岡桃代

短歌と、短歌以外のことの諸々。

岡桃代

短歌と、短歌以外のことの諸々。

最近の記事

親のこと

 「親ガチャ」という言葉を聞いた。ああ、そうか、そういう考え方ってあるのね、という感じ。私は決して親子関係はお世辞にもよかったとは言えないし、今も変わらないけれど、そんな親でも自分の親だからもう逃れられない。  父と母は二人で暮らしていたが、数年前母が骨折で入院をした。骨粗鬆症がすすみ、腰の骨が折れてしまったのだ。父は一人で年を越し、遠く離れた所に住む私にほぼ毎日電話をしてきた。きっと耐えられないのだろう、帰ることができないかわりに話だけでも聞いて相手をしよう、と1時間近く

    • 喧嘩、ストレスを減らす方法

      老齢の父と母は二人で生活している。ここのところお互いのコミュニケーションがうまく取れず、いらいらしているらしい。それは母の耳がかなり遠くなったこと、父も母もこれまでの「自分のやり方」を変えられないことなど要因はさまざまだが、それぞれの言い分を聞いていると、「男脳」「女脳」のぶつかり合いだんだなあと感じることが多い*。離れて住む私がなんとかならないかなあと考えて、「ほら、同じ会話でもこんなに変わるでしょ」というのを見せようとしたのだが、そもそも私自身はこれを本当にできているのか

      • 優秀なキカイ、賢い人

         具体的な社名を出すと問題があるので、そこは伏せるけれども、要はある会社の、、、かなり大きい、そして生活にかなり入り込んでいるモノを提供している、、、顧客対応に関するクレームです。  あるモノが、もう使えなくなるかも・・・というお知らせをもらい、バージョンを確認したら、数がすごく微妙で、今一つよくわからない。非対応の古いバーションは新しいのに買い換えないといけないというのだけれど・・・。バージョンの数字がそのモノを入れる機器の数字なのか、そのモノ自体の数字なのか。で、メー

        • 老いること

           実家の母が大きな病気を患い、ある病院に行くことになった。年老いてだいぶ耳も遠くなり、もともと話すスピードも遅い母は、自分よりも年上の父に付き添われて医師の診察を受けたが,そのときの様子を父が嘆く。  その医師は,決して母に向かって話そうとしない。  ごく普通の声とスピードで父と母のほうを向いて話すのを、看護士さんが通訳のように間に入り、母の耳元で大きな声で言う。父も言う。父は年齢の割にしっかりしていて、とはいえ頑固なところはあるけれども、ある趣味サークルの団体の責任者を

        親のこと

          「100日後に死ぬワニ」の違和感

          言うまでもなく,少し前にSNSで話題になり,注目を集めた作品。この作品そのものがどうこうということではなく,これほどまでに人気になったことに対する違和感がどうしてもぬぐえない。そのことについて書こうと思う。  最初にことわっておくが,これはあくまでも私個人の感覚であり,作品そのものに対する評価でもなければ,この作品が好きだという人への批判でもない。自分のなかにある,違和感の中身を分析しているにすぎない。  4コマ漫画の主人公のワニの日常を描いた作品。ただ普通と違うのはその

          「100日後に死ぬワニ」の違和感

          作中主体と作者のはなし

           短歌をはじめて3年が過ぎ,この春からなんと4年めに突入した。この文章は,1年前にあるところに出そうと思って書き始めたエッセイが長くなり過ぎて出さなかったものである。たまたま文書の整理をしていて見つけたのだけれど,今も思うところは変わっていないので今回おそるおそる出すことにした。  日頃短歌の話題に接していると,ときどき,短歌の私性について話題になることがある。  ぼくを癒やすきみの瞳の見る空は何色だろう ハーネスをひく  これは,「うたの日」(http://utanoh

          作中主体と作者のはなし