のチームが何をしているのかをアピールし、透明性を担保する

3.Learning from Japan
日本の問題はいずれ海外でも起きる。
日本は特にユニバーサルデザインが盛んな印象。
日本で発想したものを海外に展開して欲しい。

A day in the life of Silicon Valley PM. 曽根原 春樹

USにある Product School Silicon Valley でも活動している
シリコンバレーの会社はイノベーションが上手。PdMが伸び伸び働けるから

■シリコンバレーのPMの頭の中

日本では、打席に立った回数が大事という。シリコンバレーではこの考え方は通用しない。
Hits per bat: イチ施策であたりが出る確率
Bats per home run: イチ大当たりが出るのに必要な施策の数(と質)
Think big(大きく考えているのか?)
シリコンバレーでは、出そうとしている施策が大きなコンテキストで考えられているかが重要
**Strongly Beleve. Weakly Held. **
強く信じる。でもこだわりすぎない。
こだわりから恐怖が生まれる。自分が作った仮説に拘らなければよい。

■イチ大当たりを出すための質と量のこだわり

何事もデータドリブン。これはPMにとってマストのスキル。
Truthseeking: 真実はどこに?
誰が言ったかではなく、その人が伝えた事実は何か?
それはPMが聞くべきことなのか?
Organized skepticism & Healthy debate(リスペクトある批判)
Don’t take it personally!(人格を否定していない)
直感は使うが頼りすぎない
徹底した透明性
KPIを追えているかをグラフで常にみんなに見せる
大きすぎるなら分ける
Divide & Conquer
プライオリティー付けと説明責任
Trust & Verify(PMの自由・任せて定期的に確認する勇気) か Command & Control(軍隊・命令)か?
これでPMのスキルがわかる
人は城・人は石垣
SVの人材市場は多様で大きいが、玉石混交
SVは日本と需要のケタが異なる。供給はもっと多い。
Hire slow, Fire fast: 採用には時間をかける。ダメならすぐ切る。
Growth mindset: 自分が経験したことないエリアに行っても自分で学んで進められるか
Cultural Fit
失敗はつきもの
終わりを意味していない。次のチャレンジのはじまり。
鍵は上手に失敗すること
上手に失敗するのも大事なPMスキル
上手に失敗する方法
Backward Casting
この施策が「既に」成功していたとしたら、何が成功要因か?
その中の1番ピンはどれか?
未来の視点から、成功について考える
Premortem
Postmortem -> 何か悪いことが起こってしまったあとの振り返り
Premortem -> この施策が失敗するとしたら何が原因になるか?
未来の視点から、失敗した時になにが良いか考える
まとめ
* Go big or Go home: 大きくチャレンジできなかったら家帰れ
* データは友達(Consumer scienceに慣れよう): これはキモ
* 事実は何かを常に問う姿勢を保つ。相手がランクの上の人間だろうと、おかしいことを言っていたら問う
* 学びがいがある失敗をするためにも賢く挑戦すべし。賢く挑戦して賢く失敗する

