当記事は、以下の傍聴記事の続きの傍聴記となりますので、内容のご理解のためにまずお読みいただけると幸いです。
これだけあると大変ですが、一度読んでくださった方も証言の整合性などで新たな発見があるかも?
↓①暴力を受けたとされるCAさんの証人尋問
↓②その他のCAさんや航空会社の関係者の証人尋問
↓③被告人質問(弁護側)、被告人の奥さん、父親の証人尋問
↓④被告人質問(弁護側)
さて、今回の予定は検察官による被告人質問。
前回、前々回の弁護側の被告人質問では、自身の考えの正当性や自身も被害者的ポジションであることを主張してきた被告人。ただ、弁護側からの質問は、ある程度シナリオを作ることが可能。
検察官からの質問に対してどう答えられるかが、被告人にとって正念場なのです。被告人は自己弁護するのが当然ということで、証人と違って嘘をつかないという宣誓書は読まされませんが、非合理な弁解であるならば信用性に足らないと判断されてしまうので、裁判の本当の山場と言っていいでしょう。
という訳で、双方からのヒートアップ必至ということで、
今回もお手数ですが以下の点をご留意の上、お読みいただけると幸いです。
第10回公判概要
今回も公判開始の10分前くらいから法廷で待機していたのですが、法廷内の様子がいつもと違う。
今までは、①証言台を囲うように、そして②被告人と弁護人の間に飛沫防止のパーテーションが置いてあったのが、今回は置いていない。まぁ弁護士-被告人間はともかく、証言台と各関係者の間なんて、結構離れているし問題ないよねー、くらいに思っていました。
すると開廷の5分くらい前に、職員さんからお話が。
本日の公判に先立って、法廷のテレビ撮影がありますと。よく判決の速報などで使われるの、みんなが微動だにしないやつね。裁判官が着席してから2分間撮影をするので、写りたくない人は一時的に出て行っていいですよと。
裁判官が入廷して、全員起立と着席。被告人はまだ来ていませんが撮影が始まります。この手の撮影時に被告人がいるケースはまず無いですよね。きっと、これも何かしらのルールなんでしょうね。
1分や残り30秒とカウントされる中、そういえばこの生活になってこの撮影初めてだな、この前に撮影されたのいつだっけなと思っているうちに撮影終了。さぁ、被告人が入ってきて、公判スタートかと思ったら、
撮影後、結局、飛沫防止のパーテーションが設置されました。撮影用に取り外していただけのようです。あのパーテーションで、裁判官や手前の書記官の方の顔が、うにょーんってなるのを避ける目的だったんですかね。
そんなこんなで被告人、入廷。いつも通り、入廷時にお辞儀をしています。
確か、今までは白シャツだったと思うんですが、今日は青のワイシャツ。気合の表れとみたいですが、背中を見るとガッツリ汗かいていました。色付きワイシャツはこれに気をつけなきゃいけんのよなぁ…。
さて、検察官からの質問にもう少しだけ。
弁護人からの証拠の請求がありました。
まずは、前回採用されたものの、動画が上手く採用されなかった、
降機した際に録音されていた動画(傍聴席には音声のみ)が流されました
音声上は確かに叩かれたといっていますね。
・捻ってさらに叩かれた
・叩かれただけ
・言葉では叩かれたと言ってるけど捻られた
・どれでもないのか
最終的にどのように判断されるかは、傷害の認定に関わるとこだと思うので、大変気になるところです。
それでは、お待たせいたしました被告人質問です。
被告人質問(検察官より 1/4 )-冒頭から荒れるピーチ事件-
まず前提というか印象論になってしまうのですが、やはり弁護人からの質問と違って、「いや」とか「あのぉ」とかが多くなり、戸惑っている様子は多く見受けられました。よっぽどのものでないと、メモに残していませんが。
文字起こし上、スラスラと喋っているように見えるかもですが、そのような前提をお踏まえください。まぁ放送事故レベルで戸惑うということはなかったともフォローしておきます。
開幕から揉めています。検察官からのお願いに関しても承った上で「No」って趣旨なんだな。さすがです。
冗談はさておき、やはり端的に答えられるものは答えて欲しいのです。時間が限られているから、答えが短ければその分質問の数が増えるかもですし、長々と回答していて本筋とずれちゃって余計に時間がかかっちゃうということも避けられます。
