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ニュースで話題の裁判追いかけたら興奮しちゃった話(航空法違反、威力業務妨害など) 傍聴小景 #29-⑤

当記事は、以下の傍聴記事の続きの傍聴記となりますので、内容のご理解のためにまずお読みいただけると幸いです。
これだけあると大変ですが、一度読んでくださった方も証言の整合性などで新たな発見があるかも?

↓①暴力を受けたとされるCAさんの証人尋問

↓②その他のCAさんや航空会社の関係者の証人尋問

↓③被告人質問(弁護側)、被告人の奥さん、父親の証人尋問

↓④被告人質問(弁護側)


さて、今回の予定は検察官による被告人質問

前回、前々回の弁護側の被告人質問では、自身の考えの正当性や自身も被害者的ポジションであることを主張してきた被告人。ただ、弁護側からの質問は、ある程度シナリオを作ることが可能

検察官からの質問に対してどう答えられるかが、被告人にとって正念場なのです。被告人は自己弁護するのが当然ということで、証人と違って嘘をつかないという宣誓書は読まされませんが、非合理な弁解であるならば信用性に足らないと判断されてしまうので、裁判の本当の山場と言っていいでしょう。


という訳で、双方からのヒートアップ必至ということで、
今回もお手数ですが以下の点をご留意の上、お読みいただけると幸いです。


お読みいただくにあたって
【ここ非常に大事】
今回は検察側の立証の回です。今回だけで意見を固めるのでなく、過去の回など総合的に考慮してください。
・某有名事件を取り扱いますが、今までを踏襲し名前は出さず「被告人」と表現します
・裁判の完全再現は当然無理なので、紹介する内容は頭で要約や脳内補完している部分もあるのはご了承ください。特に今回、難しかった…8割5分ほどの再現度と思ってもらえると。
裁判所外、SNSで被告人はこう言ってたけど、みたいなのは考慮しません。あくまで裁判内での話をします ←ここもメチャ大事


第10回公判概要

日 程:9月9日 10:00~12:00
罪 名:威力業務妨害
    傷害
    航空法違反
    公務執行妨害
    器物損壊
被告人:30代男性
傍聴席:23人(裁判官入廷時)
    裁判の途中では50人くらいにはなってた?

今回も公判開始の10分前くらいから法廷で待機していたのですが、法廷内の様子がいつもと違う。

法定の様子。灰色の囲いが従来パーテーション

今までは、①証言台を囲うように、そして②被告人と弁護人の間飛沫防止のパーテーションが置いてあったのが、今回は置いていない。まぁ弁護士-被告人間はともかく、証言台と各関係者の間なんて、結構離れているし問題ないよねー、くらいに思っていました。

すると開廷の5分くらい前に、職員さんからお話が。

本日の公判に先立って、法廷のテレビ撮影がありますと。よく判決の速報などで使われるの、みんなが微動だにしないやつね。裁判官が着席してから2分間撮影をするので、写りたくない人は一時的に出て行っていいですよと。

裁判官が入廷して、全員起立と着席。被告人はまだ来ていませんが撮影が始まります。この手の撮影時に被告人がいるケースはまず無いですよね。きっと、これも何かしらのルールなんでしょうね。

1分や残り30秒とカウントされる中、そういえばこの生活になってこの撮影初めてだな、この前に撮影されたのいつだっけなと思っているうちに撮影終了。さぁ、被告人が入ってきて、公判スタートかと思ったら、

撮影後、結局、飛沫防止のパーテーションが設置されました。撮影用に取り外していただけのようです。あのパーテーションで、裁判官や手前の書記官の方の顔が、うにょーんってなるのを避ける目的だったんですかね。


そんなこんなで被告人、入廷。いつも通り、入廷時にお辞儀をしています。
確か、今までは白シャツだったと思うんですが、今日は青のワイシャツ。気合の表れとみたいですが、背中を見るとガッツリ汗かいていました。色付きワイシャツはこれに気をつけなきゃいけんのよなぁ…。


さて、検察官からの質問にもう少しだけ。
弁護人からの証拠の請求がありました。

まずは、前回採用されたものの、動画が上手く採用されなかった、
降機した際に録音されていた動画(傍聴席には音声のみ)が流されました

女性の声「手を叩く行為がありました」
男性の声「そんなのなかったでしょう」
みたいなのが数秒

音声上は確かに叩かれたといっていますね。
・捻ってさらに叩かれた
・叩かれただけ
・言葉では叩かれたと言ってるけど捻られた
・どれでもないのか
最終的にどのように判断されるかは、傷害の認定に関わるとこだと思うので、大変気になるところです。

他にも、
弁28 請求するも、検察官から必要なしの意見が出て、却下
弁29 採用ピーチの座席でテーブルを出した状態の写真撮影。
   出してる状態だと狭いから、いろんな動きが
   制限されるという趣旨かと。


それでは、お待たせいたしました被告人質問です。

被告人質問(検察官より 1/4 )-冒頭から荒れるピーチ事件-

まず前提というか印象論になってしまうのですが、やはり弁護人からの質問と違って、「いや」とか「あのぉ」とかが多くなり、戸惑っている様子は多く見受けられました。よっぽどのものでないと、メモに残していませんが。

文字起こし上、スラスラと喋っているように見えるかもですが、そのような前提をお踏まえください。まぁ放送事故レベルで戸惑うということはなかったともフォローしておきます。

検「ピーチ事件について聞きますが、
  離陸前にCAから着用を求められて、
  お願いかどうかということを聞きましたか」
被「それはお願いですよね?とは聞きました」

検「その答えはどうでしたか」
被「要領を得ない感じで、
 「ピーチでは新型コロナの関係で、
  マスクの着用をお願いしています」と言われました」

検「それに対しあなたは、
 「お願いであれば承りますが、答えはNoです」
  
と言いましたか」
被「一言一句正しいかはわかりませんが、
  そのような趣旨で「私はできません」と答えました」

検「お願いベースであれば、
  従わなくてもいいと考えた
のですか?」
被「質問の意味がよくわかりません」

検「義務付けられていなければ、従わなくてもいいと?
被「従うというのがまずおかしい。
 「お願い」というのは協力できるのならするし、
  できないのはしないという性質
のものと思う」

