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ICF認定資格試験サンプル問題8 - SolutionsAcademy動画解説

こんにちは。ライフコーチのタクです。

早いもので、こちらのシリーズも本記事で最終回となります。ICF認定資格試験に向けての自分の学びを計画的に進めるために始めたシリーズでしたが、バタバタしているうちにもう本番は今週中に迫っています。noteで一緒に学んでくださっている方々、ここまで付き合ってくださりありがとうございました。自分のためという目的も強いシリーズでしたが、みなさんの反応が非常に心強かったです。

さて、SolutionsAcademyの動画によるICF認定資格試験対策、8個目をみていきましょう。

あくまで英語で発信されている内容をそのまま日本語で読めるようにしていくというコンセプトで、わかりやすさのための最低限の手直しだけをして、公平に、透明に、お届けしていきます。

題材にするのは、MCC, PCCコーチからなり、 2018年より累計1000人以上のICF資格申請のサポートを行ってきた実績のあるSolutionsAcademyという団体による動画です。こちらの動画シリーズです。

試験やサンプル問題について詳しくは、1回目の記事をご覧ください。
それでは、早速いってみましょう。


サンプル問題Q8

サンプル問題の8問目について、動画の内容をもとに考え方、解き方を解説していきます。

ICFのサンプル問題8個ありますが、動画では、それぞれがコンピテンシーの8項目にそれぞれ対応していると述べています。というわけで、以下にサンプル問題の拙訳と、8つ目のコンピテンシーを提示します。

サンプル問題8

コーチはクライアントと1年間伴走しました。クライアントは、仕事の質が高く、同僚と良好な関係を築いており、将来のプロジェクトに向けた革新的なアイデアを出していることを認められ、上司によって組織の次世代のリーダーとして認定されました。しかし、クライアントは上層のリーダーとの会議で発言することはめったになく、発言したとしても自分のアイデアを軽視したり軽んじることがよくあります。クライアントの上司は、組織内のリーダーとして成長することを最終目標として、クライアントの経営陣としての存在感を高めるためにコーチングを推奨しました。コーチングの開始当初、クライアントはしばしば自己批判的でした。しかし、クライアントはここ数カ月で大きな進歩を遂げました。完了セッション中に、コーチはクライアントが自信に満ちた穏やかな笑顔を浮かべていることに気づきました。コーチが自分の観察をクライアントに共有すると、クライアントは「今までとは違う気がして、力が湧いてきて、新しい挑戦をする準備ができていると感じます。」と答えます。クライアントはさらに、「そして私はちょうど CEO から、当社の新進リーダー向けのリーダーシップ開発プログラムの一員に指名されたところです!」と付け加えました。コーチは何をすべきでしょうか?

選択肢
1. 過去 1 年間でクライアントが自信を深めたことを認め、リーダーシップ開発プログラムへの参加をどのように祝うつもりかを共有するようクライアントに促す。
2. クライアントに、次に挑戦したい課題を見つけるよう促す。
3. 新しい自信を維持するために何が必要かをクライアントに尋ねる。
4. 指導的な役割に昇進するという新しい目標に向けて、コーチングの取り組みを延長するようクライアントに提案する。

ICFより(筆者訳)

コンピテンシー8

08.クライアントの成長を促進する
定義:学びと洞察を行動に変容させるためにクライアントと協力し合っている。コーチングの過程の中で、クライアントの自律性を促進している

1. 新しい気づき、洞察、あるいは学びをクライアントの持つ世界観と行動に統合するためクライアントと協働している
2. 新しい学びを統合し、広げるような目標、行動、説明責任の尺度を創り上げるために、クライアントと協力し合っている
3. 目標、行動、説明責任の方法を創り上げる中で、クライアントの自律性を承認し、支援している
4. 様々な行動の中から得られそうな結果や学びを見極めることで、クライアントを支援している
5. どうやって前進するのかを、使える情報、支援、障壁の可能性なども含めて、クライアントが考えるようにいざなっている
6. セッション中やセッション間の学びや洞察を要約するために、クライアントと協力し合っている
7. クライアントの成長と成功を祝福している
8. クライアントと協力して、セッションを終了している

ICF Japanより

動画では、8-4に着目し、クライアントが行動の中から得られそうな結果や学びを見極めることを、コーチが支援するというパートナーシップが重要であると強調しています。また、全体的にはこのコンピテンシーから、クライアントとの協力関係(パートナーシップ)、クライアントの自主性を承認することが大切であると述べています。これを踏まえて、早速選択肢を見ていきましょう。

解き方と解答

いつものように、選択肢の中から、良さそうな選択肢と悪そうな選択肢を二つずつに分け、その上で最善と最悪を決めていく解き方で取り組んでみてください。

この先を読むと解答がわかるので、まずは自分で解いてみたい場合は、以下を読み進める前に、ご自身で最善の選択肢、最悪の選択肢を選んでみてください。


ここからは解答の解説です。それぞれの選択肢と、最善・最悪の行動について、動画の解説を見てみましょう。

1番は、自主性を促し、パートナー関係の感じられる祝福をしています。クライアントの自主性を承認し支援するというコンピテンシー8の記述に当てはまりますので、こちらが最善の選択肢になります。

2番は、祝福していませんし、承認も見受けられません。

3番は8-5「5. どうやって前進するのかを、使える情報、支援、障壁の可能性なども含めて、クライアントが考えるようにいざなっている」に当てはまる行動かもしれません。

4番は、「提案する(suggest)」という時点でコーチングらしくありません。コーチングの取り組みを延長するというのは利益相反にあたりますし、コーチがその目標を設定しているのもコーチングでは起きないことです。倫理規定にも違反し、コーチングでもなく、透明性もない。明らかに、こちらが最悪の選択肢です。

みなさんは正解できましたか?腑に落ちない部分などは、ぜひ周りのコーチ仲間と話し合ってみてください。

というわけで、今回のnoteでは、サンプル問題8についてSolutionsAcademyの動画の内容をまとめました。

おわりに

ここからはまとめてみた感想や個人的な考えを述べていきます。

ここまで8問のサンプル問題を見てきました。コンピテンシーを中心に問題を見てきましたが、今回の問題では倫理規定への言及も見られました(コーチングにおける利益相反については、倫理基準1節に記されています)。ICF認定資格試験ではコンピテンシーだけでなく、倫理規定についての知識も問われることになるので、もし不安な方は以下のリンクから倫理規定を確認しておきましょう。

ICF Japan倫理規定
ICF 倫理規定解説ビデオシリーズ

今回は、動画の中で"suggest"という単語がコーチングらしくないという言及がありました。このように選択肢に出ている表現によって正解に傾向があるのか?という観点に関してコーチ仲間と話していたことがあるのですが、結論としては、使われる語彙だけでの100%の判断は難しいと思います。シナリオによって最善、最悪の回答が変わってくることも多いにあるようですし、やはり倫理規定とコンピテンシーをもとに、シナリオに応じた判断が求められるテストだと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございます!合格した暁には、私がやって効果があったと思われる勉強方法やリソースをシェアする記事も書いてみたいと思っています。

ちなみに、今回話題にあがったコンピテンシー8の解説動画がとても素晴らしかったので、私のまとめnoteも一緒に、ぜひ見てみてください。コーチとしてきっと発見があると思います。

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*あくまで個人的な活動のため、お気づきの点、ご指摘などありましたらお知らせください。

それでは、また次の投稿でお会いしましょう~!🙌


今回登場したコア・コンピテンシーの解説noteはこちら:

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます!
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングはこちら! 現在継続は若干空きがあります。
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd


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