とは言え、当然ニュアンスを伝えたいこともあるでしょうから、端的にというのに従い過ぎるのも難しいという主張もわかります。
ひろゆき教か。
十分に訓練されてるであろうCAさんが、聞こうとしなかったという主張の苦しさはともかく、でもまぁ本当にそうだったとしよう。
でも、この人の場合、どうして聞きいれてもらえないのかというところに、思考が及んでないのか、そんなつもりはないのかわからないけど、全ての件を通じてそこに至っていないという印象。そこだけでも改善したら、印象はだいぶ変わったと思うのに。
実際の機内の雰囲気は抜きにして、差別や偏見があってはいけないという主張単体はわかる。これによってご苦労された方もいらっしゃるのでしょう。そして、それを一大人として促すというか考えさせるというのもわかる。
でも、それを質問書にまで起こして、どうだったのか気になるのは僕はわからない。それ、ちゃんと確認してなかったら怒る人のすることじゃん。
今回、(不明瞭)って箇所が多くてすみませんね。双方、冷静を保ちながらヒートアップしてるから、結構早口で追いかけるの大変でして。
ちなみに、飛沫ってスーパーコンピュータじゃなくたって、見えるんじゃないですか。5μm(マイクロメートル)=0.005mm以上ってことなんで、もちろん全部は見えることはないでしょうけど、デカいのはあるでしょ。5μm以下の飛沫核は見えないだろうけど。
でも、この辺り詳しくないので、間違っていたら訂正するので、ご指摘願います。
大の大人が、これはシワだ、シワじゃないってのは、なかなかに面白いですが、機内で自分はあくまで冷静を貫いたという主張であれば、そのシワの発生経緯は確かにしたいところですね。
まぁ正直、旅行用のカバンで煩雑にものがあったから、そこに揉まれてとかでも通った気はするけど。
ピーチ絡みはいったんここまで。
この辺りから、「お話しいたしません」、「お答えいたしません」というのが増えてきます。どうしても黙秘というのは、自分に不都合があるときにと思ってしまいますが、裁判において黙秘したことによって、被告人に不利益は生じないとされています。
それはそれとして、前回も思いましたけど、机を戻すように言われて、書いたらすぐに戻すんでという発想もなかなか。ホントにあと数秒ってことなのかもしれませんが、それをおくびにも出さずここでも言えるというのは本当に悪いことと思っていないのかな。
高校のとき、チャイムが鳴って先生が「携帯しまえ〜」って言ってんのに休み時間でのゲームがいいところだからちょっと待ってとかいう理論を展開し、取り上げられそうになったらマジギレしたクラスメートを思い出しました。同じ括りで語るなと言われるかもですが、僕の中では同じです。彼の名前なんだったけかなぁ...。
被告人質問(検察官より 2/4 )-捜索差押での2台目のiPadについて-
ここからは自宅の捜索差押時の確認となります。前回の弁護側質問での回答などと照らし合わせながら、合理的なのはどちらか頭に浮かべてください。
なるほどなぁ、iPadの2台の押収というのはそういう趣旨だったんですね。個人的にかなり合点がいきました。
池に古いiPadと新しいiPadを落として、古いiPadを差しだそうとしたから、警察に足を踏まれたのかと思いましたが(思考力ゼロ)、これは押収対象としたのも納得がいきます。
これは答えないから被告人に不利というのでなく、合理的なジャッジが裁判官に委ねられた時点で被告人には不利になった気がする。
被告人の答えがコピペで済むことが増えてきたので、僕としては助かるんですが、決して手抜きではないということをご理解くださいませ。
正直、本日の回は、全てこういった回答になる恐れすらも危惧していました。よくもったなとは思いますが、ここらで恐れていた事態に。
先ほども言った通り、コピペで楽しているのでなく、スイッチが入ると同じ言葉だけを繰り返すようになっちゃうんです。何度かやったら検察も諦めて話題を変えます。
やたら、被告人は「あなたの評価」みたいな言い方するなぁと思ってたけど、ここで弁護人も「検察官の評価のもと」って言ってるから、さては弁護人の入れ知恵だな。
ドラマなどのように、「異議あり!」と言って、何か立場が逆転するような場面ではありませんが、きちんと質問の趣旨を先回りして止めようとする姿というのは静かな緊張感があります。