検「では今回のマスクについても
  そういった性質のものと(的な質問)」
被「ホームページに、お願いとして検温してください、
  搭乗券はスムーズな乗り降りのため
  プリントアウトしてくださいと同じような感じで
  マスクの着用とあった」

検「端的に答えられるものは端的にお願いします
被「お答えすべきことをお答えします

検「Yes、Noで答えられますよね」
被「お答えすべきことをお答えします」

開幕から揉めています。検察官からのお願いに関しても承った上で「No」って趣旨なんだな。さすがです。

冗談はさておき、やはり端的に答えられるものは答えて欲しいのです。時間が限られているから、答えが短ければその分質問の数が増えるかもですし、長々と回答していて本筋とずれちゃって余計に時間がかかっちゃうということも避けられます。
とは言え、当然ニュアンスを伝えたいこともあるでしょうから、端的にというのに従い過ぎるのも難しいという主張もわかります。

検「離陸前に、マスクを着用できない理由を伝えましたか」
被「告げようとしました」

検「では、実際どうなったのですか」
被「CAは十分に聞こうとしませんでした」

検「聞いてもらうために、
  あなたはどういうアクションをしたのでしょう」
被「iPadに不着用できない理由を準備していたので、
  見せてわかってもらおうとしました」
俺(準備してたというが、書いて例外を
  申し出ようとしたとも過去に言ってるけどな)

検「口頭で伝えるとか、
  メモで伝えるとかでもよかったのでは」
被「タブレットで伝えるというのも同じでしょう」

検「病気であると、
  さっと口で言えばよかった
のではないですか」
被「他にもお客様がいる前で、健康情報という
  プライバシーを伝えるのはよくない
かと」

検「小さい声だったり、さっとメモを書けばよかったのでは」
被「そのとき紙は持っていませんでしたし、
  小声であっても他のお客様が注目している状態
  その中で開示するのは不適切かと。」
俺(別にCAじゃないんだから、
  お客「様」って丁寧さをアピールせんでえぇで)

検「動画の中で、B(チーフパーサー)に
  必要な書類があるなら書きますと言ってますが、
  どんな書類のことか
  ちゃんと説明してないんじゃないですか」
被「Bが聞いてなかったので」

検「Bはジェットスターのことは知らないので、
  ちゃんと説明しなければわからない
のではないですか」
被「会話なので、聞いての流れの中で(的ななにか)」

検「Bに、「CAの指示に従わなければ
  降りてもらう」といったことを言われましたか」
被「はい、言われました」

検「この指示というのは、マスク着用のことと思ってますか
被「はい、そのように理解しました」

検「でも、席の移動をお願いされたことに対して
  断った後ですよね。では、指示というのは
  そのことに対してと思いませんか

被「マスク着用をしないという一連の流れなので、
  不着用についてと思うのが自然かと思います」

検「最後に着用のお願いをされたのはいつですか?」
被「前方のギャレーでです」

検「離陸後の?」
被「はい」

検「あなた、ブログでピーチ事件について
  発信していますよね」
被「お答えいたしません」

検「なぜ?」
被「お答えいたしません」

検「事実が明らかになると思うなら、
  答えた方がいいのでは?

被「それは、あなたのご意見ですよね?
  
お答えいたしません」

ひろゆき教か。

十分に訓練されてるであろうCAさんが、聞こうとしなかったという主張の苦しさはともかく、でもまぁ本当にそうだったとしよう。
でも、この人の場合、どうして聞きいれてもらえないのかというところに、思考が及んでないのか、そんなつもりはないのかわからないけど、全ての件を通じてそこに至っていないという印象。そこだけでも改善したら、印象はだいぶ変わったと思うのに。

検「21Aから気持ち悪いなどと言われましたか」
被「はい、言われました」

検「あなたは21Aに直接なにか言いましたか」
被「主尋問(弁護人からの質問)でお答えした通りです」

検「もう一度、言ってもらえませんか」
被「繰り返しなので答えません」

検「21Aの人や、通路を挟んで「左」に座っていた
  人が移動した後、落ち着いて離陸しましたか」
被「正確には、21Aと通路を挟んで「右」の人ですが、
  離陸したのは事実です」
俺(これは被告人が正しい)

検「周辺はいったん落ち着きましたか」
被「離陸したのは事実です」

検「この段階で、CAに苦情を言ったり、
  意見をしましたか」
被「Bに付き添われて後方ギャレーに行ったとき、
  ちゃんと言ってくださいねと言いました」

検「その後、あなたからCAに話しかける
  ということはしましたか」
被「していません」

検「あなたは機内でマスクをしていましたか」
被「していません」

検「あなたは質問書を書いていますが、
  それは口頭で話していたことを、
  伝えるために作成した
ということでいいですか」
被「はい、そうです」

検「では、作成の前に同様の趣旨のことを
  伝えていた
ということですか」
被「はい、そうです」

検「では、CAに対し「21Aに謝罪させろ」とは
  言いましたか

被「「させろ」という言い方はしていません」

検「「させろ」じゃなく、「させてください」などでは?」
被「主尋問で答えた通りです」

検「あなたが書いた質問書の2項に
 「CAによる両乗客への謝罪の促しはあったのか」と
  あります。謝罪を求めたのではないですか?