DXにおけるプロダクトマネジメント. 伊東 武 重森 泰平 成迫 剛志

1.各社のDXの取り組みにおけるプロダクトマネージャーの役割
伊東: 新しいものを作り出していくのがPMの仕事
重森: PMの役割は、顧客視点+ビジネス視点でいること。自律的チームを率いること。上も下も横も「マネジメント」すること。POの役割は、PMが活躍できる組織にすること。組織改革をプロトタイプすること。
成迫: PdMがいない。今までお客様と面している人がPdMとなるべき、という考え方。チームが1つのスタートアップ企業だと思っている。
~~
どの企業も、組織を作ることから開始している。
2.DXにおけるプロダクトマネージャーの課題(苦悩)と可能性
伊東: ホールディングスがあり、事業を行う会社は別にある。デジタルプロダクトができた場合、最終的にどこかへ渡さなければならない。
重森: 紙に最適化されたすべての働き方からデジタルに置き換わる。まだまだ稼いでいる事業を変換していくのは社内のリソース争いになったりする。PdMは相当新しいビジョンを描き、会社全体を動かすタフな一面を担う必要がある。ただ、それが楽しい。
成迫: プロダクトマネジメント経験のない人材がPdMをやっている。学んでできるわけでもないので苦悩している。大企業ならではのPdMに権限委譲していると言っておきながらステークホルダーがうるさいことがあり、外圧で変えるしかないのか?と思っている。
Q. 経営者に内製化を決断させる殺し文句は?
A. 重森: 3つある
1. これから技術がコアコンピタンスになるのに技術が外製になるのはどうなのだろうか?
2. このあと勝負が分かれるのは数年間であり、メンバーのキャリアを考えている間に会社が潰れる。
3. 10人採れば変わる。
Q. DXを実践するにあたり、夢見る経営者と現場のギャップを埋める役割をどこまでPdMがもつか?
A. 成迫: 経営者は夢見てるのかすらわからない。現場がやってみせてアピールしないとギャップは埋まらない。会社全体を変えようと思う必要はない。
Q. DXの推進度合いをどのように測っている?
A. 伊東: デジタルプロダクトがどこまで行ったかなどの項目を設定し、自分達の自己申告で見たりしている。
成迫: DXに終わりはない。推進度は測れないものだと思う。
最後に伝えたいこと
伊東: 内製化が進んでいない。これからどんどん進めたい。DXやりたい人はうちに来てね。
重森: スタートアップや小さな会社と大企業では異なるところもあると思うが、ぜひ来てね。
成迫: デジタルで移動サービスに興味がある人がいたら門を叩いてね。

ともに考え、ともにつくる. 市谷 聡啓

▼正しいものを正しくつくる、にも記載ありの内容
「わからないことを、わかるようにする」戦略
* わからないからこそ、選択肢を広くもつ
* 最もわかるのは想像ではなく現実に直面した時
* わかるに使う距離(時間、予算)を段階的に
使えるソフトウェアで現実を知るのがよいが、時間と予算がかかりすぎる

不確実性への適応とは、選択を最適化するために「学習と意思決定の反復化かつ段階化」を目指すこと

POの視座をプロダクトの上限(ボトルネック)にしない。POの民主化
POの視座、視野からチームの視座、視野へ。チームに関わっていく人たちの目線を生かそう。

ただ発散ばかりにならないように、仮説と検証を中心において、プロダクトの基準をする。自分達が理解したことをアウトプットして、選択をする。よって、仮説検証をチームでやる。

プロダクトづくりに多様性を取り込んだ次は
多様性×機動性
多様性によって広がる選択に最大限適応していく

チームの機動性を高める手段が4つ。以下の画像の内容。

面白いプロダクトの作り方と魅せ方. 島澤 甲

PdMになりたいのなら、「顧客・社員が面白い!ワクワクする!と感じる」を判断軸にしてみよう、そうすると成長する。

人は理性ではなく感情で動く。感性や熱量はごまかしきれない。そこで、私たちの基本戦略は「ユニーク戦略」
ユニークの考え方は重要。自社と関係がない離れた市場でなく、自社のユニーク性の強みを認識して、それを活かすようにする。強みにフォーカスして伸ばす。
まずは自分達の強みを分析することが重要。

ユニークな機能を作ることは1要素。顧客にユニークだと思わせて初めて真のユニークな製品となる。魅せ方が本当に重要。
魅せ方を工夫すると、プロダクトのブランディングが一気に進んだ。