この裁判に限らずですけど、異議を出されてさらっと質問を変えることがあるんですが、本人もギリギリのラインでやってんなという意思の表れみたいで、やはり相手としては気を抜くようなタイミングはないのでしょう。
う~ん、膠着してきたなと思っていたところで、ちょっと変わった展開に
いや、実に彼らしい。
21Aに謝罪させろと言ってない(主張)けど、謝らせた方がいいのではと自分事でなく相手事にする、休憩を取るのもキリがいいところだしと相手を慮ってるかのように自分事でなく相手事として言う。
今、流行りのSDGsでは世界のことを自分事として捉えようと聞いてはいましたが、自分事を相手事のように思わせることはなんという言葉が適切なのでしょう。こういう点については、被告人は証言と行動に整合性が取れてるんですけどね。
被告人質問(検察官より 3/4 )-館山事件とそのルートの検証-
前回、鋸山に興味を持った私。宣言した通り、すでに登山の日程は確定させているのですが、これが思いのほか遠かった。都心からでなく、館山から。
電車で49分の距離とのこと。かなり遠い。
さらに言ってしまえば、
こういう位置関係なんですよね。取手からわざわざ館山まで南下して、戻る形で鋸山へ行っている。取手から鋸山へ南下するまでは同じ千葉県でも、船橋、千葉、木更津といった大きな都市を通っているのに。ここから何が言えるかというと、
そんな妄想はさておき、まぁただ昼を食べに行くという場としては不自然で、ここを明確に目当てにしていたのかと推測されます。一応、これが後に活きるといえば活きるので心の片隅にでも。
身長と体重を聞いたのは、店にいた人との体格を考えたときに、しっかり押さえなきゃいけないと思ったってことなのかな。
ネットに出回ってる動画では、「クズだ」云々についての検証されているようですが、冒頭に申し上げている通り、裁判内での情報のみ判断します。
ですが、「底辺だ」という意見が出ているのであれば、それは関係者が妄想で思いつくには不自然な気がするので本当なのかなと推測などもしてしまいます。
検察はこれ以上突っ込まなかったけど、何が聞きたかったのかな。また店に行って畏怖させようとしたってことなのかな。確かに、開放されたんだったら、当初の予定通り駅に戻ってハイキングすればいいのに(そんな気分になるかとケガは置いといて)、なんで逆に向かったんだろう。これについては追及されていないので、ここまでにしておきますが。
このあたりの細かい事実確認は、警察官の調書などをもとに穴を突くためなので、やっぱ事前資料がないとちょっと把握が難しい。
事前に知識を入れると偏っちゃうし、知識なしだと想像の補完が大変。傍聴って結構大変なんですよ、皆さん。
被告人質問(検察官より 4/4 )-被告人の体調等について-
さて、見出しの通りのことを聞いていくのですが、今まで通りあくまで主張としての話です。
そして、特に体調、健康的な部分については、下記の記載では裁判で起きた以上のことを書きませんが、読まれた上での取り扱いについては特に気をつけていただきたく思います。
そもそも行動の大元であった、ぜんそくの部分から切り崩しにかかった検察官。異議が入り、この点はこれ以上追求されませんでしたが、問題点の提示には十分であったかと。
実際の病気、病状のことなので、これは特に気を付けて書きますが、被告人は証言台で多少咳込むというか、言葉が変な詰まり方がしていたのは事実であると伝えます。それがその病気によるものか、なにか別なのかはわかりません。あと2回前から当たり前のように水も飲んでいます。
あともう一つ言うと、証人尋問に際して、笑みを浮かべていたのも、私の冷静なジャッジとしてそうだと書いておきます。
ゲラゲラと笑っていたとは言いませんし、「あなたの評価ですよね」と言われたらそうなんですが、スウェーデンでプレゼンを頑張ってきたっていうんなら、声の抑揚だけでなく表情も見られるんだから気を付けた方がいいぞとは返したいと思います。
うーん、でも奥さんが証人尋問でそうだって言っちゃってるもんなぁ。
さすがに、これを黙秘以外で被告人に有利な形で反論するのは難しいのかな。これで検察官がまさかの、マスパセのなりすましの全然関係ないのを見てたりしたら笑えるけど、そういうことでもないようだし。
まったく、、、誰でも彼でも噛みつくんですね、このアカウントは。
それにしても、「裁判・旅行マニア」ってまるで僕みたいですね。
・・・・・・(。-`ω-)
・・・・・・(。´・ω・)オレ?