被「文語で書くとそうですが、
  実際は口頭で、21Aに「失礼ですよね。
  CAさんも言ってくださいよというやりとりがありました」

検「でも、質問書って離陸したあとに書いたんですよね」
被「質問の趣旨として、
  促しはあったのかということなので、
  離陸前にはありましたが、
  離陸後にはありませんと答えました」

検「CAから21Aに謝罪を促して欲しかったのですか?」
被「一言注意したらいかがですか?と申し上げたかった」

検「21Aが謝罪に応じない可能性もありますよね」
被「コロナによる差別や偏見があるというのが、
  機内で起こるのはよくないので、
  注意してはどうかという意味で申し上げました

実際の機内の雰囲気は抜きにして、差別や偏見があってはいけないという主張単体はわかる。これによってご苦労された方もいらっしゃるのでしょう。そして、それを一大人として促すというか考えさせるというのもわかる。

でも、それを質問書にまで起こして、どうだったのか気になるのは僕はわからない。それ、ちゃんと確認してなかったら怒る人のすることじゃん。

検「Bは後方ギャレーで、新千歳空港で
  降りてくださいと言いましたか」
被「はい、言いました」

検「質問書の第3項に
 「機内秩序を乱すので降ろす」といった趣旨のことを
  言われたと書いていますが、
  これは誰に言われたのですか」
被「Bからありました」

検「あなたは離陸前に
  降機を求められたという認識
なのですか?」
被「はい、そうです」

検「(質問不明瞭)」
被「離陸前と後では切り離せません。
  一連の流れのこと
なので」

検「Bから指示に従っていただけないと、
  といった趣旨のことを言われましたね」
被「主尋問で答えた通りです」

検「指示に従わないようなことがあったのですか」
被「ありません」

検「なのに降りろと言われたのですか?」
被「おかしな対応だと思います」

検「降りろと言われたことに、
 「職権乱用だ」と言いましたか」
被「文語では…(回答不明瞭)、
  おかしいですよねといったことを言いました」

検「降機については、
  Bではなく機長の判断と説明はなかったですか

被「受けていません」

検「CAと話していたとき、
  飛沫が飛んでいるのは見えましたか

被「スーパーコンピュータでなければ、
  飛沫は見えないと思いますが


検「顔を近づけて話しましたか」
被「意図的にはしていません。
  狭い機内の中で話して自然となった部分はある」


今回、(不明瞭)って箇所が多くてすみませんね。双方、冷静を保ちながらヒートアップしてるから、結構早口で追いかけるの大変でして。

ちなみに、飛沫ってスーパーコンピュータじゃなくたって、見えるんじゃないですか。5μm(マイクロメートル)=0.005mm以上ってことなんで、もちろん全部は見えることはないでしょうけど、デカいのはあるでしょ。5μm以下の飛沫核は見えないだろうけど。
でも、この辺り詳しくないので、間違っていたら訂正するので、ご指摘願います。

検「声は大きくなっていましたか」
被「前方ギャレーで、大きいと言われたが、
  意図してはいませんでした」

検「声のコントロールができないんですか?」
被「普通に話しているつもりだが、
  聞かれている人によると思います」

検「周りが不安がっていたことについては
  どう思いますか」
被「不安がっていたというのは、
  あなたの感想
なので答えることはできません」

検「あなたの認識を聞いているんです
被「そのような憶測の中でのことに、答えることはできません

検「席のテーブルに命令書を置いていましたか」
被「はい」

検「それは自宅から発見されたものですか」
被「はい」

検「機内から、どのように持っていきましたか
被「ナップザックに入れました」

検「そのまま入れましたか?
  それとも折りたたんで入れましたか?

被「ナップザックに入れました

検「どのように入れましたか?」
被「ナップザックに入れました」

裁判長「どのように入れたかという質問です」

被「ナップザックに入れたということで、
  入れ方は記憶にありません」

検「丸めたことはありますか」
被「ありません

検「自宅に持ち帰って保管していました?」
被「はい」

検「発見されるまでに、
  くしゃくしゃにすることはありましたか

被「普通に保管していました」

検「(質問不明瞭)」
被「意図的にくしゃくしゃにすることはありません」

検「(質問不明瞭)」
被「他の書類とともに保管したので、
  劣化があるのかはわからない」

検「捜索のときに押収されましたね」
被「はい」

検「それは、シワが寄っていませんでしたか?
被「シワは寄っていないと思います」

命令書の写真を見せながら
検「これはiPadに保管された命令書の写真ですよね」
被「はい」

検「シワを伸ばしたものですよね」
被「経年によるものだと思います」

検「いやこれ、シワ寄ってるでしょ!
被「いや、寄ってないでしょ!
  シワというか細かいのは、ナップザックに入れて
  持ち帰って妥当なものだと思います」

大の大人が、これはシワだ、シワじゃないってのは、なかなかに面白いですが、機内で自分はあくまで冷静を貫いたという主張であれば、そのシワの発生経緯は確かにしたいところですね。
まぁ正直、旅行用のカバンで煩雑にものがあったから、そこに揉まれてとかでも通った気はするけど。

検「あなたは、Bが命令書をシートポケットには
  入れていない
と言っていますね」
被「はい」

検「その際、腕をひねったりしていない?
被「そのようなことは、ありません

検「Bにどの事実が該当するか聞いたが
  答えなかったということですね」
被「はい、なかったです」

検「その執行の前や後にもなかったのですか」
被「ありません

検「緊急着陸後もありませんでしたか」
被「ありません」

検「地上係員が機内に入ってからもありませんでしたか」
被「ありませんでした。
  地上係員に聞いても説明はありませんでした」

降機後の様子を撮られた動画の反訳書(文字起こし)を見せながら
CA「機内の秩序を乱す行為がありました」
被告「どのことを言ってるんですか」
CA「大きな声で、、、」
被告「大きな声で叫んでないでしょ」

検「あなたは「大きな声で叫んでないでしょ」と
  遮っています
よね。大きな声で叫んでいたと
  指摘されていたのでは?」
被「この文字起こしが正しいのであれば」

検「あなたの記憶ではどうですか」
被「正しいのであれば、
  そのようなことがあったのでしょう」

また反訳書を示しながら
被告「何が具体的に該当するんですか」
地上「CAが先ほどから説明していますが」

検「とありますが、
  CAから説明されているんじゃないですか?」
被「動画の限りではそうです。
  降機の場でそのような動画あったということ
  以上のことではないです」

検「命令書に該当している事項と思わなかったのですか」
被「前方でやりとりしたときに、
  声が大きいですよねと言われましたが、
  そのときに「わかりました、紙に書きます」
  としたことで解決したと思った
ので」

