当記事は、以下の傍聴記事の続きの傍聴記となりますので、内容のご理解のためにまずお読みいただけると幸いです。
長文で大変ですが、ほらっ、読書の秋っていうじゃないですか!裁判の記事を読んでみて、感想を形にする読書感想文なんてのも久々に乙なもんじゃないですか?
↓暴力を受けたとされるCAさんの証人尋問
↓その他のCAさんや航空会社の関係者の証人尋問
↓被告人質問(弁護側)、被告人の奥さん、父親の証人尋問
↓被告人質問(弁護側)
↓被告人質問(検察側)
さて、今回は、これまでに採用された証拠をもとにした、
検察官による「論告」、弁護人による「最終弁論」、そして被告人による「最終陳述」が行われました。
これは、長らく続いた質問形式でなく、書面に意見をまとめて主張するものになります。これが大変なんですよ、聞き取るのが。
などの理由から今までよりも再現度低めでご了承いただけたらと思います。
あと単純に、僕が普段そんな大きな裁判を見ていないので、ここまでガッツリした論告や弁論を聞いたのが初めてだったのもありますかね。大きくないのだと、双方5分もしなかったりするんで。
という訳で、いきなり不安を見せちゃっていますが、頑張ってメモしました。目指せ、一番詳細な情報発信!
そんな訳で今回もお手数ですが以下の点をご留意の上、お読みいただけると幸いです。
第11回公判概要
前回同様、開廷前にマスコミによる撮影がありました。あれって特定のテレビ局が持ち回りで撮影して、他局に流したりするのかな?撮影自体は1社分しかないけど、いろんな報道番組できっと使われるんだろうし。
全然社会的に注目されていない公判を、「すみません、「傍聴小景」と申しますが、撮影の申請をしたいんですが」と言ったら、何秒で電話をガチャ切りされるのか気になるところです。
撮影も終わり、被告人入廷。今日はグレーのスーツをビシッと決めてきました。
何故だか開始時間から5分くらい来なかったので軽くざわついのですが、特に説明はなく関係者は微動だにしてなかったです。動じない精神は大事ですが、裁判長から何か一言説明があってもよかったのでは?
では、早速検察官からの意見でスタートです。
検察官による論告1/2 ~「要するに」信用ならないっす~
なんか今までの記事のまとめみたいで、書いてて楽しいです。以下、個人的に気になる点を。
まず、嘘をつく動機がないという点については、CAの職務としてみたいな感じで言っていましたが、正直どうかなと。
僕は別にCAさんなどが嘘をついているとは思いはしませんが、やはり人ならミスもしますし、コロナの対応で慣れないことばかりでマニュアルにないイレギュラーにも対応しきれていたかはわかりません。
嘘をついていると思う箇所があるものではないですが、無条件で全面的に使用すべきとも思えず、その他証拠の妥当性などによって判断すべきなのかなと思ったりもしました。
叩く行為があった云々については少しモヤモヤしていたところなので、まぁ少し納得したという印象です。でも、反訳書では「叩く行為があった」と強調されている感もあったので、完全にモヤは晴れてはいないです。
一番合点がいく点としては、マスク未着用だから降機したわけじゃないですという点ですかね。だったら離陸するわけないじゃんという。
根底にその問題があるのはわかりますが、「未着用で降ろされた」というような表現は誤解を生むよなと思います。
とは言え、この事件のことを他者に説明するときは「未着用で降ろされた人」っていうと気付いてもらいやすいので、痛し痒しな部分かなと思います。
あと、私も前回の記事で触れましたが、飛沫とスパコンのことについて検察さんが触れたのは少し面白かったです。正直、この意見自体はなくても問題なかったですが、こういうところに、ちょいちょい検察官の怒りというか、強く主張しきるという確固たる意思が見えてたように感じます。
一気にがーっと書いちゃいましたけど、皆さんついてきてますかー?僕一人で、誰も見てないのに長文垂れ流しているなんて嫌ですからね。
まずは、こちらの画像で文字地獄から一時脱出してもらいましょう。
最後の検察官の主張の、位置的にどっちに行ってもというやつですね。
これに関しては僕ルールのSNS云々と関係ない、証拠にもなっている動画からなのでYouTubeにあったものと、実際に私が行ったものから推察します。