俺じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!
正直、脳内こんな感じになりました。
と盛り上がったところなのですが、冒頭のルール通り、裁判外のTwitterなどでのやり取りについては、私事であっても控えますね。ネットを辿ったら恐らくヒットするのと、また来るべきが来たらお話しをすることもあると思います。
裁判確定まではこのスタンスで行かせてください。
これで検察官からの質問終了。
自分のことが取り上げられたので舞い上がっていましたが、館山食堂の味の言及をしたのが、この被告人の扱っているアカウントだとするならば、わざわざハイキング前に遠回りしてまで行った食堂で食べられなかった腹いせとしか思えないですね。
でもな、被告人よ、落ち込むな。上には上がいる。
何を隠そう、この僕は青森県のこんな僻地にうに丼を食べるためだけに行って、食べられずに帰ったという経験をしてるんだ。館山なんて近い近い。
さて検察官の質問は終わりましたが、弁護人からの最後に補充でちょっとだけ質問
最後に裁判官からの質問です。最終的に左陪席(傍聴席からは右)の方のみがしました。
これにて裁判官の質問は終了。
命令書を持ち帰った件だけど、今思えばだけど、今回このように起訴されていなかったら、どうするつもりだったんだろう。不正に降機させられたとして、その命令書をもとに何か行動するつもりだったのかな。まぁ払い戻しの話もあったっぽいし難しいと思うけど。
ここで双方から申請があって、かつ双方(検察にとっては弁護人、弁護人にとっては検察)が認めた証拠の取調べは終了。
証拠採用に不同意があった証拠について、継続して採用を主張するか撤回するかなどのやりとりがありました。
検察官からは、公判前整理手続きのときには出せなかった、ツイッターのスクリーンショット2点とそれをもとにした検察官自らの証人尋問を新たに請求。
事前提出はできなかったのは、整理手続き後に投稿されたものなのでと説明があったものの、弁護人としては被告人本人が投稿したものか立証できないとして不同意、裁判所も却下しました。
これにて証拠調べ手続きは終了。
ここまで審議、取調べされたものをもとに、次回検察官からの論告と求刑、弁護側の最終弁論、そして被告人自らによる最終陳述が行われます。
これまでの会話体だと、いろいろ想像で補完できるのですが、次回は文書をひたすら読み上げられるだけなので、今まで通りの再現はほぼ難しいですとあらかじめ弱音を吐いておきますが、双方の主たる主張の軸は外さないよう頑張っていきたいと思います。
次回、その手続きがあって、問題がなければその次が判決となります。
この連載もあと2回(どういう結果になっても、どちらかが控訴しそうな気がするので、それなら続行しますが)、どうか最後までお付き合い願います。
最後に、いつものお願いです。
2時間メモを続け、それを文字起こしをするという作業に僕の手首はボロボロです。もし今後の執筆もお見守り頂けるという方がいらっしゃればバンテリンを購入する費用をご支援ください…。
下記の有料記事購入ボタンを押していただけると幸いです。
もちろん、この有料は全く強制するつもりもございませんので、ホント有志の方だけで結構です。
毎度のことですが、当記事の全責任は私に帰属いたします。
大人の人生交差点クラブ 普通