検「降機時に機内で拍手が起きていますけど、
  他の乗客はどういう気持ちだった
と思います」
被「お答えいたしません。憶測に基づいた質問ですので」

検「では、なんで拍手が起きたのだと思いますか」
被「なんで拍手したのかは、その人でないのでわかりません」

検「あなたは、どう思うのかを聞いているんです
被「お答えいたしません

検「ピーチ社に航空機の払い戻しをすると言われましたよね」
被「お答えいたしません」
俺(あったんかい)

検「なんでですか?」
被「関連がないからです」

検「飛行機の運行において
  安全確保が必須であるというのは理解
していますよね」
被「多義的だと思います」

検「一般常識として、秩序を守るのが必須である
  ということは理解
していまよね」
被「多義的で具体的でないので答えられません」

検「新潟空港着陸の前、
  ベルト着用サインが点灯した際、机をどうしましたか」
被「戻すと言って、戻しました」

検「机を戻すようCAに注意されませんでしたか
被「質問書を書いているところなので、
  書いたらすぐに戻します
と言いました」

検「あなた、ピーチ社の統括本部長の尋問の際に、
  その方を睨みつけていませんでしたか?

被「お話しいたしません

ピーチ絡みはいったんここまで。

この辺りから、「お話しいたしません」、「お答えいたしません」というのが増えてきます。どうしても黙秘というのは、自分に不都合があるときにと思ってしまいますが、裁判において黙秘したことによって、被告人に不利益は生じないとされています。

それはそれとして、前回も思いましたけど、机を戻すように言われて、書いたらすぐに戻すんでという発想もなかなか。ホントにあと数秒ってことなのかもしれませんが、それをおくびにも出さずここでも言えるというのは本当に悪いことと思っていないのかな。

高校のとき、チャイムが鳴って先生が「携帯しまえ〜」って言ってんのに休み時間でのゲームがいいところだからちょっと待ってとかいう理論を展開し、取り上げられそうになったらマジギレしたクラスメートを思い出しました。同じ括りで語るなと言われるかもですが、僕の中では同じです。彼の名前なんだったけかなぁ...。


被告人質問(検察官より 2/4 )-捜索差押での2台目のiPadについて-

ここからは自宅の捜索差押時の確認となります。前回の弁護側質問での回答などと照らし合わせながら、合理的なのはどちらか頭に浮かべてください。

検「捜索時、あなたは白のiPadと銀のiPadがありましたね」
被「はい」
俺(そんな池に落とした斧みたいに言われても...)

検「白のiPadの差押を拒否したのは、
  ピーチ事件以降に購入したものだから
ということですね」
被「はい、そうです」

検「でも仮に以降に購入したものであっても、
  データの移行などすることはできますよね

被「それはあなたの意見ですよね」

検「そのことについて警察から説明はありませんでしたか」
被「お話しいたしません」

検「ピーチに関する
  データが入っていたのではないですか」
被「入っていません。後で買ったので」

検「後で買ったものだとしても、その後に作成した
  文書データなどが入っているのではないですか?

被「お話しいたしません」

資料を見せながら
検「これは、押収した白いiPadに残されていた
  データを印刷したものですが、ここには
 「緊急着陸を招いたのはピーチ社が
  原因である(的なこと)」
と書かれていませんか」
被「お答えいたしません」

検「言いたくないんですか?」
被「お答えいたしません」

検「それはあなたの見解が書いてあるからではないですか?」
被「それはあなたの憶測ですよね」

検「違うなら違うと言ったらどうですか」
被「それは黙秘権の侵害だと思います」

なるほどなぁ、iPadの2台の押収というのはそういう趣旨だったんですね。個人的にかなり合点がいきました。
池に古いiPadと新しいiPadを落として、古いiPadを差しだそうとしたから、警察に足を踏まれたのかと思いましたが(思考力ゼロ)、これは押収対象としたのも納得がいきます。

これは答えないから被告人に不利というのでなく、合理的なジャッジが裁判官に委ねられた時点で被告人には不利になった気がする。

検「(足を踏んだ踏まれたに関する質問の何か)」
被「それはあなたの認識ですよね。
  そのようなやりとりはありました」

検「原口に顔を近付けて
  歯をカチカチとさせませんでしたか」
被「そのようなことはしておりません」

検「こんなところに足を置いてるのが悪い
  というようなことを言っていませんか」
被「主尋問でお答えした通りです。発しておりません」

検「加藤の肩を叩いたのではないですか?」
被「主尋問でお答えした通りです。」

被告人の答えがコピペで済むことが増えてきたので、僕としては助かるんですが、決して手抜きではないということをご理解くださいませ。

写真を見せながら
検「この写真の赤い服を着ているのはあなたですね」
被「はい」

検「顔を近付けているんじゃないですか」
被「それはあなたの評価です」

検「なにかあなたの方から、
  言い寄ってるように見えるのですが」

弁護士「異議があります。
    この写真では判別しようがなく、
    検察官の思う答えに誘導
しています」

裁判官「検察官、ご意見は」

検察官「この写真では不明確なので、
    事実を確認するため
です」

裁判官「異議を却下します」

検「この写真では、言い寄ってるように見えるのですが」
被「お答えいたしません」

別の写真を見せて
検「これは怒りの形相のように見えるのですが」
被「あなたの評価です」

検「上半身が警察官の方へ前のめりになっているようですが」
被「お答えいたしません」

検「向かって行っているのですか」
被「それはあなたの評価です」

検「あなた山口のメガネについて、
  親指と人差し指に引っかかったと言いましたね」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「右手の動きはどのようなものだったんですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「そこは主尋問で不明瞭だったので
  お聞きしているんです

被「主尋問でお答えした通りです」

検「このとき、右手は視界の中にありますか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「このことは主尋問では話していないですよ」
被「主尋問でお答えした以上のことは話しません」