プロダクトマネージャーは大変だが、ワクワクすることをやる!魅せる!を意識して楽しむのが成功への近道かもしれない

顧客要望と情熱の間 -B2B SaaS のプロダクトマネジメント-  原口 琢磨

MDMの開発をしている企業。サブスクリプションビジネス

製品にどんな機能をアドするかは全員で提案する。
製品企画会議を週1やり、誰もが提案。その場で意思決定。(インスパイアド参考)
いいところ:
* 全員が製品の未来に直接関われること。プロダクト愛を育めること。
* 早く結論が出る
* PMによる部門間の調整作業が減る
* 会社の意思決定がダイレクトに従業員へ伝わる
課題:
* 調査中フェーズや見積もりフェーズで企画が止まる。開発が回らない。
* 提案が通ったのに、いつ実現されるかわからないストレス
対策:
* 四半期に1回優先度の見直しをする

エンタープライズにおける顕著な課題
* 顧客要望と情熱(こうしたいという思い)のあいだ
* ビジネス目線とプロダクト目線での葛藤
* 顧客要望のボリュームはエンジニアリソースを超える

顧客要望とは
* 要件である
* 営業は新規顧客からとってくるし、サポートは既存顧客からとってくる

情熱とは
* プロダクトのあるべき姿/方向性に強く執着すること
* 新たな価値の創出

解決フレームワークはまだない。

Rebuild the Industry 〜産業の半自動化を実現するプロダクト開発手法〜  水島 壮太

ラクスル CPOの役割
1. 全事業のプロダクトビジョンの結晶化/テクノロジードライバーの特定
2. プロダクト開発の型化(過剰開発投資リスク軽減、成功確率UP)
3. PdM人財の組織ビルディング(ブランディング、採用、育成、リテンション)
 みんなのスキルセットが異なる
1.なぜ半自動化に着目すべきなのか
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」
レガシーな産業をプラットフォーム化して、プライステーブルを透明化し、デジタル技術でマーケティングする。
製販分離のためのプロダクト開発をしており、必ずしもEC開発とは限らない。(製造管理のSaasをやったりしている)
実は製販分離だけではビジネスが厳しいことが2年くらいでわかってきた
物理的な供給力は確保できるが、介在する属人的オペレーションが事業スケールを困難にする。神業オペレーションや、個別見積もりの対応など。。。

売り上げを10倍にするには人が10倍必要です!を解決する必要が生まれた

2.半自動化の事例とパターン
半自動化の手法は大きく分けて2つ。
①神業bot化: 神業オペレーターの仕事を一部自動化する
②セルフサービス化: UXを徹底的に磨いてお客様自身で簡単な作業をしてもらう
▼両方以下を参考に
https://2018.pmconf.jp/assets/files/speakers-contents/pmconfjp2018_raksul.pdf
3.半自動化がもたらす顧客価値とは
自動化するより半自動化した方が最終的に顧客満足度は上がる。
安くて安心で便利、はリピート率があがる。
まとめ
1. どこを半自動化すべきか!?という課題設定でプロダクト開発するのも面白い
2. アジャイルに小さく試しながら神業bot化、セルフサービスをチューニングすべし
3. 半自動化は本質的な顧客価値を向上させリピート率を底上げすることができる