動画で見ると、「P」の位置にパトカーが停まっています。駐車場の出口はこの駐車場の左に一ヶ所でブロック塀などに囲われているため、出てしまえばどこへ進んでもパトカーから離れるとは言えますが、駅方向がパトカーのある方向と言えなくもないかなと。だから南が逆というのはまぁそうかなという感じです。
あと、これは多分ですが、交番などは駅の方でしょうし、離れたかったという被告人の証言には一定の合理性があるように感じました。
あと、詳細にはきっと書面には書いてあるのでしょうけど、総括としてまとめられているのが、「自分で何もまともに答える気ねぇんだもん」という感じにまとめられていて、長々と説明したまとめとして、なかなかに面白かったです。
さて、ここまでで開始から35分程度の出来事です。
えー、2時間の公判だから、まだ1/3も終わってないのかよと思うかもしれませんが、そういうわけでもないのでご安心を。
検察官による論告2/2 ~航空法らの求刑が関心の的~
僕が大きな裁判を見ていないからですかねぇ、「再犯は必至」なんて言葉初めて聞きました。多くは「再犯の可能性が非常に高いと言わざるをえない」くらいのものですよ。
ただ、検察官の主張をそのまま信じるとなると、そこまで言い切るのもわからなくもないかなと個人的には思います。
後でも書きますが、僕自身、彼の発言や主張が全然分からない訳ではないんです。「確かに」と気付かされたものも正直あります。
でも、やはり検察が言うところの独善的態度というのが、わかるという気持ちを大きく上回っちゃうんですよね。思いやり、理解を求める人ほど、自分が他者に対してその気持ちを有せず、理屈で丸め込もうとするというか。
ちょっと検察寄りの意見が多くなったので、少し自分でポジションを見直しますが。
じゃあ、絶対有罪かと言うと、100%誰がどう見ても間違いないでしょというほどのものではないかなとは感じています。
4件それぞれが別個のものであったら、もっと議論の余地はあったのかなと思っていますが、さすがに連続したのはちょっと言い訳が難しいかなとも思いますが。
最後の求刑では軽くざわつきましたね。マスコミの記者などもそれで一斉に法廷の外に出たりしました。
それで思い出しましたけど、あの法廷建付けが悪いのか、人が出入りする度に相当うるさいんですよね。大きい裁判をする法廷なんだから、そこはどうにかして欲しい。
話を戻しますが、懲役四年が驚かれた理由として
これらが言えるかなと。
確かに執行猶予って、無罪同様と感じている人もいますけどある程度の反省の姿勢や、次なる対策を練って社会内での更生が期待されるから猶予するものです。
裁判官がどういう意見を採用するかですが、少なくとも検察官が「反省していません、再犯は必至です」と主張している以上、なにかしらその意見に反した考えを述べられないと「初犯だから」の一言で執行猶予にするのには、ちと弱くないかと思ってしまいます。
うーん、検察官頑張りました。
ちなみに被告人は、いつも通り、椅子にふんぞり返って、ニヤニヤしながら聞いていました。
さて、ここで時間は11時ちょうど。ここから弁護人による最終弁論です。
検察官は自席で立ち上がって、論告が書かれた紙を持って主張を続けたのですが、弁護人はおもむろに証言台の方まで歩いていき、裁判官と正対して語りかけるように話し始めました。関係者にはパワポで作った資料が表示され、弁護士先生は弁論用紙は手に持たず机に置いてたので、ポイントだけを抑えるような感じで話を始めました。
弁護人による最終弁論 ~異質な存在を排除していないか~
検察官が総括的に被告人の性格的特徴などから情状部分を伝えたのに対し、、弁護人が冒頭に全体に共通する事項としてまとめてから話に入ったのが対抗しているみたいで印象的でした。
先ほども少し触れましたが、Bなどに動機がないという点ですが、僕はBやPが嘘をついているとは思いませんが、弁護人の主張する被害を大きく見せようとしているという主張には納得しました。
これは仮にの想像の話ですが、自分たちが思った以上に事が大きくなってしまい、引っ込みつかなくなってしまったというのは決して無理筋な意見ではないと思うからです。
ただ、個人的にはCAというのは相当訓練を積んでいる印象があるので、被告人ほど弁が立つとは思えませんが、各種トラブルにもある程度対応できるであろう中、今回のような事件に発展したのは弁護人が暗に主張したそうな、Bなどが未熟だったというのは職業柄信じにくいと思ってはいます。でも、これはかなり個人の心情的な部分なので、弁護人の主張もよくわかります。