正直、本日の回は、全てこういった回答になる恐れすらも危惧していました。よくもったなとは思いますが、ここらで恐れていた事態に。

先ほども言った通り、コピペで楽しているのでなく、スイッチが入ると同じ言葉だけを繰り返すようになっちゃうんです。何度かやったら検察も諦めて話題を変えます。

検「警察の差押えに協力したと言っていましたけど、
  通帳の押収の際に警察は全部出せ
  と言っていたのであれば、全部出せばよかった
んじゃ」
被「「つべこべ言わず全部出せ、
  大事なものかはこちらで判断するから」
というのでは、
  何が必要なのかわからないので確認しました」

検「あなたは白いiPadで山口さんを殴ったことはありますか」
被「ありません」

検「捜索当初は、これは出せないと
  左脇でiPadを抱えている写真がありますね」
被「写真があるのなら、あったのだと思います」

検「このときは取り上げられていないよね」
被「はい」

別の写真を見せて
検「あなたが中心で周りに警察がいますね」
被「はい」

検「あなたのiPadを持った手は頭の左後ろにあり
  iPadは視界の外にありますよね」
被「それはあなたの写真の見方です」

検「ここiPadがあって見えるんですか」
被「それはあなたの写真の見方です」

検「左脇で抱えるより、
  そんな片手で頭の後ろにしているような状態の方が
  不安定ではありませんか」
被「それはあなたの写真の見方です」

検「さっと、取り上げられると思わなかったのですか」
被「それはあなたの写真の見方です」

検「久本が右から来たので
  とっさに右手で防ごうとしたと言いましたね」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「右手をどう動かしたのか教えてもらえませんか」
被「主尋問でお答えした以上のことは話しません」

検「(質問不明瞭。意図的でないにしろ
  どうしてメガネを掴む形になったのか的な質問)」

弁護人「異議があります。検察官の評価のもと
    されている質問で、相当ではありません」
検察官「では、質問を変えます」

やたら、被告人は「あなたの評価」みたいな言い方するなぁと思ってたけど、ここで弁護人も「検察官の評価のもと」って言ってるから、さては弁護人の入れ知恵だな。

ドラマなどのように、「異議あり!」と言って、何か立場が逆転するような場面ではありませんが、きちんと質問の趣旨を先回りして止めようとする姿というのは静かな緊張感があります。
この裁判に限らずですけど、異議を出されてさらっと質問を変えることがあるんですが、本人もギリギリのラインでやってんなという意思の表れみたいで、やはり相手としては気を抜くようなタイミングはないのでしょう。

検「久本のメガネが手に当たったのですね」
被「主尋問でお答えした以上のことは話しません」

検「捜索令状を持ったことは間違いないですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「破れたのは、あなたが持ってる手を
  離さなかったからでは
ないですか」
被「それはあなたの憶測で、
  私は言った通りのことしかしていません」

検「警察官が引っ張ってきたということですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「令状を読み終わっていたのですか」
被「いいえ」

検「その趣旨のことは言ったのですか」
被「それは申し上げました」

検「それでも引っ張ってきたのですか」
被「「もう終わりや」と久保田が
  引っ張って取ろうとしました」

検「警察官から手を離すように言われませんでしたか」
被「記憶にありません」

検「原口からマスクを取ってぶつけましたか」
被「記憶にありません」

検「山口のマスクを取りましたか」
被「記憶にありません」

検「あなたは警察官によって
  床に押さえつけられましたね」
被「はい」

検「その前に久本のメガネを取りませんでしたか」
被「いいえ」

検「捜索中、「公妨ギリギリまでいったる」
  いったことを言いましたか」
被「いいえ」

う~ん、膠着してきたなと思っていたところで、ちょっと変わった展開に

検察官「それでは、館山のことについて聞きますね」

被告人「休憩をとってはいかがでしょうか」

裁判官「それはとってほしいということですか

被告人「キリがいいところですし、当初の予定通り

裁判官「それでは休憩とします」

いや、実に彼らしい。
21Aに謝罪させろと言ってない(主張)けど、謝らせた方がいいのではと自分事でなく相手事にする、休憩を取るのもキリがいいところだしと相手を慮ってるかのように自分事でなく相手事として言う。

今、流行りのSDGsでは世界のことを自分事として捉えようと聞いてはいましたが、自分事を相手事のように思わせることはなんという言葉が適切なのでしょう。こういう点については、被告人は証言と行動に整合性が取れてるんですけどね。

被告人質問(検察官より 3/4 )-館山事件とそのルートの検証-

休憩明け
検「館山へ行ったのは、
  鋸山にハイキングが目的とのことでしたが、
  館山で昼食後に行くつもりだったのですか」
被「そうです」

検「館山へは昼食以外に用事は」
被「昼食を食べるために行きました

前回、鋸山に興味を持った私。宣言した通り、すでに登山の日程は確定させているのですが、これが思いのほか遠かった。都心からでなく、館山から。

Google 2022

電車で49分の距離とのこと。かなり遠い。
さらに言ってしまえば、

Google 2022 取手~鋸山~館山の位置関係

こういう位置関係なんですよね。取手からわざわざ館山まで南下して、戻る形で鋸山へ行っている。取手から鋸山へ南下するまでは同じ千葉県でも、船橋、千葉、木更津といった大きな都市を通っているのに。ここから何が言えるかというと、

妄想
普通「あなたはウッキウキで館山食堂に向かいましたね

被告「それはあんたの評価ですよね」

普通「しかし、あなた

第2回記事より

   こんな大規模な旅を計画するくらいだ。館山への移動もウッキウキだったんじゃないですか?