シリコンバレーPMのキャリアと働き方. 佐藤 真治 曽根原 春樹. モデレーター 馬場 隆明

1.プロダクト開発カルチャーの違いは?
曽根原: 会社によるが、日本の会社からは「この技術があるがどうだろう?」と聞かれる。プロダクトアウトで作ったところでユーザーに刺さらない。ユーザーの心を掴むかがポイントなので、技術スタートかユーザースタートかが重要。シリコンバレーはユーザーから。
佐藤: ITの世界はそれでも1番まとも。IT以外の製造などは、プロダクトのことは後回しで技術を売ろうと強く出てしまう。プロダクトではなくて、自分達の都合をお客様に売ろうとしている。
曽根原: こういった相談がきたら、売れないとバッサリ切る。あとでフォローはするが笑
佐藤: 日本の企業がこう動いてしまう仕組みがあると思う。会社のシステムに何か間違いがあるのだろう。それを直せばほっといても直っていく。カルチャーの違いはそこまでないと思う。強いて言えば、アメリカ人は数字で考えることが好き。日本人は感性で考えることが好き。
曽根原: それは同感。SQL使えないとダメ。面接で「どうSQL書きますか?」と聞かれる。PdMだったらどのKPIを立ててどう追う?と聞かれたりする。日本はデータを取得するカルチャーが弱い。データがないと、角度の高い判断ができない。データの解釈の仕方の部分はPdMのスキル。アナリストと一緒に動くこともあるが、基本的にはチームプレイ。
2.プロダクトマネージャー同士の交流や切磋琢磨のやり方は?
佐藤: 会社の中でトレーニングを提供することもある。会社の中でPdMに教育(コーチング)をする。お金と時間を投資する価値があると判断したら教育へも投資する。PdMの横のつながりは強く、セミナーやフォーラムがたくさんやっている。いろんな教育を受けることができる。決まったものには1ヶ月に数回行く。最近は、大きなオーガナイゼーションでOKRをエンジニアレベルまで通すやり方を教えてくれた。
曽根原: シリコンバレーの会社は卒業生たちの組織(アルマイ組織)が盛ん。そこで知見を集めることが多い。集まり自体は組織によるが、四半期に1回集まったり、年末パーティーしたりする。PdMは8名おり、mtgで意見交換を行っている。最近はデータ解析の手法について話した。
佐藤: トレーナーを呼ぶことは多い。PdMのマネージャーがいる。その人はコーチングができる。経験も豊富。
3.PMのキャリアパスは?
曽根原: 最近シリコンバレーで良く見るのは、PdMで成果を出した人がベンチャーキャピタルになること。PMからVCになるのは女性に多い。
佐藤: PdMの次はなんでもできる。PdMの本質は課題解決。毎日課題を解決している。その力があればキャリアくらいは解決できるはず笑
曽根原: なんでもできる。シリコンバレーの神PdMはメンタリングの世界に入り、個人になった。
佐藤: 本質的にプロダクトが好きな人なら会社を設立する。PdMは非常にハードワークなので、体力が持たずやめる人も多い。
曽根原: データドリブンな人をPdMに雇いたい。プロダクトセンスも必要。この箇所を改修したらこうなる・ユーザーはこうなる、など想像できる力。センスの良し悪しは「あなたが良く使っているモバイルアプリを3つ挙げ、その中でプロダクトを選んでください。そのプロダクトのPdMになった場合、どう改善しますか?」と聞かれる。「その改善とはどういう意味ですか?」と回答し、課題設定から始める人はセンスがいい。
佐藤: 観察力のある人。ものをいろんな角度から見ておかないと、反対側に落とし穴がある。観察がまず間違っていると、そのあとのアナリシスが意味ない
曽根原: 面接では改善案を出したあとに「このアイデアを批判しろ」と言われることがある。これがまさにプロダクトセンスの考え方。
4.旧態依然の古い文化の事業会社でPdMになろうともがくのは、時間の無駄か?
曽根原: PdMとして腕を上げたいなら、理解のある組織に行けばいい
佐藤: あなたの人生の時間は限られている
5.日本にはきていないシリコンバレーのPdMのトレンドはある?
曽根原: シリコンバレーではデザイン思考が当たり前なので、そんなこと改めて言わない。トレンドは得に思い浮かばない
6.シリコンバレーにいるPdMにエンジニア出身以外の人もいる?
佐藤: たくさんいる。3割4割はいる。
曽根原: 会社による。ビジネスサイド出身のPdMも多いし、AirbnbのPdMはデザイナー出身のPdMが多い。amazonはソフトウェア開発PdMも多い。
7.PdMの意識がまだ乏しい経営陣に理解してもらうためにはどうしたらいい?
曽根原: ちいさなチームを作って試し、結果を出すこと。
佐藤: 経営陣に味方を作ること。そして教育をすること。

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