窃盗罪のみで求刑10年!?思わず滋賀に通った、被害者総数46名なのにニュースに一切出ない超大型事件 傍聴小景 #118(窃盗)
X(旧Twitter)では、傍聴のために遠出した場合、その裁判所の写真やどんな裁判やっているかなど様子を投稿しているのですが、フォロワーさんから「どうして、そんな滋賀県行っているの?」などと聞かれる時期がありました。
大津地裁といえば、このnoteでも書いた、元プロ棋士の被告人の裁判がありました。
それ以降も、とある裁判のために、大津に通っていたのです。
最初は、その棋士の裁判のために行ったのですが、たまたまその裁判の前にやっていたのが、今回紹介する裁判なんです。そして、どっちかというと僕は、棋士の裁判よりこっちの方が心惹かれておったのです。
はじめに ~見た目は普通、事件の数は異常~
傍聴したのは4回でしたが、全部で何回あったのか、僕が初めに傍聴したのも何回目かわかりません。
裁判傍聴したことある人なら、そのすごさがわかると分かると思うのですが、裁判官が検察官に追起訴予定を聞いた際に、「少なくとも月1で6ヶ月は追起訴が続き、その後も予定しています」と回答。
事件の数が多いのは当然驚きなのですが、1件ごとの額も実はすごく大きい。
被告人は30代のヒョロヒョロした男性。
公判の途中で丸坊主にしたのですが、お坊さん感がして似合っていたのですが、初めて見たときはロン毛でした。でも、チャラ男感があるわけでなく、ボサボサなロン毛で自堕落感というわけでもないし、外見からは普通と呼ぶのにちょうどいい感じの被告人だったのですが。
事件の概要(起訴状の要約)
ざっくりこんな感じです。
そりゃあ、今、世間をお騒がせの、なんとかちゃんに比べたら桁が違うかもしれません。ただ、本人から譲られるのでなく、勝手に融資契約をして、引き出すなんてパワープレイ初めて聞きました。1人あたり、100万以上…。
「融資まで簡単!」みたいな広告見ますが、簡単すぎるとこういう犯罪も起きてしまうということなのでしょうか。やはりお金に関わることは、多少面倒でもセキュリティ高くあって欲しいですね。
厳密に言うと、この事件において被害者は消費者金融のようです。「どうする?」ってCMのところです。
利用者じゃなくて、会社自体が「どうする?」と対応を求められることになろうとは…。
ただ、今後は便宜上、そのなりすまされた46人を「被害者」という表現にさせてください。実際、裁判でも「実質的被害者」と言ったり、「被害者」と言ったりごっちゃになってたので許してー。
採用された証拠類 ~「代わりに消費者金融と契約してあげる」~
読まれた被害者供述は処罰感情だけだったので、実際の犯行態様は被告人質問で聞けるかどうか。
ただ、被害者さんには申し訳ないですが「なんで?」という思いが、まず頭に浮かんでしまいます。巧妙なやり口だったのか、その他理由があるのかこの時点ではわかりませんが、個人情報を伝えるだけでもハードル高いのに、なぜ融資契約を結ぶことを人に委ねることになるのか。
ちなみに、これは後の被告人質問で明らかになることですが、「単独犯」です。あくまで被告人の主張においてはですが。
自分で計画して、自分で行ったようです。この規模の犯行を組織的犯行ですらなく、さらに謎を呼びます。
そんな被告人を弁護するための証拠
想像力が欠けるってどういう意味じゃ?勝手に個人情報使って、融資契約して、引き出すことで事件化されないとでも?
謎も多いですし、関係者のお話を聞いてみないとですね。
証人尋問 ~金銭トラブルは家族間でも問題で~
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