被告「ぐぬぬ」

そんな妄想はさておき、まぁただ昼を食べに行くという場としては不自然で、ここを明確に目当てにしていたのかと推測されます。一応、これが後に活きるといえば活きるので心の片隅にでも。

検「マスクはしていましたか」
被「していません」

検「入店時、求められましたのではないですか」
被「主尋問でお答えした通りです。
  Aは接客に従事しており、求められていません」

検「入ったとき、あなたは何か言いましたか」
被「主尋問でお答えした通りです。
 「一人で」と言って、Aが「いらっしゃいませ」と言いました」

検「A(店員さん)に席を案内されましたか」
被「「いらっしゃいませ」と言われたので自分で席につきました」

検「勝手に座ったのですか」
被「(回答不明瞭)」

検「座っていいかわからないのではないですか」
被「(回答不明瞭)」

検「あなたはコップにお茶をついで
  投げつけたりしましたか

被「いいえ」

検「天丼の注文のとき、大声を出しましたか」
被「普通の声です」

検「注文を断られてはいませんか」
被「そのような断られるようなことはなかったです」

検「受け付けられたと思ったのですね」
被「断られていなければ来ると思うのが普通だと思う」

検「「出ていけ」という声が他の方から出たと」
被「揉みあいの中で発生しました」

検「お店の人が「出ていけ」と言ったとは」
被「揉みあいの中なので誰かの声という認識だけです」

検「「天丼が出るまでずっといる」などと
  言ってはいないですか」
被「言っていません」

検「「なんだその口のきき方は、俺は客なのに!」
  などと言ってはいないですか」
被「主尋問でお答えした通りです。
  そのようなやりとりはありません」

検「Aに向き合って近づきましたか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「あったか、なかったか」
被「そのような事実はありません」

検「Aを転倒させましたか」
被「そのような事実はありません」

検「Aがマスクをテーブルに置きましたか」
被「はい」

検「そして、いきなり他の客から
 「いい加減にしろよ」
と言われたと」
被「言葉が妥当かわかりませんが、
  そのようなことを言われました」

検「悪くないのに、いきなり殴られたのですか」
被「(回答不明瞭)」

検「なぜ殴られたのですか」
被「私に意見を求められてもわかりません」

検「あなたの認識では?」
被「答えません」

検「あなたはマスクを投げましたか」
被「投げたというか、動画で確認して
  そのような結果になるのは確認できた」

検「あなた身長と体重は」
被「身長は174cm、体重は70kgくらいです」

検「千葉で勾留されたとき、示談をしようとしましたか」
被「お答えいたしません」

検「他の客に外で取り押さえられたとき、
  警察が来て離されたのですか」
被「(回答不明瞭)」

検「あなたは「クズだ」とか「底辺だ」とかいう
  言葉を発しませんでしたか」
被「組み伏せられてるときは、
  地面に顔を押し付けられているので、
  長い言葉など言える状態でない
です」

検「長くないですよ、「クズだ」です」
被「言っていません」

検「解放後は」
被「言ってません」

身長と体重を聞いたのは、店にいた人との体格を考えたときに、しっかり押さえなきゃいけないと思ったってことなのかな。

ネットに出回ってる動画では、「クズだ」云々についての検証されているようですが、冒頭に申し上げている通り、裁判内での情報のみ判断します。
ですが、「底辺だ」という意見が出ているのであれば、それは関係者が妄想で思いつくには不自然な気がするので本当なのかなと推測などもしてしまいます。

検「駐車場のやり取りのあと、
  食堂の方に向かっていますよね」
被「食堂の方とかでなく、
  パトカーと逆の方向に向かいました」

検「駅とは反対方向ですね」
被「パトカーと逆の方向に向かいました」

検「駐車場の出入り口は1ヶ所ですよね」
被「詳しい地理は認識しておりませんので」

検「地理とかじゃなく、
  駐車場があって道路があってというのならわかるでしょ」
被「わかるというのは、
  あなたの意見で私はわかりませんでした」

検「駐車場を出たら、(質問不明瞭)」
被「これ以上、お話しいたしません」

検「駅に行けばよかったのではないですか」
被「お話しいたしません」

検察はこれ以上突っ込まなかったけど、何が聞きたかったのかな。また店に行って畏怖させようとしたってことなのかな。確かに、開放されたんだったら、当初の予定通り駅に戻ってハイキングすればいいのに(そんな気分になるかとケガは置いといて)、なんで逆に向かったんだろう。これについては追及されていないので、ここまでにしておきますが。

検「警察に取り押さえられている動画の中で、
 「誰に向かって口聞いてんじゃ」と言っていますよね」
被「それは久保(前回は出てない人)では?

検「あなたです」
被「久保です」

検「あなたはそう認識しているわけですね」
被「はい」

検「中田に両手首を掴まれましたか」
被「はい」

検「離してと言ったら、離してくれましたか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「手をかざして
  距離をとりましょうよと言ったのですね」
被「はい」

検「前回身振りはしてくれましたが、
  言葉として記録に残ってないので
  具体的な動きを言葉で説明してもらってもいいですか」
被「公判調書に出ているはずですが」

検「出てないんで言っているんです」
被「公判調書に出ているはずです。繰り返すことはありません」
俺(俺のメモが正しいかわかりませんが、
  具体的な言葉では言ってないですね)

検「公務執行妨害があったとされた場面で
  中島の顔に手が当たりましたか」
被「お話しいたしません」

検「30cmでも50cmでも近づいた
  という事実は(的な質問だったはず)」
被「お話しいたしません。
  主尋問でお話ししたことが事実です」

検「警察に、何もしていないのに
  組み伏せられたと説明しましたか」
被「(回答不明瞭)」

このあたりの細かい事実確認は、警察官の調書などをもとに穴を突くためなので、やっぱ事前資料がないとちょっと把握が難しい。
事前に知識を入れると偏っちゃうし、知識なしだと想像の補完が大変。傍聴って結構大変なんですよ、皆さん。

被告人質問(検察官より 4/4 )-被告人の体調等について-

さて、見出しの通りのことを聞いていくのですが、今まで通りあくまで主張としての話です。
そして、特に体調、健康的な部分については、下記の記載では裁判で起きた以上のことを書きませんが、読まれた上での取り扱いについては特に気をつけていただきたく思います。