あと、机が出ていた問題ですけど、これも質問書を書いていたのだからテーブル出てるはずという主張は納得できます。
ただ、こればかりは機内の情報がないので、シートポケットに本当に入れられないのか、またシートポケットに入れたという事実がどこまで重要視されるべきなのかの判断がなんともつかないという思いもあります。
あとは叩いたのか捻ったのか問題ね。
検察官の方でも少し触れてたけど、これ証人尋問で触れてないと思うんよな。結局、叩かれたのか、捻られたのか、それとも叩かれもして捻られもしたのか、それとも叩かれも捻られもしてスパコンでなくても見える飛沫を飛ばされたのか、そのどれでもないのか。これは双方言ってることはわかるし、でもどっちも決定的でないなぁという印象です。
これは僕の責任ですけど、館山事件や自宅捜索事件など証人の尋問を傍聴できていないので、弁護側の言う不合理性というのが、ちょっと僕の情報量だけじゃ足りないんですよね。
でも、偏見による排除傾向という趣旨はわかる。
ただ、それにしてもみんな関係者が暴力的過ぎるんだよなぁ。これらを全部、被告人は被害者であるというのはキツいがする。
逆に、そういう観点で検察側の主張を見ると、やはり一定、被告人に対する歩み寄りできる点は見出せたのではないかと思わなくもない。ただ、実際の現場で被害者たちの対応はわからないけど、少なくとも被告人が歩み寄りを見せていないのはマイナスだと思うんだよなぁ。
僕は一連の記事で弁護人は頑張っていると思っている立場でいるんだけど、最後の弁論に関しても決して多くはないカードを使って、しっかり見せるところまでは出来たと思う。
滔々と語りかけるような弁護人の弁論は、無罪主張の場合は有効なのかな。
弁護士先生、お疲れ様でした。
そんな弁護人の仕事も見せられたところで、最後に被告人の最終陳述です。
時間は11時45分。閉廷したのは12時13分だったので、まぁその間ずっと喋っておられましたよ。
それではお聞きください。
被告人による最終陳述 ~やっぱりマスクの話~
ゆっくりと証言台に向かって歩く被告人。手には原稿と、もはやお馴染みになった水。
そういや論告だか、弁論だかで勢いよく咳込むシーンはあったけど、最終陳述では水も飲まんと詰まらずに、よぉ喋ったななんて思ったり。
以下、何か事実関係の主張でなく、冒頭の例のように演説のメモみたいな感じなので不確かな箇所多数であることを前提にお読みください。
この絵を裁判官や傍聴席などに見せながらスタート
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お前、ほんとマスク好きだな!
僕のこのまとめも酷いですが、裁判長もこんだけ長い話が終わったあと
と、さっさと締めたのがツボでした。
僕の意見は論告、弁論に対してちょこまか言ったのがほとんどです。
途中にも書きましたが、一連のこの裁判で僕自身、被告人に気付かされるというか考えさせられることなどはありました。
ただ、その一方でその考えの浸透が強引であったため、これが有罪となった場合、ノーマスクについての世間評価は一歩後退するという結果になるのではないでしょうか。
今回の事件のきっかけはコロナが一つ大きな要因ではあると思いますが、人間関係どういうきっかけでその人個人や、個々人間での価値観の相違が生まれるかなんてわかりません。
やはり人として、想定できるいろんな状況を踏まえて行動できる広い視野と、想定外のことが起きたときに、協調し、協働し合える前向きな社会づくりができるといいですね。
判決の日って、人いっぱい集まるのなかぁ。
ここまで追った以上、傍聴券になって外れるとか嫌だなぁ…。
長文を読んでもらったのに、さらに最後に、いつものお願いです。
今回の記事が面白かった、参考になったと思っていただける方は、私にチョコ代を奢ってもらえないでしょうか。
なぜにチョコ代?とお思いでしょうが、裁判のメモや書き出しって、すごく入り込むんで終わった瞬間、身体が糖分を欲しがりまくるんですよね。
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もちろん、この有料は全く強制するつもりもございませんので、ホント有志の方だけで結構です。
毎度のことですが、当記事の全責任は私に帰属いたします。
大人の人生交差点クラブ 普通