検「あなたは肋骨を骨折したのですか」
被「はい

検「呼吸は苦しくなかったですか」
被「苦しかったです」

検「拳を握れないくらいと言っていましたね」
被「はい、そうです

検「でも、取調べで事件の再現はできたんですか」
被「あったことは伝えなければと思い、
  痛みに堪えて、切々と行いました」

検「弁護人が提出した証拠には、
 「骨折の疑い」とありますが」
被「私がお答えすることではありません」

検「電子カルテによると、
  痛みの特性から「骨折の疑いがある」と書いています」
被「証拠提出の通りです」
俺(じゃあ、疑いじゃねぇか)

検「疑いとしかされていないのに、
  骨折だと断定しているのは何故ですか」
被「それは医者がそのように診断したということです」

検「あなた、証人尋問の際、
  笑みを浮かべながら聞いていましたね


弁護人「確定的でないことを聞こうとしています」

検「あったかなかったか」
被「お答えいたしません」

検「あなたがマスクをできないのは、
  ぜんそくが原因
なのですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「ぜんそくはいつからですか」
被「幼少期からです」

検「いつ診断されたんですか」
被「幼少期なので、まぁその、定かではないです。
  父や母から聞いてるんで」

検「診断されているのを法廷に出さないのは何故ですか」
被「立証に必要であれば出しますし、
  それはこちら側の方針ですので、
  心配いただかなくて結構です」

検「呼吸器疾患というのはぜんそくのことですか」
被「お答えいたしません」

検「現在、その治療は受けていますか」
被「お答えいたしません」

検「令和3年4月(多分)、
  安房での病院で受診をしていますね」
被「はい」

検「問診表を書きましたね」
被「はい」

検「事実の通りに書きましたか」
被「ありのままに書きました」

問診表を見せながら
検「そこの中に症状をチェックする欄があり、
  高血圧、呼吸器疾患に〇をつけていますね」
被「完全なものかわからないが、
  そういう問診票を出しているのは確か」

検「ここで、ぜんそくに〇がついていないのは何故ですか」
被「これは、看護師の文字じゃないですか。
  口頭で説明したので、
  正確に書かれていなかったのかもしれません」

検「平成30年、海外で骨折しましたね」
被「お話しいたしません」

検「ここで病気の有無について書いていますね」
被「お話しいたしません」

その資料を見せる
検「これによると」

弁護人「異議あり。今回の件と関連性がありません
裁判官「検察官、ご意見は」
検察官「ぜんそくの有無についての確認なので
    必要性ありと考えます」

裁判官3人の間で1~2分審議

裁判官「異議を認めます

そもそも行動の大元であった、ぜんそくの部分から切り崩しにかかった検察官。異議が入り、この点はこれ以上追求されませんでしたが、問題点の提示には十分であったかと。

実際の病気、病状のことなので、これは特に気を付けて書きますが、被告人は証言台で多少咳込むというか、言葉が変な詰まり方がしていたのは事実であると伝えます。それがその病気によるものか、なにか別なのかはわかりません。あと2回前から当たり前のように水も飲んでいます。

あともう一つ言うと、証人尋問に際して、笑みを浮かべていたのも、私の冷静なジャッジとしてそうだと書いておきます。
ゲラゲラと笑っていたとは言いませんし、「あなたの評価ですよね」と言われたらそうなんですが、スウェーデンでプレゼンを頑張ってきたっていうんなら、声の抑揚だけでなく表情も見られるんだから気を付けた方がいいぞとは返したいと思います。

検「マスクは短時間もつけることはできませんか」
被「お話しいたしません」

検「館山の件で保釈されましたよね」
被「はい」

検「その後、買い物などでお店に入るとき、
  マスクはしていました
か」
被「お話しいたしません」

検「保釈の際、陳述書を書きましたね」
被「お話しいたしません」

検「あなたが書いたんですよ」
被「お答えいたしません」

検「マスクについての誓約をしたのを覚えていないですか」
被「お答えいたしません」

検「そこには、買い物はできるだけ短時間にし、
  マスクを着用します
と書いてありますが」
被「それは、前の弁護士が書いたものだと思います」

検「書類右上の署名や捺印はあなたのものではないんですか」
被「お答えいたしません」

検「あなた名義なので確認しているのです」
被「保釈については、(関係ない的なことを言ってた)」

検「騒音がする場では
  物が聞こえにくいなど言ってましたかね」
被「飛行機のような騒音の場所でという意味で言いました」

検「検査など聴力について調べたことは」
被「お話しいたしません」

検「裁判官にピーチ事件について勾留質問されましたね」
被「はい」

検「そのとき、裁判所に誓約書を書きませんでしたか」
被「お話しいたしません」

検「自身のブログやSNSなどで、
  ピーチなどを批判をしません
としていませんか」
被「お話しいたしません」

検「署名がありますが」
被「お話しいたしません」

検「あなたが話した内容じゃないんですか」
被「お話しいたしません」

検「裁判が始まってからも
  あなたは批判を繰り返しています
よね」
被「お話しいたしません」

検「なぜですか」
被「お話しいたしません」

検「マスパセの名称で発信していませんか」
被「お話しいたしません

ツイッターの画面を印刷してみせる
検「これはあなたのアカウントではないですか」
被「お話しいたしません」

うーん、でも奥さんが証人尋問でそうだって言っちゃってるもんなぁ。
さすがに、これを黙秘以外で被告人に有利な形で反論するのは難しいのかな。これで検察官がまさかの、マスパセのなりすましの全然関係ないのを見てたりしたら笑えるけど、そういうことでもないようだし。

検「ピーチに関係することについて
  批判などを書いていませんか」
被「お話しいたしません」

検「検察官の私が監視をする中で、
  Bの証人尋問があったあと、
 「本日、ピーチのCAの証人尋問がありましたが、
  不自然なものばかりでした」
、などと投稿していませんか」
被「お話しいたしません」

検「統括本部長については、
 「ノーマスクは爆弾テロと同じで」
などと、
  あなた投稿していませんか」
被「お話しいたしません」

検「証言内容と全然違うんですけど」
被「お話しいたしません」

検「館山食堂の件についてもツイートしていますよね」
被「お話しいたしません」

検「「裁判・旅行マニア」という人への返信に対しても
  誹謗中傷
していますよね」
被「お話しいたしません」

まったく、、、誰でも彼でも噛みつくんですね、このアカウントは。
それにしても、「裁判・旅行マニア」ってまるで僕みたいですね。
・・・・・・(。-`ω-)
・・・・・・(。´・ω・)オレ?

裁判・傍聴マニアさんのツイート。裁判とは関係ないツイート

俺じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!

正直、脳内こんな感じになりました。


と盛り上がったところなのですが、冒頭のルール通り、裁判外のTwitterなどでのやり取りについては、私事であっても控えますね。ネットを辿ったら恐らくヒットするのと、また来るべきが来たらお話しをすることもあると思います。

裁判確定まではこのスタンスで行かせてください。

検「「裁判・旅行マニア」という人への返信に対しても
  誹謗中傷していますよね」
被「お話しいたしません」

検「こちらでも、客のレベルに言及、
  味のレベルなどについて言及
していませんか」
被「お話しいたしません」

検「あなたお父さんからSNSについて
  注意を受けたことはありますか」
被「お話しいたしません」

検「投稿を削除するよう言われたことはありますか」
被「お話しいたしません」

検察官変わって
検「離陸前、マスクをつけられない理由について、
  iPadで準備をしていたと言いましたね」
被「さっき話した通りです」

検「ジェットスターのものが残っていたということですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「見せるのが可能な状態だったのですか」
被「主尋問でお答えした通りです」

検「それはしなかったのは何故ですか」
被「動画で映っている通りです」

検「なぜ簡単な作業をしなかったのでしょう」
被「動画で映っている通りです」

これで検察官からの質問終了。

自分のことが取り上げられたので舞い上がっていましたが、館山食堂の味の言及をしたのが、この被告人の扱っているアカウントだとするならば、わざわざハイキング前に遠回りしてまで行った食堂で食べられなかった腹いせとしか思えないですね。

でもな、被告人よ、落ち込むな。上には上がいる。

青森県下北半島の「ぬいとう食堂」

何を隠そう、この僕は青森県のこんな僻地にうに丼を食べるためだけに行って、食べられずに帰ったという経験をしてるんだ。館山なんて近い近い。


さて検察官の質問は終わりましたが、弁護人からの最後に補充でちょっとだけ質問

弁「質問書の中で「機内秩序のため」と書かれているが、
  CAから具体的に機内の問題となにか指摘されましたか」
被「いいえ、言われておりません」

弁「どういう意味だと捉えましたか」
被「指示に従っていただけないということかと」

弁「その指示というのは」
被「マスク着用のことと理解していました」



最後に裁判官からの質問です。最終的に左陪席(傍聴席からは右)の方のみがしました。

裁「離陸後、差し支える(意図不明)と伝えましたか」
被「いいえ」

裁「命令書はテーブルの上に置かれたのですか」
被「はい」

裁「どういった行為がと説明がなかったと」
被「はい、そうです」

裁「心当たりはなかったのですか」
被「なかったですし、
  何かと聞いても答えてもらえませんでした」

裁「納得はいってたのですか」
被「該当するようなことはないと思っていたのですが、
 (機内混乱を避けるために機外に出た的な回答)」

裁「テーブルの上の命令書を突き返そうとはしなかったのですか」
被「いいえ」

裁「受け取るものは受け取ろうと」
被「はい」

裁「天丼は誰に注文しました」
被「Aです、〇〇(本名)さんにです」
俺(いちいち言わんでえぇ)

裁「Aの反応は」
被「注文して、断りなどは言ってこなかった」

裁「厨房にいる店長には気付いていました?」
被「店内と厨房の窓も小さく、いるとも思わなかった」

裁「Aは厨房にオーダーを言ったりはしていましたか」
被「記憶していないが、
  カウンターと厨房の間には言っていたと思う」

裁「座っている最中に首を掴まれたと」
被「主尋問でお答えした通りのことを受けました」

裁「Aとかはその行為に反応していましたか」
被「マスクしてください以外、動画であった通りです」

裁「Aは他の客を止めたりしていましたか」
被「そのようなことはしていません」

これにて裁判官の質問は終了。

命令書を持ち帰った件だけど、今思えばだけど、今回このように起訴されていなかったら、どうするつもりだったんだろう。不正に降機させられたとして、その命令書をもとに何か行動するつもりだったのかな。まぁ払い戻しの話もあったっぽいし難しいと思うけど。


ここで双方から申請があって、かつ双方(検察にとっては弁護人、弁護人にとっては検察)が認めた証拠の取調べは終了
証拠採用に不同意があった証拠について、継続して採用を主張するか撤回するかなどのやりとりがありました。


検察官からは、公判前整理手続きのときには出せなかった、ツイッターのスクリーンショット2点とそれをもとにした検察官自らの証人尋問を新たに請求。
事前提出はできなかったのは、整理手続き後に投稿されたものなのでと説明があったものの、弁護人としては被告人本人が投稿したものか立証できないとして不同意、裁判所も却下しました。


これにて証拠調べ手続きは終了。

ここまで審議、取調べされたものをもとに、次回検察官からの論告と求刑、弁護側の最終弁論、そして被告人自らによる最終陳述が行われます。

これまでの会話体だと、いろいろ想像で補完できるのですが、次回は文書をひたすら読み上げられるだけなので、今まで通りの再現はほぼ難しいですとあらかじめ弱音を吐いておきますが、双方の主たる主張の軸は外さないよう頑張っていきたいと思います。


次回、その手続きがあって、問題がなければその次が判決となります。

この連載もあと2回(どういう結果になっても、どちらかが控訴しそうな気がするので、それなら続行しますが)、どうか最後までお付き合い願います。



最後に、いつものお願いです。
2時間メモを続け、それを文字起こしをするという作業に僕の手首はボロボロです。もし今後の執筆もお見守り頂けるという方がいらっしゃればバンテリンを購入する費用をご支援ください…。

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もちろん、この有料は全く強制するつもりもございませんので、ホント有志の方だけで結構です。


毎度のことですが、当記事の全責任は私に帰属いたします。

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